唯一無二の怪優ロビン・ウィリアムズの真骨頂がここに!奇跡の「グゥゥモーニンベッナァァァム」

唯一無二の怪優ロビン・ウィリアムズの真骨頂がここに!奇跡の「グゥゥモーニンベッナァァァム」

ベトナム戦争拡大期の1965年、サイゴンに赴任した型破りな空軍兵DJエイドリアン・クロンナウアの活躍(?)を描いた『グッドモーニング、ベトナム』。監督は『レインマン』の名匠バリー・レヴィンソン。主演は唯一無二の怪優ロビン・ウィリアムズ。共演にはのちにオスカーを獲得するフォレスト・ウィテカー。主題歌はサッチモ。とにかく、スキのない映画だ。というよりも、奇跡的なのである。


なぜ、『グッドモーニング、ベトナム』は “奇跡”の戦争映画なのか?

さて、なぜこの映画が“奇跡”なのか?
おおざっぱに言えば、この映画、いわゆる “ハリウッドの戦争映画”ではある。
しかし、ありがちな誇張や偽善的な演出はない。
観た後のやりきれない疲労感や、救いのない絶望感もない。
ただただ爽やかなのだ。この爽やかさはいったいなんなのだろう。
まさに“奇跡”の戦争映画なのだ。
その理由をぜひご紹介したい(個人の見解ではあるが・・・)。

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ハリウッド戦争映画、『グッドモーニング、ベトナム』へ至る道

『ディア・ハンター』『地獄の黙示録』が問うた戦争の正当性

第2次世界大戦中や大戦以降、ハリウッドが制作した戦争映画は、戦意高揚、悪を倒す正義のヒーロー像を描くのが基本だった。アメリカはいつも善で、アメリカの敵はつねに悪だった。その流れを大きく変えたのはベトナム戦争以降。国民の固い愛国心で戦ったとは決して言うことのできないベトナム戦争は、価値観の多様化や、激しい反戦運動にアメリカ全体が揺さぶられながらの戦いだった。そんな世相を反映して、1978年にマイケル・チミノ監督の『ディア・ハンター』、1979年にフランシス・フォード・コッポラ監督の『地獄の黙示録』が製作されたのだった。これらの映画はそれまでアメリカ人が自身に問うてこなかった戦争の正当性についてへの論議を促したのだ。

『ディア・ハンター』はアカデミー賞作品賞を受賞。ロバート・デ・ニーロの鬼気迫る演技は恐ろしさすら感じた。

『プラトーン』が生んだ新潮流と空前の大ヒット

そして、1986年に製作された『プラトーン』がさらに新しい潮流を生み出す。監督のオリバー・ストーンは、ベトナムの想像を絶する蒸し暑さに苛立つ兵士の焦燥感や、自分だけ助かろうと死体の影に隠れるというもはやヒーロー像とはかけ離れたアメリカ兵士のリアルな姿を描いてみせた。ドキュメンタリータッチという斬新な手法で、最も事実に忠実なベトナム戦争を描いた映画と呼ばれた『プラトーン』は、製作費約600万ドルの低予算ながら、アメリカ国内だけで1億4000万ドルに迫る大ヒットとなった。

監督オリバー・ストーンは、『プラトーン』と、トム・クルーズ主演のベトナム帰還兵の苦悩を描いた『7月4日に生まれて』の両作品でアカデミー賞監督賞を受賞している。

ベトナム戦争を描いた初のコメディ映画『グッドモーニング、ベトナム』

『プラトーン』の商業的な成功により、『フルメタル・ジャケット』『ハンバーガー・ヒル』『友よ風に吹かれて』など、次々とベトナム戦争をテーマにした映画が製作された(どの作品も成功したとは言い難いが・・・)。そして、ベトナム戦争初のコメディ映画として、『グッドモーニング、ベトナム』が登場する。

“奇跡”と簡単に言ってしまったが、まあなにしろ、『グッドモーニング、ベトナム』の主人公クロンナウアは戦地にいながら銃を持って戦わないのだ。そんな主人公は見たことがない(いたかもしれないが・・・)。それでいて強さを持っていた。人間味があり、優しさにあふれていた。ただ、彼は味方であるアメリカ軍という巨大組織の大きな力には勝てなかった。もちろん、マイク一本で戦ってはみせたが。そこにペーソスがある。最後まで人に対しても自分に対しても明るく自由であろうとしたクロンナウアはある意味、奇跡の人だと思う。そして、『グッドモーニング、ベトナム』は、そんなクロンナウアの姿を描いた“奇跡”の戦争映画なのである。

なお、クロンナウアは実在の人物で除隊後、弁護士となったとか。やはり人道派なのだろうか・・・。

マイク一本で、硬化した大組織の体質や、欺瞞、矛盾と戦おうと奮闘する姿は感動でしかない!

<ストーリー>

1965年、ベトナム戦争が拡大する中、空軍兵DJエイドリアン・クロンナウアがサイゴンに赴任してくる。ラフな格好でなんとも気の抜けた様子のクロンナウアを出迎えたガーリック一等兵だったが、ラジオ放送でのその実力に度肝を抜かれる。クロンナウアは、「グゥゥモーニンベッナァァァム!」の叫び声で始まり、ニクソンまでジョークの種にするマシンガントークやいかしたロックンロールの選曲で、たちまち兵士たちの人気者になってしまったのだ。

しかし、従来の軍の検閲による気が抜けたニュースと無難なポップスを流すことに使命を感じている上官ホーク少尉や、規律だけを重んじる非情なディカーソン軍曹には睨まれることになる。

そんななか、街で見かけたベトナム人少女トリンやその兄ツアン、ベトナム人の英語学校の人々との交流を通して、ベトナム人とベトナムという国を少しづつ知っていくのだった。
 
ある日、G Iバーにいたクロンナウアは突然ツアンに誘い出される。その直後に店内で爆弾が爆発。辺りは大参事となる。ショックを受け、服に血がついたまま局に戻り、この事件のニュースを放送しようとするが、国防総省の検閲官とディッカーソンに制止される。いつもどおり放送を開始したクロンナウアだったが、しばらくの沈黙のあと、突然、爆弾テロのニュースを伝え始めるのだった・・・。

ヒロイン、ベトナム人女性トリンの存在はこの映画の清涼剤。白いアオザイ姿(民族衣装)は眩しすぎた。

ロビン・ウィリアムズとフォレスト・ウィテカーの名コンビぶりが好きだ。ウィテカーも若かった。

ベトナム人少年のツアンとのふれあいが、アメリカ人クロンナウアの心に変化をもたらす・・・。

上官ホークの滑稽さはある意味、この映画のお楽しみのひとつでもある。

次ページはロビン・ウィリアムズコーナーから!

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