NTT、KDDI、ソフトバンクの通信キャリア3社の歴史を知る。PHSやガラケーからスマホへ、その歩みがこれで分かります。

NTT、KDDI、ソフトバンクの通信キャリア3社の歴史を知る。PHSやガラケーからスマホへ、その歩みがこれで分かります。

1990年代以降、日常生活に大きく入り込んできた「ケータイ」。すでに20年以上も慣れ親しんでケータイには、通信キャリア大手3社をはじめとする大きな動きが常にありました。今やスマホが当たり前の世の中ですが、そこに至るまでのケータイやPHSの歴史をまとめてみました。


1994 DDIポケット

1994年7月に株式会社ディーディーアイポケット企画設立。
同年11月、株式会社ディーディーアイポケット企画がディーディーアイ東京ポケット電話株式会社に。
同時に北海道、東北、北陸、東海、関西、中国、四国、九州に地域会社が設立され、PHS事業が開始されました。

PHS他社のアステルやNTTパーソナルが20mWの基地局だったのに対して、DDIポケットは出力・感度が高い500mWの基地局を中心に整備。
実情は、他事業者が株主(NTTグループ、電力会社)の所有する電柱等の設備を利用してアンテナを設置できたのに対しより少ない設置場所でエリアを確保する必要があったため。
結果的に500mW高出力という特徴を生かし、他の同業各社に比べて利用可能エリアの拡大が早かったためPHSではトップグループに。

出力・感度の高さを武器にPHSでトップグループに成長

若き日の華原朋美を起用したDDIポケットのCM、懐かしいですね

DDIポケットのその後

2000年にはDDIポケット9社が統合。
その後、2004年10月にカーライルグループや京セラによって買収。
この時点で資本構成はカーライルが60%で筆頭株主、従来のDDIポケット第2位株主で13.25%出資していた京セラ株式会社が30%、旧DDIポケットの筆頭株主で80.93%出資していたKDDI株式会社が10%となり、KDDIグループから離れることに。2005年2月にはウィルコムに社名変更。
その後、経営危機を経て「イー・アクセス」→「ワイモバイル」→「ソフトバンクモバイル」→「ソフトバンク」へ。

現在はソフトバンクへ

振り返れば懐かしい、90年代中盤のPHSを取り巻く環境

1987.3 日本移動通信(IDO)

第二電電(DDIセルラーグループ)と営業エリアを分け合ったため、関東地方・山梨県・長野県・東海地方の1都12県を営業エリアとしてサービスを提供。

日本高速通信(TWJ)が筆頭株主、トヨタが第二位株主となって設立

2000.10 KDDとDDI、IDOが合併してKDDIが誕生

合併と前後してブランド名も統一の運びに

2000年7月、DDIセルラー8社とIDOで共通ブランド「au」が誕生。

統一ブランド「au」

2000年10月の合併では、第二電電株式会社を存続会社としてケイディディ株式会社及び日本移動通信株式会社と合併し、株式会社ディーディーアイに。
2001年4月、株式会社ディーディーアイからケイディーディーアイ株式会社に商号変更。

「DDI+KDD+IDO=KDDI」※存続会社は第二電電(DDI)

トヨエツの懐かしい「IDOはどこにあるの?」CM憶えていますか?

一方、DDIセルラー8社の動き

2000年11月、セルラーグループ各社は、関西セルラー電話株式会社を存続会社として九州セルラー電話株式会社、中国セルラー電話株式会社、東北セルラー電話株式会社、北陸セルラー電話株式会社、北海道セルラー電話株式会社及び四国セルラー電話株式会社と合併し、株式会社エーユーに。

2001年3月には株式会社ディーディーアイが株式会社エーユーを完全子会社に。順次全国のauショップのシステム統合を実施。
同年10月にはケイディーディーアイ株式会社が株式会社エーユーを合併。

こうしてセルラーグループもあらかたKDDIに合流しましたが、唯一沖縄セルラーのみは単独で残り、現在もKDDIに吸収されていません。

ツーカー3社(1991.7東京、1991.10関西、1992.2東海)

日産自動車を母体に、第二電電や京セラらの共同出資で「株式会社ツーカーセルラー東京」と「株式会社ツーカーセルラー東海」が設立。
DDIにはDDIセルラーグループがあったものの、関東・東海甲信越は当時別資本のIDOとのローミングによる協業体制でサービスが提供されており、同地域にDDI直轄の移動体通信事業者が存在しなかったこともあり経営参画。
東京・東海のシンボルマークはDDIセルラーと同じ六角形マークで「cellular」を「Tu-Ka」に差し替えたもの。
関西地区はDDIセルラーグループの中核会社となる関西セルラー電話が存在したことから、日産主体で「株式会社ツーカーホン関西」が設立。

ツーカーの由来は「気心の知れた人間関係」から

このツーカー3社は、1998年後半に設立母体で大株主だった日産自動車が経営危機状態となり、非中核事業のリストラを行ったことから、1999年9月にDDIによって買収されました。

後、2005年に完全統合されて「TU-KA」⇒「au」ブランドとなりました。

浜崎あゆみの印象も強かった「TU-KA」

浜崎あゆみが女子高生のファッションカリスマだったころ、TU-KAは彼女をCMに起用していました。 - Middle Edge(ミドルエッジ)

ブランド終盤には「通話とメールだけのシンプルなケータイ」を打ち出したことも

1986.3 東京通信ネットワーク(TTNet)

日産自動車が経営危機に陥ったため、1999年に住友商事が日産自動車の持株分を買い取り大株主に。
設立当初は企業向けの専用線サービスがメインだったが、「市内通話3分9円」が売り文句の中継電話『東京電話』を開始し、本格的に一般家庭向けのサービスに進出。

東京電力・三井物産・三菱商事・日産自動車の4社が大株主

1994~95 アステル

名前の由来には「明日の電話」の意も。
1995年10月、NTTパーソナルやDDIポケットに次いでサービス開始。
各地域の電力会社が実質的な母体で、事業地域は電力事業者の管轄区域と同じ。
サービスの企画・統括を担っていた中核会社のアステル東京には、三井物産・三菱商事・住友商事、デジタルホンを展開していたJRグループの日本テレコム・KDD・TWJ・IDCといった非NTT・非DDI系の通信会社に加えて、新規事業を模索していたダイエー・リクルートが出資に名を連ねる。

各地域の電力会社が母体となったPHS事業「アステル」

地域色が強かったことも手伝い、非常に多くのタレントが起用されていたアステルのCM

着メロの生みの親はアステル東京だった

ちなみに当時、リクルートからアステル東京へ出向していた柳田要一氏の発案で着信メロディの配信サービスが先駆けて行われ、1998年にアステル東京が着メロの商標登録を行いました。

アステル各社のその後

1999年、主要株主が共通で当時経営不振に陥っていたアステル東京を、同社の大株主であった日本テレコム(当時JR系)が出資より撤退した事によってTTNetが持株分を譲受、4月1日付で吸収合併(事実上の救済合併)。

これを皮切りに順次、母体の電力系通信事業者に吸収合併もしくは事業譲渡ののち法人清算となりました。

2002年8月には、日本テレコムから東京テレメッセージを2001年に買収したITベンチャーの鷹山が、TTNetからアステル東京を買収。

しかし同年11月には九州通信ネットワークがアステル九州の新規受付を停止。2003年11月にアステル九州のサービスが終了し、PHS事業者としては日本国内初のサービス廃止へ。
他のアステルグループも事業終了への流れが加速することになりました。

唯一異なる動きとなったのはアステル沖縄。
2005年1月にウィルコム沖縄に事業譲渡となり、以降はウィルコムと同じ流れとなりました。

1999.11 PNJコミュニケーションズ

アステルの流れとは一転、東京電力系のTTNetをはじめ全国の電力系通信事業者が、競争力を高めるための取り組みに動きました。

2001.10 PNJコミュニケーションズ⇒パワードコムへ

統合への第一段階として、同社がTTNet・中部テレコミュニケーション (CTC)・大阪メディアポート (OMP) の3社から法人向けデータ通信部門の営業譲渡を受け、同時に社名を株式会社パワードコムに変更しました。

2003.4 TTNetとパワードコムが合併し、新生パワードコムへ

新生パワードコムは「法人データ通信サービス」「電話サービス」「インターネット接続サービス」を柱に、2004年7月から「法人向けサービス」はパワードコム本体、「電話サービス」は買収したフュージョン・コミュニケーションズ、「インターネット接続サービス」は同じく買収したドリーム・トレイン・インターネットが行うことに。
また財務改革として、東京電力を中心とする電力10社による増資を2004年9月に実施。
2004年度下期単体決算で経常利益55億円(売上高利益率10%)と劇的なV字回復。

経営再建後、KDDIによる吸収へ

ただ、皮肉にも経営再建がきっかけで、東京電力が通信事業からの撤退を視野にKDDIと協議を開始し、2006年1月1日、KDDIに吸収合併され、KDDI法人向けサービスに統合されました。

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