バブル期におしゃれ街道をひた走った「ザ・スタイル・カウンシル」

バブル期におしゃれ街道をひた走った「ザ・スタイル・カウンシル」

イギリスのパンクバンド、ザ・ジャムのリーダーだったポール・ウェラーがジャム解散後に結成したスタイル・カウンシル。本国よりもバブル期に日本のおしゃれ好きに支持されました。


麗しのポール・ウェラー(左)とミック・タルボット

The Style Council

ザ・スタイル・カウンシルは、基本的にはポール・ウェラー(Paul Weller/メインボーカル、ギター)とミック・タルボット(Mick Talbot/オルガン、シンセサイザー)は固定されていましたが、メンバーはを固定しないという理念をかかえて結成されました。
ですからロック・バンドではなくユニットといった感じ、それが当時は新鮮に感じました。

但し、徐々にメンバーが固定されていき、D.C.リー(D.C.Lee/コーラス、サイドボーカル)、スティーヴ・ホワイト(Steve White、ドラム)の4人で構成されることが多くなりました。

1983年結成し1990年に解散しました。

足跡

イギリスのパンクバンド、ザ・ジャムのリーダーだったポール・ウェラーが人気絶頂のジャムを解散し、新たに結成したのがスタイル・カウンシルです。
1983年3月10日にデビュー・シングル「スピーク・ライク・ア・チャイルド(Speak Like A Child)」を発表。
1983年9月には「ロング・ホット・サマー」を含むミニ・アルバム「Introducing」を発表。

この後にファーストアルバムを発表するわけですが、ザ・スタイル・カウンシルは、解散までに4枚のオリジナルアルバムを発表しています。

歌詞の内容は政治的だったり、かなり辛辣なものが多いのですが、日本では英語が分からないといったこともあったのでしょうが、何よりもポール・ウェラーのモッズライクでスタイリッシュなファッションが大人気となりパンクなどには興味のなかった人々にまでおしゃれな音楽として浸透しました。

カフェ・ブリュ

Café Bleu

『カフェ・ブリュ』(Café Bleu)は、1984年5月に発売されました。
先行シングルは、「マイ・エヴァ・チェンジング・ムーズ」で、ジャケットも含めカッコよしです。

My Ever Changing Moods

【収録曲】
1.ミックス・ブレッシング - Mick's Blessings
2.ザ・ホール・ポイント・オブ・ノー・リターン - The Whole Point of No Return
3.ミー・シップ・ケイム・イン - Me Ship Came In!
4.ブルー・カフェ - Blue Café
5.ザ・パリス・マッチ-The Paris Match
6.マイ・エヴァ・チェンジング・ムーズ-My Ever Changing Moods
7.ホワイトハウスへ爆撃 - Dropping Bombs on the Whitehouse
8.ゴスペル - A Gospel
9.ストレングス・オブ・ユア・ネイチャー - Strength of Your Nature
10.ユーアー・ザ・ベスト - You're the Best Thing
11.ヒアズ・ワン・ザット・ガット・アウェイ - Here's One That Got Away
12.ヘッドスタート・フォー・ハッピネス - Headstart for Happiness
13.カウンシル・ミーティン - Council Meetin

アワ・フェイバリット・ショップ

Our Favourite Shop

1985年1月1日発売。ザ・スタイル・カウンシルの最高傑作といってよいかと思います。シングルもアルバムも大ヒットしました。

【収録曲】
1.Homebreakers
2.All Gone Away
3.Come to Milton Keynes
4.Internationalists
5.Stones Throw Away
6.Stand Up Comics Instructions
7.Boy Who Cried Wolf
8.A Man of Great Promise
9.Down in the Seine
10.The Lodgers
11.Luck
12.With Everything to Lose
13.Our Favourite Shop (instrumental)
14.Walls Come Tumbling Down!
15.Shout to the Top

コスト・オブ・ラヴィング

The Cost of Loving

1986年ライブツアーの模様を収録した「Home & Abroad」を経て1987年2月サードアルバム「Home & Abroad」を発表。
「Home & Abroad」あたりから評価が下がり始め、この「Home & Abroad」の評価も芳しいものではありませんでした。

収録曲の「It Didn't Matter」はCMで使われました。

スタイルカウンシルのアルバムの中では評価が低いようだけど、それはリリース当時の評価であって、いま聴いてみればこの「コスト・オブ・ラヴィング」はとてもいいアルバムで、ぼくはこのアルバムを他のよりもよく聴く。たしかに前作の「アウァ〜」は傑作だし、ファーストのヨーロピアンテイスト、「コンフェッション〜」のクラシカルな味もみんな悪くない。だったらこの「コスト〜」の70年代の黒人ソウルにあふれた作品も、もっと評価されていいのでは?  たしかにソウルに傾倒しすぎているかもしれないし、d.c,リーに恋しちゃったウェラーがラヴソングにのめりこんだ姿は、ウェラーのイメージとは違うかもしれない。モッズっぽさはかけらもない。けれど、ポール・ウェラーはチェンジング・マンと自分で歌っているとおり、音楽のスタイルはいつも変えてきた。それにウェラーはいつも黒人ミュージックには敬愛を抱いていて、作り出す音もソロになってもブラックへのあこがれはいつも根底にあった。 1はファンキーなリズムがいい。3・4・5などは黒人音楽を下敷きにした良質な白人音楽だ。同時代の同傾向で活躍したシンプリーレッドなど、80年代後半はソウルをもとにしたイギリスのバンドたちがシーンに登場していたけど、それらと比べても何ら遜色はない出来だと思う。8はこれこそスタイルカウンシルのなかでも傑作のソウルナンバー。70年代のマーヴィン・ゲイやアル・グリーンっぽい。7はとてもせつないラブソングでしめつけられるようなウェラーの声がいい。ラブソングだけれど甘すぎることがないのはさすがウェラー。d・c・リーの声もアルバム全体で聴かれてとてもいい。 いくらこのアルバムでリーとラブラブな仲になったのだとしても、ジョンレノンがヨーコに傾き、音楽性までヨーコに傾いてしまったのとは違う。やはりウェラーはウェラー。当時の不評なんかいままで引きずってもしかたない。とにかくいいものは、いいのだから。 

http://www.amazon.co.jp/dp/B001B56IMW?tag=cafebleu0b-22

Amazon.co.jp: ザ・スタイル・カウンシル : ザ・コスト・オブ・ラヴィング(紙ジャケット仕様) - ミュージック

【収録曲】
1.It Didn't Matter
2.Right to Go
3.Heavens Above
4.Fairy Tales
5.Angel
6.Walking the Night
7.Waiting
8.The Cost of Loving
9.A Woman's Song

コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ

Confesstions of A Pop Group 

1988年6月発表の4thアルバム(邦題はポップ・グループの告白)ですが、残念ながら評論家に酷評されてしまい、1989年7月のアルバートホールでのコンサートを最後に、翌月活動停止を発表します。

【収録曲】
1.It's a Very Deep Sea
2.The Story of Someones Shoe
3.Changing of the Guard
4. 1.The Little Boy in a Castle
  2.A Dove Flew Down The Elephant
5.The Gardener of Eden (A Three Piece Suite)
  1.In The Beginning
  2.The Gardener of Eden
  3.Mourning The Passing Time
6.Life at a Top Peoples Health Farm
7.Why I Went Missing
8.How She Threw It All Away
9.I was a Doledads Toyboy
10.Confessions 1, 2 & 3
11.Confessions of a Pop-Group

今やUKロック界の至宝と言われるポール・ウェラーが音楽を始めた動機をインタビューで答えています。

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