新しいモッズ像を創造し定着させた、ポール・ウェラー率いるスタイル・カウンシルのイキなセンス。

新しいモッズ像を創造し定着させた、ポール・ウェラー率いるスタイル・カウンシルのイキなセンス。

キング・オブ・モッズとして今なおイギリス国民から尊敬されているポール・ウェラー。その彼が80年代に率いたスタイル・カウンシルは、本国以上に日本でバカ受けしました。その理由はオシャレなサウンドとファッションセンス。今でも魅力的です。


スタイル・カウンシル

先ずはこの映像をご覧ください。

カ、カ、カッコいい!というか、惚れ惚れするような美形。歌っているのはスタイル・カウンシルで、ボーカルのポール・ウェラーです。

スタイル・カウンシル在籍時

ポール・ウェラー

泣く子も黙るというか、バブル時代のオシャレアイコンとして80年代には知らない人は居ないというほどの人気ぶりでした。

デビューしたのはパンク・バンド「ザ・ジャム」で、本国イギリスでは国民的な人気を誇っていたのですが、日本ではパンク・バンド自体が一般には受け入れられずポール・ウェラーも無名に近い存在でした。

ザ・ジャム在籍時

ポール・ウェラー

イギリスと日本では受け入れられ方が随分と違うスタイル・カウンシルでありポール・ウェラーなのですが、しかしまぁ、まだ幼さが残っているとはいえ ザ・ジャム 時代のポール・ウェラーもカッコいいわけです。
そしてそのファッションセンス!当時はまだ日本では知られていなかった上の写真でも着ているファッションブランド「FRED PERRY(フレッドペリー)」や「ロンズデール」を流行らせました。

そう、音楽性と共にそのファッションセンスも磨きに磨かれたのがスタイル・カウンシルです。

ポール・ウェラー(右)&ミック・タルボット

スタイル・カウンシル

イントロデューシング

スタイル・カウンシルはザ・ジャムの成功のあとなだけに期待が大きかったわけですが、期待を裏切ることなくデビュー曲「Speak Like A Child」、その後、「Money-Go-Round」、「Long Hot Summer」と立て続けにシングルを発表しました。そして、そのらを含むミニアルバム「イントロデューシング」が1983年9月に発売されました。

  1. Long Hot Summer
  2. Headstart For Happiness
  3. Speak Like A Child
  4. Long Hot Summer (Club Mix)
  5. The Paris Match
  6. Mick's Up
  7. Money-Go-Round

イントロデューシング

フレンチ・アイビーといった出で立ちのアルバム・ジャケットですね。
デビュー曲の「Speak Like A Child」は、ザ・ジャム後期の流れを引きずった感じのサウンドですが、驚くのはPVで見られるポール・ウェラーの髪型です。

短いっ!髪の毛が短すぎると当時は誰もが思いました。あ、それと、パンツの丈も短いです。髪の毛とパンツの丈が当時の感覚からすると短すぎました。
しかし、いま改めて見るとバッチリなのは流石としか言いようがありません。

カフェ・ブリュ

満を持して待望の1枚目のアルバム「カフェ・ブリュ」が1984年3月16日に発売されました。

 1. ミックス・プレッシング
 2. ザ・ホール・ポイント・オブ・ノー・リターン
 3. ミー・シップ・ケイム・イン
 4. ブルー・カフェ
 5. ザ・パリス・マッチ
 6. マイ・エヴァ・チェンジング・ムーズ
 7. ホワイトハウスへ爆撃
 8. ゴスペル
 9. ストレングス・オブ・ユア・ネイチャー
 10. ユー・アー・ザ・ベスト
 11. ヒアズ・ワン・ザット・ガット・アウェイ
 12. ヘッドスタート・フォー・ハッピネス
 13. カウンシル・ミーティン

カフェ・ブリュ

歌詞を読めばファッションなどとは程遠く、過激で政治的なものが多いにも関わらず、日本ではオシャレ・バントの代名詞としてスタイル・カウンシルの人気はこのアルバムで火が付きます。

モッズと言えばアーミーコートですが、アルバムジャケットでポール・ウェラーが着ている白いステンカラーコートがネオ・モッズの定番となり、先行発売された「マイ・エヴァ・チェンジング・ムーズ」がオシャレ・ムードを高めましたねぇ。

「マイ・エヴァ・チェンジング・ムーズ」はアルバムにも収録されていますが、まったくアレジが異なります。そもそもアルバム・バージョンではポール・ウェラーは歌っていません。

アワ・フェイバリット・ショップ

1985年6月に発売された2枚目のアルバム「アワ・フェイバリット・ショップ 」をスタイル・カウンシルの最高傑作とする向きはおおいようですね。

  1. Homebreakers
  2. All Gone Away
  3. Come To Milton Keynes
  4. Internationalists
  5. A Stones Throw Away
  6. The Stand Up Comics Instructions
  7. Boy Who Cried Wolf
  8. A Man Of Great Promise
  9. Down In The Seine
  10. The Lodgers (Or She Was Only A Shopkeeper's Daughter)
  11. Luck
  12. With Everything To Lose
  13. Our Favourite Shop
  14. Walls Come Tumbling Down
  15. Shout To The Top (USA Remix)

アワ・フェイバリット・ショップ

評価が高いのはアルバム全体の統一感もさることながら「Walls Come Tumbling Down」と「Shout To The Top」という2大ヒット曲が収録されているというのは大きな要因でしょう。

「Walls Come Tumbling Down」のプロモーションビデオでは、アルバムジャケット同様に前髪の異常に長いポール・ウェラーを観ることが出来ます。

このヘアスタイル、今となっては貴重と言えますが、これはイカンと思ったのか、「Shout To The Top」ではオールバックにしています。
オールバックにサングラス、カッコよすぎですね。アクセントに市松模様がついたパーカーが最高にクール!

コスト・オブ・ラヴィング

全英アルバムチャートで2位となった1987年発売の3枚目のアルバム「コスト・オブ・ラヴィング」。日本でもバカ売れしましたが、ここから人気も評価も落ちていきます。

 1. イット・ディドゥント・マター
 2. ライト・トゥ・ゴー
 3. ヘヴンズ・アバヴ
 4. フェーリィ・テイル
 5. エンジェル
 6. ウォーキング・ザ・ナイト
 7. ウェイティング
 8. ザ・コスト・オブ・ラヴィング
 9. ア・ウーマンズ・ソング

コスト・オブ・ラヴィング

シングルとなった「ヘヴンズ・アバヴ」のプロモーションビデオはアルバムジャケットと同じく白いGジャンにホワイトジーンズ姿を披露しているポール・ウェラーですが、ここはひとつアルバムには収録されていませんが「Solid Bond In Your Heart」を観て頂きたい!
完璧にモッズ・スーツを着こなしたポール・ウェラーとミック・タルボットが凛々しいです。

しかし、本国イギリスでのこの曲の評価は散々なもので、曰く「ザ・ジャムの時代からは考えられない駄作」とこき下ろされる始末でした。
後年、ザ・ジャムの未発表曲集が発売された際に、この曲のデモが収録されていて驚かされるのですが。。。

コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ

「コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ」。1988年に発売されたスタイル・カウンシルの事実上のラストアルバムです。

 1. イッツ・ア・ヴェリー・ディープ・シー
 2. ストーリー・オブ・サムワンズ・シュー
 3. チェンジング・オブ・ザ・ガード
 4. 城の少年|象から落ちた鳩
 5. エデンの庭師(3つの組曲);初めに|エデンの庭師|過ぎ去りし日々への哀悼
 6. トップ・ピープルズ・ヘルス・ファーム
 7. ホワイ・アイ・ウェント・ミッシング
 8. シー・スルー・イット・オール・アウェイ
 9. ドールダッズ・トイボーイ
 10. 告白1,2,3
 11. ポップ・グループの告白

コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ

日本ではまだ人気がありましたが、イギリスではケチョンケチョンに貶され、バンドは解散に追い込まれてしまったという曰くつきのアルバムです。

このアルバムは現在聴きなおすと悪くないです。しかし当時は失敗作とされ、次回作となる5枚目のアルバム「モダニズム : ア・ニュー・ディケイド 」が完成していたにも拘らず発売を見送られるという厳しい処置がとられ、バンドは解散してしまいました。

5枚目のアルバム「モダニズム : ア・ニュー・ディケイド 」は、2001年にナント日本のみで発売されています。

1. ア・ニュー・ディケイド
2. キャン・ユー・スティル・ラヴ・ミー?
3. ザ・ワールド・マスト・カム・トゥゲザー
4. ホープ (フィーリングス・ゴナ・ゲッチャ)
5. ザット・スピリチュアル・フィーリング
6. エヴリバディズ・オン・ザ・ラン
7. ラヴ・オブ・ザ・ワールド
 8. シュア・イズ・シュア

モダニズム:ア・ニュー・ディケイド

このアルバムジャケット、ハウス的というか、サイケ的というのか、最後の最後までスタイル・カウンシルのイキなセンスが貫かれていますね!

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