ジュディ・オング『魅せられて』翼のような優雅な衣装と歌詞の謎について

ジュディ・オング『魅せられて』翼のような優雅な衣装と歌詞の謎について

1979年のレコード大賞を受賞したジュディ・オングの代表曲『魅せられて』。翼みたいな衣装を選んだ理由や、多く人が勘違いしたサビの歌詞、この曲がヒットした背景について、動画や画像を交えて紹介する。


ジュディ・オングにとっての『魅せられて』

当初、歌手がジュディ・オングであることは明かされていなかった。

『魅せられて』は詞がまず上り、それに合わせて曲が作られた。
ジュディ・オングに歌わせることは、「彼女の暖色とでもいうのだろうか、どこか南の国を連想させるような声が好きだった」 という理由プロデューサーの酒井が決めた。

スポンサーであるワコールは曲を気に入ったものの、ジュディ・オングの起用には難色を示した。
当時、時代劇に多数出演していたのと、身長が153cmと小柄だった為、商品のイメージに合わないというのが原因だったという。
ワコールは、歌を入れないインストゥルメンタルの楽曲で行きたいと主張。
協議の結果、CMには英語のサビの部分だけ流し、歌手名のクレジットを入れないことで決着した。

だが、CM放映が始まると、問い合わせが殺到。
リリースされた『魅せられて』は、3日間で15万枚を売り上げ、あっという間にヒットチャートを駆け上った。

ジュディ・オングは、「この歌を出した時期、曲、詞との出会い、すべてタイミングがピタリと一致した。スタッフにも恵まれ、CMの話があり、映画(エーゲ海に捧ぐ)の宣伝イメージソングにもなった。人生と同じ、タイミングが大事」と当時のインタビューで答えている。

想定をはるかに超える大ヒットで生活は激変。

『魅せられて』のヒットにより、ジュディ・オングはベストテンなど歌番組の出演が相次ぎ、雑誌の取材にCM、グラビア、主演テレビドラマ、果ては全国交通安全運動の1日警察署長まで務めることにもなった。

体調管理のため1日8時間睡眠を徹底していたが、忙しさのあまり半分の時間に。
体調を崩して病院に担ぎ込まれることもあったという。

そして、ヒロインとしての出演がほぼ決まっていた映画「将軍」の出演を製作発表当日に辞退することに。
この曲で悲願の日本コード大賞受賞を狙っていた所属のCBSソニーは、かなりの日数を拘束される映画撮影を避け、歌手活動を続ける戦略に出たのだった。

三船敏郎も出演したハリウッド大作映画の出演を見送ってまでの選択はレコード大賞受賞という形で報われ、ジュディ・オングは「いつもはみかんを食べながら家で見ていた」紅白歌合戦にも初出場した。

『魅せられて』がヒットした翌年の1980年には台湾の国民栄誉賞・海光奬彰を受賞。(王貞治に続き2人目)

ジュディ・オングにとって、『魅せられて』はその後の芸能活動のみならず人生を大きく左右する一曲になった。

戦乱の世が終わった1600年ごろの日本を舞台に、大閣秀吉亡き後の諸大名の動行と、漂着した1人のイギリス航海士が旗本になってゆく過程を描く。製作総指揮・原作は「大脱走」の脚本で知られるジェームズ・クラベル、製作・脚本はエリック・バーコビッチ、監督はTV『自動車』のジェリー・ロンドン。

ジュディ・オングが演じる予定であったヒロインは島田陽子が演じることになった。

将軍 SHOGUN

意外な人もカバーしている『魅せられて』

昭和歌謡史に燦然と輝く名曲『魅せられて』

200万枚以上を売り上げ、昭和歌謡史に燦然と輝く『魅せられて』。

当時は知らなかったこの曲の誕生ストーリーや、意識することなかった歌詞の意味などを理解しながら聴くと、また違った味わいが感じられる。

ジュディ・オングの人生を変え、その後の日本歌謡界における衣装にまで影響を与えた名曲は、きっと次の世代以降も魅了し続けるに違いない。

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