その末脚を信じて
乗り替わりの噂もあったが、1997年12月21日有馬記念。
シルクジャスティスの背中にいたのは藤田伸二騎手だった。
大久保調教師が藤田を信頼していたように、藤田もジャスティスの末脚を信頼していた。
ジャスティスのペースを守り、道中は後方待機。
直線に入ると他馬の間をすり抜け、前を行くマーベラスサンデーとエアグルーヴを捉えに
かかる。
激しい叩き合いの末、ジャスティスの頭ひとつ抜け出したところがゴールだった。
盟友・エリモダンディー
シルクジャスティスを語るときに、欠かせない1頭の馬がいる。
同じ厩舎に所属していたエリモダンディーだ。
いじめられやすく、怖がりだったダンディーをいつも守っていたのがジャスティスだった。
ダンディーが他馬に威嚇され脅されると、怒っていじめっ子を退治していたという。
そんなジャスティスを慕い、後ろをついて回るようになったダンディーは、気こそ
弱かったが能力は確かで真面目に走る馬だった。
調教で2頭を併せると、あのジャスティスが悪癖を見せずに本気で走った。
有馬記念優勝の陰の立役者は、ダンディーだったのではないだろうか。
エリモダンディー
友の死をきっかけに
1998年2月8日。
シルクジャスティスのかけがえのないパートナーとなっていたエリモダンディーが、
腸捻転でこの世を去ってしまった。
ジャスティスを本気で走らせることができるのは、ダンディーだけだった。
ジャスティスは以前のように真面目に走らなくなり、成績も低迷。
2000年5月27日の金鯱賞が現役最後のレースとなった。
現在は北海道日高郡の畠山牧場で穏やかに余生を過ごしている。
息子は障害G1馬!
主な産駒に、中山大障害を勝ったバシケーンがいる。
種牡馬引退後の産駒中央重賞初勝利だった。