『タクティクスオウガ』(1995年・スーパーファミコン用シミュレーションRPG)「本格ウォーシミュレーション」の金字塔としてゲーム史上に残る名作!

『タクティクスオウガ』(1995年・スーパーファミコン用シミュレーションRPG)「本格ウォーシミュレーション」の金字塔としてゲーム史上に残る名作!

ゲーム史上に残る名作『タクティクスオウガ』は開発スタッフ全員がこだわりと愛を持って何から何まで徹底的に作りこんだ傑作です。緻密に作り込まれたタクティクスオウガの世界は永久にファンの心に刻まれ続けるでしょう。当時としては尋常でない完成度だった『タクティクスオウガ』のここが凄すぎるという点をおさらいしてみます。


ハボリム・ヴァン・ラームズ(剣聖ハボリム)
暗黒騎士バールゼフォンの弟で、「剣聖」と呼ばれる盲目の剣士。兄と同じく神都ガリウス出身のローディス人。暗黒騎士団を弱体化させるために、父ヴォグラスにより兄と共に暗黒騎士団にスパイとして潜り込んだが、バールゼフォンは暗黒騎士団に寝返ってヴォグラスを殺害し、その後教皇派に協力的ではなかった母親も毒殺した。

その罪を着せられたハボリムは両目を潰された挙句、ローディス国外へ追放された。仇である兄を討つためにヴァレリア島を訪れている。回想シーンでは失明する前のハボリムを見ることができる。

デニム達と初めて対面した時は、ハボリム・ヴァンダムという偽名で素性を隠しており、過去の話は特殊なイベントを発生させた際にのみ判明する。

出典 タクティクスオウガの登場人物 - Wikipedia

剣聖ハボリム「いつからだろう・・・復讐のためだけに生きるようになってしまったのは・・・」

バールゼフォン・ヴァン・ラームズ(暗黒騎士バールゼフォン)
声 - 立木文彦
ロスローリアンのテンプルコマンドにしてナンバー2。ローディスの神都ガリウス出身。ローディスの武門の名家ラームズ家の現当主。タルタロスが最も信頼を置く人物で、騎士団を土台から支える。また、ローディス本国の元老院とのパイプ役も担っている。ハボリムの実兄で、ハボリムが死亡(消息不明)した後に、オズマの婚約者となる。元々は父・ヴォグラス准将の命でスパイとしてロスローリアンに潜り込んだが、その過程でタルタロスに心酔し、暗黒騎士団側に寝返った過去を持つ。SFC版では戦うことはないが、『運命の輪』では戦う機会がある。

オズマ・モー・グラシャス(暗黒騎士オズマ)
ロスローリアン所属のテンプルコマンド。神都ガリウス出身。ロスローリアンのテンプルコマンドの紅一点。オズとは二卵性双生児の姉弟という間柄。武術だけでなく魔導にも精通している魔法戦士である。また、暗黒騎士の中で唯一水地形に入ることができるキャラでもある。ブラザーコンプレックスの傾向が強い。

出典 タクティクスオウガの登場人物 - Wikipedia

暗黒騎士バールゼフォンと暗黒騎士オズマ

緻密なゲームシステム:「秩序のロウ」「中道のニュートラル」「自由のカオス」の3ルートに物語は分岐して、重厚なシナリオを重層的に描き切る

「C」(Chaos)寄りの自由と理想を求めるシスティーナはゲリラ活動に従事しており、物語がL(Law)ルートに進むと彼女の運命は良い運命にはならない。偽善者っぽい道。

「L」(Law)寄りの秩序を重んじるのがレオナールですね。目的のためなら自分の手を汚すのも仕方ないと考える男。自己犠牲も厭わない男であり、民族のために自己犠牲となる運命。現実主義者とも言える。

重層的なシナリオ・設定。この二人はアライメントが両極の二人です。

アラインメントは、そのユニットの本質や思想を表す物で、秩序と規律を尊ぶロウ(Law)、自由と理想を求めるカオス(Chaos)、柔軟性と客観性を併せ持つニュートラル(Neutral)の3つに分類されている。

全4章がL(Law)、N(Newtral)、C(Chaos)の3つのルートで構成。ルートによってキャラクターの未来が異なるので、色々なルートをやりこみたい。

あなたは何のために戦っているのですか?

1.ウォルスタの未来のため
2.真の平和のため

1を選ぶと、自国の国益重視で他民族への歩み寄りに欠けた国粋主義的な話になっていきます。

この方向のエンディングでは、最後にデニムがヴァレリアの後継者となった後に暗殺される「バッドエンド」の方向に進むでしょう。

逆に2を選ぶと、人種や思想の違いなど問わない平等主義的(博愛・偽善者っぽい)な話になっていくでしょう。

この方向の場合、覇王ドルガルアの血を受け継ぐヴァレリアの正統後継者であるカチュア(デニムの姉)が王女に即位しヴァレリアを治める「グッドエンド」の方向に進むでしょう。

ひとつの選択肢で主人公の立場が大きく変化し、ルートごとに角度を変えてひとつの事件・人物それぞれを重層的に描写されます。

主人公デニムと、彼を取り巻く登場人物は様々な事情・異なる利害を抱えており、シナリオが進行するにつれてそれぞれの苦悩に見舞われていきます。

僕にその手を汚せというのか!

究極ともいえる選択において、デニム(プレイヤー)がどういう決断を下すかによって、『タクティクスオウガ』の舞台であるヴァレリア島の運命は大きく変わっていく。

第一章の最後で問われる選択:レオナール「これから・・・町の住人を一人残らず殺すんだ。」

同胞殺しに賛同するかしないかの選択です。

信念・理想・ポジション次第で、「正義」や「大義」という言葉の意味は違ってくるでしょう。
誰のための正義・平和なのか。

賛同すれば、倫理的には完璧にワルモノです。レオナール自体はウォルスタのため(彼にとっては大義)に自己を犠牲にした悲しい騎士。どの分岐でも、最後には死んでしまいそうな、悲しい運命の男です。

彼に対する忠誠心と倫理観やどういう正義観を持つべきかの間で・・・悩みますね・・・

正義の次元をどこにおくか?
大義の前の小事と考えるべきなのか。
そもそも敵だとは言っても戦争・虐殺やってて、いまさら正義も大義もあるのか(戦争をやること自体がおかしい)・・・

賛同しない場合(2.馬鹿なことはやめるんだ!)、レオナールとしては作戦を知られた以上、口封じしなければいけない。従わないデニムを生かしておけない。当然レオナールに命を狙われます。殺されてしまうかもしれない。

生き残れても、もうレオナールとは決別することになります。彼と戦う運命になるかもしれない。

このような悩ましい運命の選択があり、物語が分岐していき、プレイヤーの決断次第で未来が変わっていきます。

忠誠心と倫理観の間で葛藤する悩ましい運命の選択です。この選択でストーリーが大きく変わります。

カチュアは弟のデニム(実際には血はつながっていないが)命であり、ほかのことに関心がない人なので、彼女らしい意見。

プレイヤーとして、デニムにどう決断させますか?

デニム「・・・助けないと!」とカチュア「ほっときなさいよ、あんな女。どうして助ける必要が!」の意見が食い違う。さあ、どうする?

ひとつの選択肢で主人公の立場が大きく変化し、ルートごとに角度を変えてひとつの事件・人物それぞれを重層的に描写する『タクティクスオウガ』の手法は画期的であった。

全4章が「L」(Law)、「N」(Newtral)、「C」(Chaos)と呼ばれる3つのルートで構成される。

秩序を重んじる「ロウ(Law)」のアライメント
中道を目指す「ニュートラル(Newtral)」のアライメント
自由を志す「カオス(Chaos)」のアライメント

の3ルートに物語は分岐し、また全てのユニットにもそれぞれの志向するアライメントが設定される。

「秩序のロウ」「中道のニュートラル」「自由のカオス」、それぞれのルートを遊ばなければこのゲームを真に堪能したとはいえない…と言い切れるほど、全てのルートの物語は練り込まれている。

凄くやりこんで楽しめる、サウンドノベルのような面白さとも言えましょうか。

デニム「・・・それだけはできません。」

デニム「それも仕方ありません。」

どっちのデニムで行きますか?

カチュアと戦うのはやめたほうがいい・・・

大神官モルーバ「カチュアと戦うことができるのか、おまえに?」

『タクティクスオウガ』のグッドエンディング(クリア時にカチュアが生存している場合)

エンディングは「クリア時にカチュアが生存しているか」を分岐の条件として基本的に、カチュアがベルサリア・オヴェリス王女に即位しヴァレリアを治める、俗にいう「グッドエンド」で終わる。

カチュアは傲慢でわがままな女性ですが・・・もともと前線で戦うことは少なく、特に素性を明かされてからは自分の手を汚さずにいたことがかえって覚悟や器量を備えないまま、君主としての正当性、神聖性を意図せずに補強することになった。

王や王女が聖人君子でなければいけないということはなく、しっかり王女の役割を果たせればよいでしょう。

クリア時に「カチュア」が生存していれば、カチュアがベルサリア・オヴェリス王女に即位しヴァレリアを治めるというエンディングになる。

『タクティクスオウガ』のトラウマなバッドエンディング

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