暴走戦士アニマル・ウォリアーの必殺技6選!強さの秘密は研究熱心さ!?

暴走戦士アニマル・ウォリアーの必殺技6選!強さの秘密は研究熱心さ!?

見事にビルドアップされた肉体。獰猛な風貌。自信に満ち溢れた堂々たる振る舞い。プロレス界の流れをガラリと変えた暴走戦士アニマル・ウォリアーについて今さら詳細なプロフィールを語っても昭和プロレスファンにとっては釈迦に説法、カール・ゴッチに関節技指導だと思うので、アニマルの必殺技を紹介しながら、懐かしの試合を振り返り、アニマルの強さの秘密に迫りたい。それでは80年代にタイムスリップ!


ロード・ウォリアーズ

アニマル・ウォリアーのことを語るには、当然のごとくロード・ウォリアーズに触れる必要がある。
アニマル(本名はジョセフ・マイケル・ロウリネイティス)は1960年にペンシルバニア州フィラデルフィアで生まれた。
アニマルはジムで毎日のように猛トレーニングを積み、仕事は酒場で用心棒。ホークとはジムで知り合ったが、ホークは地元では有名な暴れん坊で、アニマルはホークのことは前から知っていた。
アニマルとホークは一時期、同じ酒場で用心棒をやり、何とあのスコット・ノートンも同じ店で用心棒をやっていたのだから、どんな暴漢も店の外に叩き出せる最強チームだった。
その店のバーテンのエディ・シャーキーは元プロレスラーで、アニマルたちをプロレスに誘う。
自信家のアニマルは、テレビでクラッシャー・ブラックエルの試合を観て、オレなら勝てると思ったと言うのだから相当な腕自慢だったのだろう。
アニマルたちはエディに受け身や投げ技などプロレスの基本を教わり、プロレス流のパンチの打ち方も覚えた。
最初にアニマルに目をつけたのがプロレスラーのオレイ・アンダーソン。オレイがロード・ウォリアーズの生みの親と言ってもいい。
プロレスラーは、リングに上がる前にキャラ設定をする。アメリカマット界は試合の勝ち負けよりも、いかに観客をオーバーヒートさせるかが重要なのだ。
たとえデビュー戦の新人でも観客をヒートさせられないレスラーは、「明日から来なくていい」と仕事がなくなる厳しい世界だ。
アニマルとホークも、オレイと一緒に熟慮に熟慮を重ねた。
当時世界で大ヒットしたメル・ギブソン主演の映画『マッドマックス』(アメリカ題は『ロード・ウォリアー』)に出て来る凶悪な暴走族軍団をヒントに、あの怖さ、あのド迫力をリングで再現しようと、ロード・ウォリアーズが結成された。
アニマルとホークの二人は粗暴に振る舞い、リング上はもちろんのこと、リングを下りても一度決めたキャラに成り切る。この自己プロデュースこそ、他の格闘技にはないプロレスならではの特徴である。
モヒカン刈りはホークのアイデアで、コスチュームは皆で決め、入場テーマソングであるブラックサバスの『アイアンマン』のセンスある選曲は、アニマルとホークの二人だ。
これほどロード・ウォリアーズに合っているテーマソングはない。
何といってもロード・ウォリアーズが成功した一つの要因は、マネージャーのポール・エラリングだ。
ポールは元プロレスラーで国際プロレスのリングに上がり、ラッシャー木村やマイティ井上と試合したこともある。
アニマルとホークの肉体は申し分ないが、何しろグリーンボーイ。プロレスは怪力だけでは通用しない奥の深い世界だけに、ポールのアドバイスは、ロード・ウォリアーズの快進撃を後押しした。
1985年に全日本プロレスに登場する前、『世界のプロレス』という番組で紹介されていたロード・ウォリアーズは、日本のファンの間で「まだ見ぬ強豪」として注目を浴びていた。
だからこそ、日本初上陸はビッグ・ニュースで、いよいよロード・ウォリアーズの初めての試合の時は、入場する前から観客の興奮は最高潮に達していた。
ロード・ウォリアーズを迎え撃つのは、相手にとって不足なしの二人。
世界の大巨人・アンドレ・ザ・ジャイアントと激闘を繰り広げ、アメリカでも知られるキラー・カーン。
もう一人は今や日本では知らない人がいないくらいの有名人となったアニマル浜口。
花束のお嬢さんが呑気にロード・ウォリアーズの入場を待っているところが笑える。
館内に重点音が鳴り響く。一転してアップテンポのメロディ。ブラックサバスの『アイアイマン』が流れるなか、先頭にアニマル、その後ろからポールとホークが走って入場して来る。大歓声!
そのままロープをくぐると、いきなりカーンと浜口に突進! 慌てふためいてリング下に逃げる花束嬢。
衝撃の試合は、ロード・ウォリアーズの魅力を思う存分発揮できた満足のいくものだった。

リフトアップ

それでは、アニマル・ウォリアーの必殺技を紹介していきたい。
全日本プロレスでは倉持アナが「ウォーリアーズリフト!」と実況していたが、アニマルは「リフトアップ」と呼んでいる。
試合開始早々、あるいはゴングが鳴る前によく見せる技で、アニマルは相手レスラーを持ち上げ、両肘をピンと伸ばした状態で高々と上げる。
軽いレスラーをリフトアップする怪力レスラーは今までにもいたが、ジャンボ鶴田のような197センチの大型レスラーを軽々と上げるアニマルの怪力は格別。
特に圧巻だったのは、140キロのキラー・カーンをリフトアップしただけでなく、3回も上下させるパフォーマンスを敢行。
アニマルの底知れないパワーに会場も放送席も度肝を抜かれた。

バイオレンスラリアット

ラリアットの使い手は多い。元祖スタン・ハンセンのウエスタンラリアット。長州力のリキラリアット。主にハンセンは左腕、長州は右腕で放つ。しかしアニマルは左右自在にラリアットを炸裂させる。しかも上腕部56センチという筋肉の塊が直撃するのだからダメージも強烈。ロード・ウォリアーズのWインパクト(二人がかりの攻撃)のアイデアは多彩。ホークが渕正信をロープに飛ばし、ショルダースルーの構え。渕は跳び箱を跳び越えるようにホークを跳び越えたが、その先にはアニマルが待ち構えていて左腕のバイオレンスラリアット! 一撃必殺の威力だ。

フライングショルダータックル

ホーク・ウォリアーの十八番でもあるフライングショルダータックル。アニマルも得意とする技で、とにかくアニマルの飛ぶ高さには驚かされる。189センチ、135キロの巨体が高々とジャンプするから大迫力だ。パワーリフティングで鍛え上げた筋骨隆々の肩がぶち当たって来るのだから威力も凄まじい。アニマルは抜群の跳躍力を見せ、着地も両手をついてすぐに立ち上がるので、次の技へ移るのもスピーディー。止まらない連続攻撃の秘訣は、アニマルの着地の仕方にある。

パワースラム

タイミングといい高さといい、アニマルは世界一のパワースラムの使い手と言っても過言ではない。
ブルーザー・ブロディがボディスラムやニードロップを必殺技に変えたように、創意工夫次第で、つなぎ技だったパワースラムも、アニマルが放つと必殺技になるのだ。
この技はパワーファイターのアニマルに相応しい大技で、代名詞的得意技だ。
ロード・ウォリアーズの日本におけるベストバウトを選ぶとしたら、やはりジャンボ鶴田、天龍源一郎とのインタータッグ選手権であろうか。
ジャンボ鶴田のバックドロップ。ホーク・ウォリアーのマッドマックスラリアット。天龍源一郎の延髄斬り。超一流レスラーの大技の応酬は見応え十分。
試合終盤、アニマルが天龍に放ったパワースラムは本当に凄まじい威力だった。

関連する投稿


プロレス四天王・小橋建太&田上明、博多大吉と豪華共演!トークイベント「Talkin' Dream」開催決定!

プロレス四天王・小橋建太&田上明、博多大吉と豪華共演!トークイベント「Talkin' Dream」開催決定!

プロレス界の黄金期を築いた「全日本プロレス四天王」の小橋建太氏、田上明氏と、"プロレス博士"として知られる博多大吉さんが集結するトークイベント「Talkin' Dream」が、2025年11月16日にLOFT9 Shibuyaで開催されます。夢の豪華スリーショットが実現!貴重な裏話や思い出話が聞けるチャンスです。


【訃報】「イチバァーン!」プロレスラーのハルク・ホーガンさん死去。アントニオ猪木、アンドレ・ザ・ジャイアントらと対決

【訃報】「イチバァーン!」プロレスラーのハルク・ホーガンさん死去。アントニオ猪木、アンドレ・ザ・ジャイアントらと対決

プロレス界のレジェンドとして知られるプロレスラー、ハルク・ホーガンさん(本名:テリー・ユージーン・ボレア)が24日、アメリカ・フロリダ州クリアウォーターの自宅で亡くなっていたことが明らかとなりました。71歳でした。


ワイルドハートなジムが川崎市多摩区にオープンしたぜ!!オーナーはもちろん、WILDHEART大森隆男選手!!

ワイルドハートなジムが川崎市多摩区にオープンしたぜ!!オーナーはもちろん、WILDHEART大森隆男選手!!

全日本プロレスをはじめ、プロレスの全盛期で活躍されたプロレスラーの大森隆男さんが川崎市多摩区に24時間のトレーニングジムをオープンしたので、ジム開設のきっかけやジムに向けた想いなどをインタビューしてきました!!


ジャンボ鶴田から始まる三冠戦ロード!全日本プロレス・三冠ヘビー級選手権の歴史・フルマッチ映像がスカパー!で独占配信!!

ジャンボ鶴田から始まる三冠戦ロード!全日本プロレス・三冠ヘビー級選手権の歴史・フルマッチ映像がスカパー!で独占配信!!

CS放送・日テレジータスにて、1988年を紀元とする全日本プロレス・三冠ヘビー級選手権の歴史の創成期における貴重なフルマッチ映像を楽しむことができる「三冠戦の歴史【フルマッチ配信】」の放送が決定しました。


昭和プロレスのファン必読!プロレス専門誌『Gスピリッツ』vol.76はジャンボ鶴田没25年特集!!

昭和プロレスのファン必読!プロレス専門誌『Gスピリッツ』vol.76はジャンボ鶴田没25年特集!!

辰巳出版より、プロレス専門誌『Gスピリッツ』vol.76が発売されます。発売予定日は6月25日、価格は1540円(税込)。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。