また、ストーリ上の敵となるガルムに関しても、「母星を失い放浪を続ける異星人」というバックボーンがあり、
単純な正義、悪の図式ではなく、「ガルムにもガルムの正義がある」ということを所々で見せていることが、
物語により深みを与えているのではないでしょうか。
「銀河の三人」の魅力-3.BGM
そして3つ目の魅力が、これらの世界観とストーリーを裏で盛り立ててくれるBGMです。
全編を通した80年代のSFらしい広がる未来感と、それでいて所々で物悲しい哀愁を感じさせる曲調が
ゲームの雰囲気にぴったりとマッチしている感じです。
ちなみに、通常戦闘曲がYMOの名曲「Rydeen」の前半に似ているというのは
「銀河の三人」の鉄板ネタの一つですが、
当のYMOの高橋氏が曲作りに関わっているわけですから、名曲に似てしまったのもある意味当然ですね……!
衝撃のエンディングへ
激闘の末に太陽系のガルムの前線基地を破壊して、平和を取り戻したかに見えたのも束の間。
ガルムの本星を叩かなければ侵攻が止まらないことが分かり、
戦いの舞台は外宇宙・ガルム空間へと移っていきます。
強敵ガルム四天王を撃破し、ガルム本星に突入した主人公は、
長い死闘の果てに、遂にラスボス「ガルム皇帝」との戦いに挑むことに……
ここから続くエンディングの衝撃は、実際に通しでプレイして、
屈指の難易度を誇るダンジョンを自力で抜けた上で、味わってほしいところなのですが……
どうしても見てみたいという方は、↓からどうぞ。
……今でこそ、こういう展開の作品は珍しいものではありませんが、
大抵がハッピーエンドで終わっていた当時のファミコンにおいては、まさに衝撃のエンディング。
特にリアルでプレイした方は、思わず涙してしまった方も多いのではないでしょうか?
しかし、ストーリー全体を見ると、
単なるハッピーエンドで終わらせなかったこともまた、「銀河の三人」の魅力であり、
そして、「ただのゲーム」として埋もれたまま終わってほしくない理由でもあります。
なのに、どうして評価されなかった?-1.ゲームバランス
上記に挙げたように、これだけプレイヤーを惹きつける要素を持っているにもかかわらず、
現代において、「銀河の三人」はあまり評価されているとは言えません。
いったいなぜでしょうか?
斬新なシステムやストーリー性など、様々な魅力がある半面、
エンカウントの多さや「長い上に敵が強い」超難易度のラストダンジョンなど、
終盤のゲームバランスには難があると言われています。
特に、ラストダンジョンのザコ敵として出現する「ガルバンゴル」の強さは折り紙付きで、
ザコとは思えないほどHPが高く、その上仲間を呼ぶため、1体でも厄介なのに
ラスト間際では回避できない7体→8体→9体 の3連戦が待っているという容赦のなさ。
中でも頑丈・攻撃力高い・数が多いし仲間も呼ぶ・回復さえする…というゲーム中最強のザコ・ガルバンゴルからの撤退失敗→全滅はお約束であり、別な意味での鬱要素となっている。
http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/854.htmlゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - 銀河の三人
パスワード形式のゲームであり、道中でパスワードを取れるポイントもないことから、
「攻略困難な難易度」になってしまっていることは、評価としては痛いところです。
なのに、どうして評価されなかった?-2.パッケージイラスト
また、目玉の一つであった永井豪氏のパッケージイラストも、
売り上げの上では裏目に出てしまったと言われています。
パッケージイラスト
Amazon.co.jp: 銀河の三人: ゲーム
さらに、同時期のゲームのパッケージと見比べてみると……
ロックマン (箱説あり) | 中古 | ファミコンソフト | 通販ショップの駿河屋
今よりまだまだゲームの事前情報が少なく、
店先に並んだ時の見た目として、パッケージも大事な要素だった時代に、
当時発売された他のゲームソフトと並べたときに、
ファミコンを買う中心層の小学生に「銀河の三人」のパッケージは思ったほど受け入れられなかったようです。