プロデビュー
1989年9月29日、
崖相勉を相手にプロデビュー
崖は元韓国バンタム級、J・フェザー級2位
20戦以上のキャリアを持つベテランだったが
2RにKOした
2戦目は
なんと東京ドーム
マイク・タイソンの試合の前座だった
相手は
タイの前バンタム級チャンピオン、チューチャード・ウアンサンパン
1R、相手のパンチをもらい初めてダウンしたが
2RでKOした
4戦目で日本チャンピオン
4戦目、
日本チャンピオン、岡部繁の挑戦
4RでKO
アマにつづきプロでも日本チャンピオンになった
大阪帝拳の吉井会長は
「7戦目で世界挑戦」と宣言した
世界チャンピオンになる
「父ちゃんやったで」
WBCバンタム級チャンピオン、グレグ・リチャードソンと対戦
10R、ダウン寸前まで追い込み
この後のインターバルでグレグ・リチャードソンは棄権した
「父ちゃんやったで」
リング上のテレビカメラを通じて岡山の父に呼びかけた
網膜裂孔
21歳
世界チャンピオンになり
結婚して子供も生まれた
初防衛戦も決まったが
そのトレーニング中に
左目が網膜裂孔(網膜に穴があいたり裂け目が入る)だと発覚
初防衛戦は中止になった
辰吉が目の手術を終え退院すると
今度はるみ夫人が入院し
男児を生んだ
「寿希也」と名づけられた
vs ビクトル・ラバナレス1
初防衛ならず王座を失う
手術後
運動を禁止されたため
半年で体重が72kgに増えた
(バンタム級のリミットは53.524kg)
4月から動きはじめ
6月から本格的にトレーニングした
9月には
辰吉が怪我で試合ができない間に
暫定チャンピオンとなっていたビクトル・ラバナレスと対戦した
暫定チャンピオンとは
正規チャンピオンが怪我や病気、何らかの理由で長期的に防衛戦を行えないとき
制裁措置として
上位ランカー同士で王座決定戦を行いその勝者を暫定チャンピオンとすること
暫定チャンピオンは
チャンピオンベルトが贈られ
正規チャンピオン同様、防衛戦を行うこともできる
正規チャンピオンは指定期間内に暫定チャンピオンと戦うことが義務づけられている
もし指定期間中に統一戦が行われない場合、
暫定チャンピオンが正規チャンピオンと認められることもある
この試合
辰吉は
9R、TKOで負けた
vs ビクトル・ラバナレス2
2度目の世界チャンピオンに
10ヵ月後
ラバナレスと再戦
判定勝ち
2度目の世界タイトルを獲得
網膜剥離
再び左目に異常を感じ
検査してみると
今度は「網膜剥離」だった
(前回は「網膜裂孔」)
入院し手術を受けた
予定していた世界タイトル統一戦はキャンセル
タイトル(暫定チャンピオン)も返上となった
今回傷めた箇所は
前回とは違う場所で
かつ前回より軽症だった
しかし
日本ボクシングコミッショナーは
網膜剥離を患ったボクサーのリング復帰を認めていない
つまり網膜剥離になったボクサーは日本のリングには上れない
これが原因で引退したり
海外のリングに上がる選手もいた
活動
そして海外では網膜剥離になってからカムバックした選手もいた
日本では網膜剥離が治ってもライセンスは下りないが
海外では何人もリングに戻ってきている
WBAやWBCなど海外の規約では
数十年以上前から
数人の眼科医の完治の証明があれば復帰は可能となっていた
しかし日本のボクシングコミッショナーは古い規約を頑なに守っていた
大阪帝拳の吉井会長はルールの見直しを提案した
60000人以上のファンの署名も提出された
しかし日本のコミッショナーは受け入れなかった
辰吉は
ラスベガスとロサンゼルスに行き
専門医の検査を受け完治の証明をもらった
海外で戦うためである
vs ホセフィノ・スアレス
日本ボクシングコミッショナーを動かしルールを変える
この頃、
WBC世界バンタム級チャンピオンは薬師寺保栄だった
そして初防衛戦でホセフィノ・スアレスをKOした
辰吉は
ハワイで
このスアレス相手に復帰戦を戦うことになった
そして3RでKOした
この勝利によって
辰吉はWBC世界バンタム級暫定チャンピオンに復帰し
その上、
薬師寺とのタイトル統一戦が決まった
そして特例で日本のリングに上がることも許された
ただし
・負けたら引退
・再び目を傷めても引退
という条件がついていた
vs 薬師寺保栄
ただでさえ日本人同士の世界タイトルマッチは注目度が高かった
その上、両者は試合前から激しい舌戦を繰り広げた
「辰吉は思い上がり君」
(薬師寺)
「辰吉って1発で相手倒したこと ないでしょ?」
(薬師寺)
「王座決定戦の当日は
辰吉くんもチャンピオンベルトを巻いてくるだろうが
そのベルトには『暫定』と書いてこい」
(薬師寺)
「薬師寺は勘違い君」
(辰吉)
「世紀の一戦って
相手がアレで
笑わしたらあきまへんで」
(辰吉)
「主役と勘違いの力の差を見せつけたるわ」
(辰吉)
「あの年齢になって
髪の毛を染めるようなっちゃあかんよ
そんなん社会人デビューしたらダメ
ああいうのは
もう中高生で終わるのが当たり前
きっと彼の場合、
その間に目立つ時がなかったんやろね
輝けるときが」
(辰吉)
死闘