事件当時、世間を戦々恐々とさせた「西口彰事件」。
事件を題材にした佐木隆三の直木賞受賞作、ノンフィクション小説「復讐するは我にあり」。
その小説を1979年に巨匠・今村昌平監督が映画化しました。
綿密なシナリオ製作からロケハン等、こだわりの結晶として完成した映画版 「復讐するは我にあり」。
見応え十分の犯罪逃亡劇となっておりました。
今村昌平が10年振りにメガホンを取った力作

実際に存在した連続殺人犯の軌跡をもとにしたもので、今村昌平にとって約十年ぶりの劇映画だったそうです。
http://karasmoker.exblog.jp/9599326/『復讐するは我にあり』 今村昌平 1979 : なにさま映画評 (休止中)/週刊マスカッツ批評(更新中)
題材は、1963年に起きた「連続強盗殺人事件」
西口彰事件
事件を基にしたノンフィクション小説は直木賞を受賞

あらすじ

今村組の撮影
「復讐するは我にあり」 - 今村昌平ワールド

出演者の演技が映画を引き立てた


数々の賞に輝く
作品データ
監督 今村昌平
脚本 馬場当、池端俊策
俳優 緒形拳、三國連太郎、倍賞美津子等
公開 1979年(昭和54年)
配給 松竹
時間 140分
日本犯罪史に残る残虐な犯行をシリアスに追った本作。
徹底的なリアリティを求めた作品でもありました。
前述の千枚通しでの殺害シーン後に、榎津巌(緒形拳)が立小便で手を洗うシーンは、本当に立小便をしているそうです。
また、実際の殺人のあった雑司ヶ谷のアパートで撮影する等のこだわりもありました。
(それらのこだわりの影響か検閲に引っ掛かり、カットされたシーンが多いようです。)
今となっては、そこまでエゴイスティックにこだわる映画監督はいないでしょうね。
そういった製作環境でもないと思います。
昭和らしい重厚な雰囲気に溢れた名作でした。