続くジャパンカップで海外の強豪を迎え撃つことになる。中でも凱旋門賞馬モンジューは
エルコンドルパサーを下した世界一の強豪である。その他にもイギリスダービー馬ハイライズなど
強豪がひしめき合う中、最後の直線でスペシャルウィークは抜け出し、世界の強豪を退け
見事、優勝。2着には香港のインディジェナス、こちらが人気薄であり、またも万馬券の決着となった。思えば、日本ダービーでも人気薄のボールドエンペラーが2着に来ていたので
スペシャルウィークのG1レース4勝の内、3回は万馬券という結果であった。
ラストバトル
引退レースの有馬記念は最大のライバルグラスワンダーが出走をしてきた。
半年前の雪辱を晴らす最後のチャンス、人気はグラスワンダーとスペシャルウィークの2頭に集まり、オッズも2強を示していた。
スペシャルウィークはグラスワンダーを見る形で最後方へ
直線、グラスの外へ持ち出したスペシャルウィークと武豊はゴール前でグラスと並ぶようにしてなだれ込む。武豊は勝ちを確信し、ウイニングランをしたが、首の上げ下げで勝利をしていたのはグラスワンダーだった。内容としてはスペシャルウィークが勝っていた。しかしグラスワンダーは勝負に勝っていた。こうして20世紀最後の大レースは世紀の名勝負で幕を
閉じることとなった。
種牡馬として
種牡馬となったスペシャルウィークはサンデーサイレンスの後継種牡馬として
コンスタントに活躍馬を出している。中でも代表産駒はG1レース6勝のブエナビスタ。
ブエナビスタを輩出したことにより、種牡馬としてはライバル、グラスワンダーに勝ったかと思われた。しかし、グラスワンダーは孫の世代でモーリスやゴールドアクターを出し、一目置かれている。この2頭の対決はまだまだ続きそうである。
無冠の帝王?
スペシャルウィークはG1レースを4勝しているが、JRA賞は特別賞のみである。
また、顕彰馬候補に何度も上がるものの、毎回得票数が足りず、落選している。
今後、ジェンティルドンナやゴールドシップ、ロードカナロアなどライバル候補が
増えるため、その道のりは遠ざかりそうである。
JRA顕彰馬 - Wikipedia
ディープインパクトとの比較
ディープインパクトがいなければ、武豊のナンバーワンの愛馬と言ってもよかったかもしれない。
しかし、ディープと比べてもスペシャルウィークは遜色の無い成績である。
何より、ディープインパクトとの大きな違いは、スペシャルウィークはライバルに恵まれていたことである。セイウンスカイ、エルコンドルパサー、グラスワンダーと同期には名だたる名馬が名を揃え、その中でもトップクラスにいたスペシャルウィークは間違いなく稀代の名馬である。もし、スペシャルウィークの同期にこれらの馬がいなければ、三冠馬にもなっていただろうし、古馬のG1レースも総なめしていたことになる。見ていて、楽しかったのはスペシャルウィークのようにライバル同士で凌ぎを削ったレースである。