最後まで底が見えなかった20世紀最後の名馬グラスワンダー

最後まで底が見えなかった20世紀最後の名馬グラスワンダー

2015年はスクリーンヒーローを父に持つモーリスが年度代表馬に選ばれ グランプリ有馬記念はゴールドアクターが勝利した。 それらの祖父にあたるのがグラスワンダーであり、常に底知れぬ力を秘めた名馬であったことは間違いない。彼の偉大な軌跡を追っていきたい


マルゼンスキーの再来

グラスワンダーのデビューは1997年の9月中山競馬場
デビュー戦を3馬身差で圧勝すると、続くオープン特別のアイビーステークス
G2の京王杯ステークスを5馬身、6馬身差で圧勝する。
続く、2歳王者決定戦、朝日杯3歳ステークスも2馬身半差で圧勝
しかも荒馬場の中でのレコードタイムは見るものすべてを驚愕させた。
実況アナを含め、皆、こう思った。マルゼンスキーの再来だと

故障と復活

2歳王者となったグラスワンダーだったが、ここからが彼の苦難の道の
始まりでもあった。NHKマイルカップを目標にしていたグラスワンダーだったが
春先に骨折をしていることが判明、春シーズンを全休することが決まった。
復帰戦は毎日王冠、休み明け、さらにサイレンススズカを意識しての競馬もあり
5着敗退、続くアルゼンチン共和国杯も6着敗退、マルゼンスキーの再来と呼ばれた
2歳王者の評価は、ただの早熟馬に変わりつつあった。
次走は暮れのグランプリ、有馬記念、単勝オッズは14.5倍の4番人気だった。
しかし、そんな低評価をあざわらうかのようにグラスワンダーは同期のセイウンスカイ
天皇賞馬のメジロブライトを退けて勝利を収める。2歳王者の見事な復活劇であった。

古馬の王者へ

古馬になったグラスワンダーは安田記念から宝塚記念を
春の目標とする。復帰戦の京王杯スプリングカップは勝利したものの
安田記念ではエアジハードとの激戦の末、敗れてしまう。
一方、古馬の王道路線では同期で前年のダービー馬スペシャルウィークが
春の天皇賞を勝利し、王者として宝塚記念へと参戦した。
人気はスペシャルウィークが1番人気、グラスワンダーが2番人気
完全に2強ムードであったが、終わってみれば、1強だった。
グラスワンダーがスペシャルウィークに3馬身差をつけ圧勝し
春のチャンピオンに輝いた。

ライバルとの死闘

秋になりグラスワンダーは毎日王冠からジャパンカップを目指して
始動した。毎日王冠はハナ差の辛勝、相手関係を考えると物足りない
勝利と言えた。次走はジャパンカップを予定していたが、筋肉通が生じ、回避
暮れのグランプリ有馬記念は順調では無いものの出走
人気はグラスワンダーが単勝2.8倍で1番人気、スペシャルウィークが3.0倍で2番人気と
人気はやはりこの2頭に集まった。この有馬記念は20世紀最後の名勝負として
後世に名を残すレースとなる。
最後の直線、先に抜け出すテイエムオペラオーとツルマルツヨシを
グラスワンダーとスペシャルウィークが追い込み、2頭が抜け出したところがゴール板だった。
タイミングはほぼ同時、写真判定に持ち込まれたが、スペシャルウィークの鞍上、武豊は
勝利を確信し、ウイニングラン、しかし、勝ったのはグラスワンダーだった。
最強馬同志の4センチのハナ差の勝負は、まさしく世紀の一戦という言葉がふさわしい
名勝負であった。

低迷と引退

グラスワンダーは翌年も現役を続けることを表明
同期のライバル、スペシャルウィークが引退したため
王者として、古馬の王道路線を目指すこととなった。
しかし、有馬記念の激闘の影響か、復帰戦の日経賞を6着
前年勝利した京王杯スプリングカップを9着
再起をかけて挑んだ宝塚記念も骨折の影響があり6着敗退
これを最後に現役を引退することとなった。

種牡馬としてのグラスワンダー

種牡馬となったグラスワンダーは、アーネストリー、スクリーンヒーローを
始めとしたG1ウィナーを輩出する。スクリーンヒーローは2015年度代表馬
モーリスを輩出し、改めてグラスワンダーの価値を高めている。
グラスワンダーの底知れぬ力が孫の代にも継承されていると言っていいだろう。

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