貴方は「惑星大戦争」派?それとも「宇宙からのメッセージ」派?

貴方は「惑星大戦争」派?それとも「宇宙からのメッセージ」派?

1978年は宇宙ものの特撮・アニメが目白押し。この年の夏に「スターウォーズ」が公開になりましたが日本もがんばりました!1977~1978年正月映画の「惑星大戦争」、78年GW映画の「宇宙からのメッセージ」。映画大手二社によるSFの競作です。あなたはどちらがお好きですか?


あと一週間ほどで(12月7日現在)、「スターウォーズ~フォースの覚醒」が封切りですね!
「スターウォーズ」が初めて公開されたのは1977年。「エピソード4」です。日本でもその影響を受けた作品が林立しました。その中でも「惑星大戦争」と「宇宙からのメッセージ」を取り上げます。

惑星大戦争

ストレートに「スター・ウォーズ」を直訳した「惑星大戦争」がまず公開されました。
1977年12月17日封切りの、いわゆる「お正月映画」です。

【ストーリー】
1980年代、世界各地でUFO騒ぎがおき、また電波障害により大混乱が発生した。これを宇宙からの侵略の前兆と捉えた国連宇宙局・宇宙防衛軍 (UNSF) は、宇宙防衛艦の設計建造を滝川正人に依頼、一方で隊員の訓練を開始した。しかし次第にその騒ぎは収まり、滝川は平和な地球には必要ないとして宇宙防衛艦の建造を中止、退任してしまった。

1988年秋、再びUFO騒動と大規模な通信障害が発生。国連宇宙局の三好は宇宙防衛艦「轟天」を完成させる使命を帯び、滝川を説得するため日本に帰還する。滝川は消極的だったが、彼を暗殺しようとした刺客から三好、室井、冬木によって救われる。さらに、宇宙ステーション・テラが「巨大なローマ船」という通信を残して爆発。国防軍は滝川に轟天の建造の再開と乗員の編成を要請する。

敵のUFOヘル・ファイターによって世界各地の大都市と地上の国連軍基地が壊滅状態となる中、滝川は隊員達を再招集、太平洋マウグ島で轟天の完成を急ぐ。侵入した工作員の妨害も排除しつつ轟天は完成、地球上を飛び回っていたヘル・ファイターを全滅させ、侵略軍の前線基地がある金星へと進撃を開始する。しかしその途中、三笠の遺体に扮して侵入した敵兵によって滝川の娘・ジュンが拉致されてしまう。
三好は冬木達とともに、敵艦の心臓部爆破とジュンの救出のため大魔艦に潜入する。

犠牲を払いつつもジュンを救出した三好は大魔艦からの脱出に成功。轟天と大魔艦は金星の空で激突する。(wikipediaより)

主要キャスト

森田健作(三好孝次役)…右端
当時森田さんは松竹所属でしたが東宝SFに登場です。

沖雅也(室井礼介役)…右から二番目

宮内洋(冬木和夫役)…右から三番目

このシーンはパンフレットにも載ってましたし、当時のOUTにもこのスチールが掲載されていました。
イケメン3人勢ぞろい、絵になりますね!

それにしても沖さんと宮内さんって顔だち似てますよね。
なぜ似てる二人を起用したのか疑問です。
宮内さんファンの筆者としては喜ばしいことなのですが…

睦五郎さん、よくぞ緑色にしてくました、という感じですね。
今でいったら岸谷五郎さんのような、中堅俳優さんでした。
この緑色もなんだかヤマトに影響を受けてるような感じですね。

睦五郎(銀河帝国司令官ヘル役)

このシーンはわりと知られていますが、この衣装はゆう子さんの自前なんですよ。
当時のパンフレットによると、ゆう子さんは「SF女優に似合う女優」だったんだそうです。
なんとこのとき17歳!とっても大人っぽいですよね。

浅野ゆう子(滝川ジュン役)

三好と室井とジュンの関係が初代ゴジラの芹沢博士と尾形と恵美子に似てますよね。
紹介している動画ですでにそれが出ていて、セオリーどおりの展開になってしまってます。

■池部良(滝川正人役)
すみません池部さんの役の画像が見つかりませんでした。

睦さんも池部さんもこの作品を締めるいい俳優さんですね。

「轟天」といえば…

宇宙戦艦「轟天号」は1963年公開の「海底軍艦」の「轟天」へのオマージュです。

『海底軍艦』(かいていぐんかん、英題:Atragon)は、1963年(昭和38年)12月22日に公開された、東宝制作の特撮映画。正月興行作品。併映はハナ肇とクレージーキャッツ主演の『香港クレージー作戦』(監督:杉江敏男)。

海底軍艦

下が「惑星大戦争」の「轟天号」

宇宙艇を回転れぼるバー式で出撃させるところはこの映画の見所のひとつ!

約40年経って「惑星大戦争」を振り返ってみると…

この作品は当時制作費3億円だったそうです。
そして制作期間は3ヶ月…。
限られた時間の中ではオマージュという表現方法をとるのもありだったかもしれません。
「惑星大戦争」の同時上映は「霧の旗」ですが
たぶん、「百恵・友和ファン」も「特撮ファン」もこの組み合わせには不満があったのではないでしょうか?
「百恵・友和映画」にはやはり文芸系・あるいはホリプロプロモーションムービーのほうが合っていますし、「惑星大戦争」にはやはり特撮ものを一緒にしてほしかったです。

それでもまだ日本では「スター・ウォーズ」は公開されていないころです。
スペースオペラを渇望していた特撮ファンは特撮技術、ミニチュアワークを堪能しました。

轟天号が金星に向かって発進してまもなく地球が見えてくるシーン。
(ここはヤマトのオマージュかと…)
それを見てジュンが「まるで緑の真珠みたい…」と言うのですが当時のポスターにも「緑の真珠」という言葉がこの作品のキーワードだったのですね。

「霧の旗」と「惑星大戦争」の抱き合わせパンフです。
これもちょっと物足りなかったですね。

惑星大戦争 霧の旗 パンフレット

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