リメイクもいっぱい! ドラゴンクエストシリーズの第5弾!
スタッフが当時の黄金メンバーと言われる千田幸信氏、堀井雄二氏、すぎやまこういち氏、鳥山明氏で固められた、ドラゴンクエストシリーズの第5作目です。
ちなみに、この次作であるドラゴンクエストⅥでは、アニメ「ドラゴンボール」シリーズで原画やキャラクターデザインを担当している中鶴勝祥氏が、モンスターデザインで鳥山明氏と共に加わっています。
ドラゴンクエストと言えば、壮大なストーリーで展開されるロールプレイングゲームで、ファミコン時代から発売日にはゲームショップに長蛇の列ができるほどの人気作品でした。
このドラクエⅤも例外ではないのですが、実は私は当時、両親の計らいにより知り合いのおもちゃ屋さんに予約をしていて、並ばずに渡してもらった覚えがあります。その日から早速楽しく遊んだ記憶がありますので、両親には感謝ですね。
さて、ドラクエⅤといえば、色々な新システムがあります。これ以降のドラクエシリーズの柱となるものもありますので、順に見ていきましょう。
【新システムその1】ファミコンからスーパーファミコンへのハード移行

新システム、というのは少し違うかもれませんが、前4作と大きく違うのは、発売ハードの変更です。
これまでのファミコンから、スーパーファミコンにハード移行したことにより、グラフィック、BGMなど諸々のデータ容量が拡大し、遊び心地もレベルアップしました。
ドットが細かくなったことにより、キャラクターの移動がスムーズに感じられるようになったり、文字数が多く表示されるようになったり・・・。漢字が使用されるようになったのも本作品からですね。
これもひとえにハードの性能の賜物であることは間違いないですね。
前作ドラゴンクエスト4の発売日は1990年2月なのに対し、スーパーファミコンの発売が同年11月ということもあり、制作陣もこの段階でスーパーファミコンの移行を検討したのではないでしょうか。
【新システムその2】モンスターが仲間になるようになったのも本作から!

ドラクエと言えば、倒したモンスターを仲間にできるシステムが今や定番となり、「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズではモンスターのみがキャラクター、というほどですね。
そんなシステムも、本作ドラゴンクエストⅤが初!
(厳密にいうと、前作ドラゴンクエストⅣではホイミスライムのホイミンやドラン(りゅうのこども、という表記ですが、恐らくグレイトドラゴンと思われる)が仲間になるシステムはありますが、あれはストーリー上のお話ですのでちょっと違いますよね)
一番最初にスライムを倒して仲間になった時は、ちょっとした感動でした
モンスターにつけられる名前は決まっており、スライムだと、「スラりん」「スラぼう」「アキーラ」「サスケ」ですよね。4匹目を仲間にするには、3匹目までのうちの誰か1匹とサヨナラしないといけない、というところがまた面白いですね。
【新システムその3】戦闘中に仲間に命令が出来る!

小見出しがなんのこっちゃ?といった感じになってしまいましたが、実は、前作ドラゴンクエストⅣでは、戦闘中、仲間に個別にコマンド指示を出すことができなかったんですね。学習システムが搭載されており、AIによって自動的にコマンドを決めて戦闘を行っているシステムでした。
大雑把な指令(みんながんばれ、や、ガンガンいこうぜ、等)は出せるのですが、行ってほしい行動を起こしてくれないこともしばしば。
そんな中、本作ではついに「めいれいさせろ」という個別でコマンド入力が出来るようになりました。
これで今までのイライラは解消しました。
なお、「さくせん」の数は変わりません。つまり何か作戦が一つリストラされているわけですが、それは「いろいろやろうぜ」という作戦。戦闘の状況に関わらずランダムで色んなことをします。無駄なアイテムを使ったり無意味な呪文を使ったり・・・とても厄介で不評だったのでしょうか。
【新システムその4】多彩な乗り物の登場

フィールドマップを移動する際に使用する乗り物も、本作では多くなっています。
前作ドラゴンクエストⅣでは、船と気球、という海と空で一つずつのシンプルな移動方法でしたが、本作に至っては、
・海や川には船。
・山は越えられないが、浅瀬などは越えられる魔法のじゅうたん。
・ほぼどこでも移動できる天空城。
・天空城よりも高い位置を飛ぶことができるマスタードラゴン。
と多彩です。
ストーリー進行で手に入る乗り物ですので、使わない、という乗り物はありませんが、当然終盤ではマスタードラゴン一択になることが多いですね。
【新システムその5】隠しダンジョンの採用

こちらもシリーズ定番となっている、クリア後の特典でもある「隠しダンジョン」。これも、本作で初採用されました。
本作では、直接ストーリーには絡まないものの、前作ドラゴンクエストⅣにて登場した強敵「エスターク」が隠しボスとして存在します。
天空シリーズと称される、時代背景が同じⅣ、Ⅴ、Ⅵで、前作とつながりがあることを更に強調したネタですね。
このエスタークに関しては、当時、「○ターンで倒すと仲間になる」などの都市伝説が流行したくらいでした。
【新システムその6】重要視されたストーリー性

前作ドラゴンクエストⅣでの、5章にまたがるストーリー仕立ても、当時はビックリしたものですが、本作にも、そのビックリが用意されていました。
主人公は変わりませんが、主人公の父との旅から、最後には主人公の子供を共にするという、「親子三代の物語である」ことが、今までの「ドラゴンクエスト」シリーズとは一味違うと感じさせる部分です。
特に、中盤での結婚では、二人の花嫁候補から一人を選ぶという、何ともプレイヤーを悩ませるイベントがあり、当時はどちらと結婚すべきか?と友人と語り合ったものです。
結果的にどちらを選んでもその後のストーリー展開に大きな差はないものの、ビアンカ派かフローラ派か、というのは今でも永遠のテーマとなっています。
(現在リメイク販売されている3DS版では、3人目の花嫁候補として新キャラクターのデボラが登場し、昔からのファンを悩ませているという・・・)
みんなドラクエⅤが大好きですね。twitterではこんな声が。
Youtubeでもたくさん投稿されています。
【まとめ】いったい何が「不遇」なのか?

これだけの大々的な新システムの採用、待望の「ドラゴンクエスト」シリーズ新作という点では、全くイメージできない、本記事のタイトルにもある「不遇」とはいったいどういうことなのでしょうか。
それはズバリ、「売上本数が低い」ことです。
公表は約280万本、現在10作品出ているドラゴンクエストのナンバリングシリーズではワースト3とのこと。いったいこれはどういうことでしょうか。
その原因の一つには、本記事前半にもお話した、ハードの移行が問題になっているのではないか、と予想されます。
ドラゴンクエストⅤは当然ながら制作は前作ドラゴンクエストⅣの制作完了時から企画があがっていたと思います。そして社内でもプロジェクトが組まれ、ドラゴンクエストⅤの販売時には社内で制作も始まっていた可能性があります。
しかし前述したとおり、前作ドラゴンクエストⅣとスーパーファミコンの販売時期が同年であることから、急遽、販売するハードをファミコンからスーパーファミコンに切り替えたのではないか、と考えられます。
現に、ドラゴンクエストⅤはスタッフの退職もあるものの、何度か発売日の延期がなされております。
多くの延期から、ドラクエに愛想を尽かしたファンも少なからずいるのでは・・・と思います。
更に、並行してライバル作品と称される「ファイナルファンタジー」シリーズもどんどんと販売され、そちらに移るファンも多かったと思います。
前作ドラゴンクエストⅣでの章仕立てという新しい試みを、よく思わなかったユーザーもいることで、本作に期待をしなかったために、上記のようなライバル作品に投資した、という話もあります。
どういった理由にしろ、売上という悩ましい問題があるために、ドラゴンクエストⅤは不遇という扱いを受けることになったのです。
しかし、当然コアなファンも多く、賛否両論であることは間違いないでしょう。
決して、人気がないわけではありません。それは、各種ハードにてリメイクを行われていることから、間違いないでしょう。
当時盛り上がった世代も、今の若い世代も、全世代が楽しめる作品、それが、このドラゴンクエストⅤだと、私は思っています。