【懐かし番組】『列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日』を振り返る

【懐かし番組】『列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日』を振り返る

2004年にNHK-BSにて放送された『列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日』。関口知宏が最長片道切符で1ヶ月半のリアルな鉄道旅をするユニークな番組で、鉄道ファンだけでなく多くの視聴者に親しまれました。本稿執筆時点でちょうど20年前。懐かしの番組を振り返ります。


番組の概要

『列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日〜』は、2004年5月6日〜6月23日NHK-BSで放送されていた旅番組で、月曜日から土曜日の毎朝7時45分〜8時00分に生中継で放送されました。



旅人は、俳優・タレントで、関口宏の息子としてもおなじみの関口知宏JRの最長片道切符を使って、北海道から九州まで日本列島の各地を訪れる旅で、その先々で人々や自然とふれあい、鉄道や名所を楽しむ様子が番組の見どころでした。関口自身が描く絵日記も旅情をかきたてるもので、そんなほのぼのとした雰囲気が今も印象に残っています。

「列島縦断 鉄道12000km 最長片道切符の旅」

最長片道切符とは

では、そもそも「最長片道切符」とは何でしょうか?



最長片道切符とは、簡単に言うと、以下の条件を満たす片道乗車券のことです。



・JRだけを乗り継ぐ

・同じ駅を二度通らない

・最も距離が長くなるように経路を選ぶ




その結果、2004年の放送当時に使用された最長片道切符は

次のようなものでした。



・起点:北海道 稚内駅

・終点:佐賀県 肥前山口駅(現:江北駅)

・運賃:90,820円

・有効期間:57日(途中下車は何回でもOK)

・総営業距離:約12,000km

・利用路線:98路線

・乗り換え回数:210回




最長距離を実現するため、

単純に北から南、東から西へ行く経路ではなく、

たとえば、

福島→新潟→長野→群馬→新潟→群馬→栃木→福島→茨城

のように県同士を行き来し、

また、同じ駅を二度通らないようにするため、

たとえば、秋葉原から東京へ向かう場合も、

秋葉原→成田→松岸→成東→大網→安房鴨川→蘇我→東京

のように大回りする、

迷路のような経路をたどります。



因みに、放送から20年経った2024年時点では、

新幹線開業による第三セクター化や

路線そのものの廃線・廃駅などにより、

放送時の経路は使用できなくなっています。

印象に残った放送回

番組名に "42日" とあるように、放送回数は42回。

ただ、実際に移動に要した日数は、43日間でした。

(ただし、5月16日分の短時間乗車は日数にカウントせず。)



ここでは、筆者の独断と偏見で、印象に残った放送回をいくつか挙げてみます。

1日目:旅の始まり

日本最北端の駅「稚内駅」切符に改札印が押され、ここから1ヶ月半に渡る最長片道切符の旅が始まりました



初日から400km近くも移動する、ひたすら電車に乗る一日。在来線の車内では、海の向こうに見える利尻富士の景色に感動したり、音威子府駅名物の駅そばを食べたり、地元の女子中高生と歓談したりと、充実の鉄道旅でした。

10日目:温泉三昧

この日は、米沢から奥羽本線を北上し、さらに新庄から、陸羽東線、東北本線、大船渡線を使って太平洋側の気仙沼に向かう一日。途中には、温泉地がたくさんあり、なんとこの日一日で3回も温泉に入浴しました!



1回目高畠駅に併設の町営温泉「太陽館」、2回目かみのやま温泉駅近くの「二日町共同浴場」、3回目鳴子温泉駅近くの共同浴場「滝の湯」でした。関口が鳴子温泉の熱い湯に耐える様子の絵日記が印象的でした。

18日目:首都圏大回り

この日は、東京から桜木町へ向かう一日。普段なら東海道線、根岸線を乗り継げば30分で着く行程ですが、それでは最長経路にならないので大回り、それも、12時間もかかる極端な迂回経路をたどりました。前日も秋葉原から東京まで房総半島を回って10時間もかけており、なかなかハードな鉄道旅です。



実際の経路は次の通り。



東京→西国分寺→武蔵浦和→大宮→熊谷→深谷→倉賀野→明覚→高麗川→拝島→立川→川崎→品川→横浜→桜木町



明覚駅では、地元の子供たちやキジトラの猫と戯れ、猫は関口とツーショットで絵日記にも描かれました。

23日目:日本最高額の駅弁

松阪駅では、予約していた駅弁を購入。これが、日本最高額10,500円の駅弁(当時)で、その名も「極上松阪牛ヒレ牛肉弁当」です!



そもそも弁当箱のサイズが一回りも二回りも大きく、中に入っているのは、松阪牛の中でも最高級のヒレ肉、伊勢湾産の車海老など豪華な地元食材。これを特急列車の車内で食べる贅沢なひとときでした。

29日目:余部鉄橋

近代的な建物の京都駅をあとに、東海道・山陽新幹線、山陽本線、東海道線、福知山線、山陰本線と乗り継いで到着した目的地は「餘部駅」明治時代に作られた余部鉄橋がまだ残っていた頃(現在はコンクリート橋)で、窓から鉄橋を望める宿に宿泊しました。40メートル超の高さを走る列車の姿は圧巻で、関口の絵日記も旅愁を誘うものでした。

31〜34日目:四国一周の旅(特別編)

実は、最長片道切符では、四国に渡ることはできません



本州と四国をつなぐJR路線は瀬戸大橋線(岡山―宇多津)しかなく、本州から四国に渡って再び本州に戻るには瀬戸大橋線の同じ駅を二度通ることになるため、最長片道切符に含めることはできないのです。しかし、番組では、特別編として、四国を旅する別の切符を購入し、四国一周の旅を放送しました。

40日目:嘉例川駅

「嘉例川駅」は、明治36年(1903年)に建てられたという、当時築101年の木造駅舎二人の元気なおじいさんが手入れをしており、一人は名誉駅長、もう一人は90歳の男性で、二人とも元国鉄職員とのことでした。



そして、この日、この場所で、旅の間に作り続けてきた曲が完成。ゴールまであとわずかです。

43日目:旅のゴール

前日に肥前山口駅を通って長崎県をぐるっと回る経路に入り、諫早駅へ。そして、最終日、再び肥前山口駅に戻ってくると、同じ駅を二度通ることになり、片道切符は終了ついに旅のゴールです!



到着した「肥前山口駅」のホームでは、多くの番組視聴者が出迎えてくれました。



関口は

「終わっちゃったね」

と一言。

安堵したような残念なような苦笑いを浮かべていました。



改札出口では、切符に「無効」の印が押され、旅が終了



そして、駅の外に出ると、駅前ロータリーにはものすごい人だかり!

番組の人気の高さがうかがえるもので、

最終回にふさわしい、感動のフィナーレでした・・・。

「決定版 列島縦断 鉄道12000km 最長片道切符の旅」

テーマ曲はカズンの『風の街』

番組のテーマ曲は、カズンの歌う『風の街』列車の走行音を思わせるリズムが心地よく、透明感のある二人のハーモニーが旅愁を誘い、この番組にぴったりの曲でした。番組とともに視聴者に愛され、当時のインディーズチャートでは第1位を獲得しています。今では、『冬のファンタジー』と並ぶ、カズンの代表曲の一つです。

関口知宏の言葉

書籍「列島縦断 鉄道12000km 最長片道切符の旅」の末尾には、関口知宏の直筆の印刷で、次のような言葉が書かれています。

翌2005年には、続編として『列島縦断 鉄道乗りつくしの旅〜JR20000km全線走破〜』が放送されました。もちろん、旅人は、関口知宏です。

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