80年代は、ロバート・パーマーの充実期!

80年代は、ロバート・パーマーの充実期!

日本においては今ひとつ人気、知名度共に低いように感じるロバート・パーマー。ですが、全米ナンバー1ヒットもありますし、グラミー賞最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞は2度も受賞している実力派です! そんなロバート・パーマーの充実期である80年代の作品をご紹介します。


ロバート・パーマー

日本での知名度は決して高いとは言えないロバート・パーマー。いや、むしろ低いロバート・パーマー。が、素晴らしい才能の持ち主であり、ヒット曲だってあります。知らないと損、そんなロバート・パーマーの80年代を振り返ります。

ロバート・パーマーは1968年からプロ・ミュージシャンとしての道を歩み始め、ビネガー・ジョーというバンドで4枚のアルバムを残したのち、1974年にソロデビュー。徐々に音楽性を変化させ1979年にリリースされた5枚目のアルバム「シークレッツ」でニューウェーブ的なニュアンスを持つハードなロックンロールを奏で注目されました。
このアルバムからは「Bad Case of Loving You」が全米シングルチャートの14位に入るヒットを記録。この勢いをもってロバート・パーマーはキャリアの中で最も充実した80年代に突入しました。

クルーズ

6枚目のソロアルバム「クルーズ」は面白いアルバムです。名盤といっても良いと思います。私は大好きですね。
ただ、前作からの流れとはいえ、当時の最先端のテクノ・ポップを取り入れたサウンドには従来のニューオリンズ・ファンク、ソウル・ミュージック路線を支持していたファンは驚いたのではないかと思います。

録音は、前作に続いてバハマのナッソーにあるコンパス・ポイント。そして、ミキシング・エンジニアは、グレース・ジョーンズ、デュラン・デユラン、トーキング・ヘッズ、ロビー・ネビルなどの作品で、知られるようになるアレックス・サドキンです。

	01. クルーズ
02. サルキー・ガール
03. ジョニー・アンド・マリー
04. ホワット・ドゥ・ユー・ケア
05. ドリーム・オブ・ワイヤーズ
06. ウォーク・アップ・ラフィング
07. ノット・ア・セカンド・タイム

クルーズ - Clues (1980年)

ゲイリー・ニューマンやトーキング・ヘッズのクリス・フランツを招き、ニュー・ウェーヴへ接近したサウンドがユニーク。
テクノ・ポップというか、リズムマシンがなんともチープで時代を感じさせますが、曲そのものが素晴らしいので、むしろ何とも言えない個性的なアルバムになってます。
中でも「クルーズ」や「ジョニー・アンド・マリー」は最高ですよ。

「クルーズ」は本当に素晴らしいアルバムです。欠点があるとすればジャケットでしょうか。
ジャケ買いする人はまずいないでしょう。いかにも切り抜きましたと言わんばかりのロバート・パーマーが哀れです。
が、見ようによってはチープなリズムボックスの音とよく合ってるとも言えますかね。

因みにロバート・パーマーが手に持っているのは1979年に発売されたばかりの携帯用カセツト・プレイヤー、ソニーのウォークマンです!時代の先端だったんですよ。

プライド

これは世間的にも傑作の呼び声高しな1983年にリリースされた7枚目のアルバム「プライド」。
エスニック風味のエレクトリック・サウンドとでも言うべき新機軸を打ち出しています。

このアルバムも録音は中米バハマのコンパスポイントスタジオですが、当時はローリングストーンズやトーキングヘッズ、トムトムクラブなどが利用したことで世界的に知られるようになったスタジオです。
このアルバムの成功は、スタジオの環境も良かったのでしょうが、加えてプロデューサーがエレクトロポップサウンドの名手であるルパートハインだったってところが大きいと思います。

01. プライド
02. デッドライン
03. 時のまま
04. ダンス・フォー・ミー
05. 心の中に
06. イッツ・ノット・ディフィカルト
07. セイ・ユー・ウィル
08. テイク・マイ・ハート
09. ウエイティング・フォー

プライド

このアルバムをご存じない方には、エスニック風味のエレクトリック・サウンドって?と思われるかと思います。そのような方には先ずスティールドラムがフィーチャリングされたレゲエナンバーである1曲目の「Pride」を聴くとアルバム全体の雰囲気が伝わるのではないかと思うのですよ。が、エレドラサウンドが効いていてトロピカルなのになんとなく異質な南国という雰囲気が何とも個性です。

アルバムはとてもコンセプチュアルで、全体的に異国情緒溢れるアダルトなエレクトロニックサウンドという感じがします。ですが、なんかクールなんですよね。

その後、1985年にはデュラン・デュランのジョン・テイラーとアンディ・テイラー、シックのトニー・トンプソンらが結成したパワー・ステーションにロバート・パーマーはボーカリストとして参加し、世界的な大ヒットをかっ飛ばしました!

リップタイド

80年代のロバート・パーマーのアルバムで最もよく知られているのは1985年にリリースされた8枚目の「リップタイド」ではないでしょうか?!

なんと言っても全米シングルチャート1位を記録した「恋におぼれて」と全米シングルチャートの2位の「ターン・ユー・オン」の大ヒット曲が収録されてますからね。

01. リップタイド
02. ハイパーアクティヴ
03. 恋におぼれて
04. トリック・バッグ
05. 心への愛
06. ターン・ユー・オン
07. フレッシュ・ウンド
08. ディシプリン・オブ・ラヴ
09. リップタイド(リプライズ)

リップタイド

パワー・ステーションの大成功をうけて「リップタイド」から最初にシングル・カットされた「ディシプリン・オブ・ラヴ」」はなんと不発に終わりました。パワー・ステーションの恩恵なし!

本人も相当ガッカリしたのではないかと思いますが、次のシングル「恋におぼれて (Addicted To Love)」が大ヒットして溜飲を下げることに。
勝因はズバリ、プロモーション・ビデオです。なんと言っても無表情の女性モデルのバック・バンドがカッコいいです。たいへん話題となりました。
更に「恋におぼれて」によってロバート・パーマーはグラミー賞最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。

更に次のシングル「ターン・ユー・オン (I Didn't Mean to Turn You On)」も全米シングルチャートの2位となっていますが、実は同じ手法で作られているプロモーション・ビデオはこちらの方が完成度が高いです。楽曲もよりポップですので、ご存じない方は是非一度YouTubeで検索してみてください。

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