「世界名作劇場」のアニメには、感動の孤児物語が多くありますが、ポリアンナもそのうちのひとつ。
ポリアンナをはじめとする孤児の過酷な状況や寂しさと共に、大人でも家族を失うと悲しみから立ち直れず孤立する様子、そして、そんな大人たちが子供と暮らしてゆくなかで、笑顔を取り戻していく姿が描かれます。
大人だけが、子供たちの面倒をみるために必要とされているのではなく、子供たちも大人に必要とされいている、お互いにかけがえのない存在なのだと気づかされます。
『ハウス世界名作劇場 ~ 愛少女ポリアンナ物語』
あらすじ
第一部
最愛の両親を亡くし、遠い街「ベルディングスビル」に住む叔母、パレーに引き取られることになったポリアンナ。そんなポリアンナに、パレーは粗末な屋根裏部屋を与え、厳しいルールや罰を言い渡すのである。
寂しさや悲しみにも負けず、ポリアンナは父に教えてもらった「よかった探し」に精を出す。さらに、心を閉ざした街の偏屈な大人たちにも「よかった探し」を広めたポリアンナは、やがて街の多くの人々から愛されるようになる。
こうした矢先、ポリアンナは大怪我をして寝たきりとなり、手術を受けるためボストンの病院へと向かう。心配するチルトンとパレーに囲まれ、ポリアンナはまるで両親といるように感じるが、実は、チルトンはパレーが若いころに喧嘩別れした恋人で、今も二人が想い合っていることを知る。
ポリアンナは一策を講じ、二人のわだかまりを解く。その二人を祝う薔薇を自分の足で歩いて渡そうと、ポリアンナは手術後初めての歩行に成功する。
第二部
足のリハビリを続けるために、ボストンのカリウ婦人の家で暮らすことになったポリアンナ。カリウ婦人は、家族を失い、我が子同様の甥も行方知れずという失意の中、沈んだ暮らしを送っていた。
ポリアンナはカリウ婦人を気の毒に思い、一方で、公園で知り合った孤児のジェミーにも心を痛めていた。ポリアンナは“ジェミーとカリウ婦人が共に暮らしたら素敵”と思うのだが、その願いは、足が完治してベルディングスビルへ帰るときに叶う。
ベルディングスビルへ戻ると、街中の人々がポリアンナの帰郷を喜び祝ってくれる。その祝いもさめやらぬなか、チルトンが不慮の事故で他界してしまう。すると今度は、パレーが失意に沈み込み、ポリアンナはやるせない気分になる。
パレーの友人となっていたカリウ婦人がジェミーと共にパレーの家へ見舞いに来る。カリウ婦人はポリアンナの親友ジミーを見て見覚えがあるように感じる。パレーが快復し、カリウ婦人の帰郷の日になって、ジミーの過去が明らかとなるのだが、そのことをきっかけに、カリウ婦人はじめ、大人たちは自分の一番大切なものに気付くのである。
主な登場人物

ポリアンナ・フィティア

チップマック

パレー・ハリントン

ジミー・ビーン / ジミー・ペンデルトン

トーマス・チルトン
ポリアンナが父の面影を感じ、慕っている医師。若いころにパレーと恋人同士だったが、喧嘩別れをして以来14年間、2人はお互いを避けながら独身を続ける。ポリアンナが大怪我をし、ボストンの病院に入院した際、パレーと仲を戻し、結婚する。以降、仲睦まじく暮らしていたが、ポリアンナが回復し、ベルディングスビルに戻って間もなく、不慮の事故で他界。

ルース カリウ

ジェミー
オープニング・エンディングテーマです!
最終回ネタバレ
最愛の夫チルトンを亡くし、失意に沈むパレーを慰めようと、ベルディングスビルに見舞いに来ていたカリュー婦人とジェミー一行。
彼らがボストンへ帰郷する日になって、ポリアンナの一番の親友、ジミー・ペンデルトンがカリュー婦人の探していた甥っ子のジェミー・ケントだということが明らかとなった!
だが、カリュー婦人を実の母同様に慕うジェミーのことを気遣い、真実は彼には秘密にしておこう、と話し合っていた矢先、家の中を案内してもらっていたジェミーが部屋に入ってきてしまう。
ジミーがカリュー婦人を「ルース叔母さま!」と呼びかけ、二人が抱き合っているのを見てしまったジェミーは、強いショックを受ける。
咄嗟にペンデルトンが、「私がカリュー婦人に結婚を申し込んだものだから、まだカリュー婦人の返事もないのに、ジミーが興奮してしまって・・・・・・」と取り繕い、「それは素晴らしいことだ!」と皆が祝福する。
場がおさまると、ペンデルトンが、「あの言葉は、思い付きではなく、ずっと考えていた本心だ。真剣に考えてみてほしい」と、カリュー婦人に打ち明ける。
カリュー婦人とジェミーのボストンへの帰郷が延び、パレーの山小屋で、皆でキャンプファイヤーをすることになる。
其処でカリュー婦人は、ペンデルトンの結婚の申込みを嬉しく思い、結婚すれば、実の甥と共に暮らせることを理解しながらも、「まずはジェミーの幸せが一番大切。そのためにも第一に足を治療したい」と優しくジェミーに告げる。
キャンプファイヤーの火を囲みながら、皆それぞれの問題を解決し、幸せを見つけられたことに気づく。
これもすべて、ポリアンナとの出逢いがきっかけだった、と皆口々にポリアンナに感謝する。
時は流れ、ポリアンナはたくさんの人々からクリスマスカードを受け取っていた。
中でも、ジェミーからのカードがポリアンナを喜ばせた。「ジェミーの足の治療がうまくいき、歩けるようになった」と書かれてあったからである。
ジェミーは、カリュー婦人宅に、孤児時代に住んでいたアパートの子供たちを招いて、鬼ごっこなどに興じながらクリスマスを過ごしていた。
ポリアンナを引き取った当初、パレーは、ポリアンナも、ポリアンナの父親のことも嫌っていた。
だがこの日、パレーは、「ポリアンナの父親の言ったとおり、『よかった探し』は人を幸せにしてくれる」、また、「自分も『よかった探し』をして幸せになることが、亡き夫チルトンの遺志であるとも思う」とポリアンナに告げる。つづけて、「ポリアンナが自分のすぐそばにいてくれることが、自分の最大の幸せ」と打ち明けるのである。
ポリアンナも、「叔母様と一緒にいられて、本当に本当によかったわ」と笑顔になる。
この年のクリスマスは雪の降りしきるホワイトクリスマスとなり、ポリアンナが雪の降りつづく窓の外を見て喜ぶ。
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