ナインティナイン 岡村隆史   後先考えない突破者だった時代

ナインティナイン 岡村隆史 後先考えない突破者だった時代

小学校ではオリンピックメダリストと同じ器械体操クラブに所属。中学ではブレイクダンス関西最強チームの切り込み隊長。高校サッカー、強豪校フォワード。そしてNSCの9期生へ。


味をしめた2人は、2度目の授業の前にネタを仕込むことにした。
矢部に
「ボケたい」
といわれ、岡村は先輩としてカッコをつけて
「オレはツッコミでエエよ」
ちなみにコンビ名「ナインティナイン」は、ブレイクダンスの難易度の高い技「1990」から。
岡村がつくったネタを、矢部美幸にみてもらいながら3人で練習。
それはサッカー部ネタだったが、2度目の授業で披露すると講師に
「ネタそのものは二束三文でおもろないけど漫才の形にはなってる」
といわれ、
「努力が報われた」
と感動。
さらに講師に
「どうみてもボケとツッコミが逆やろ」
といわれると、すぐにボケとツッコミを入れ替えた。

最初の授業でナインティナインに
「コンビか?」
と聞き、2度目の授業で
「どうみてもボケとツッコミが逆やろ」
とアドバイスした講師は、本多正識。
岡村が現在でも
「本多先生」
と慕う恩人である。
高校時代、病気療養中、たまたま聴いたラジオ番組に素人から漫才台本を募集するコーナーがあり、ハガキを書いた。
すると11本連続で採用され
「これだ!」
と思い、高校を中退し、お笑いの世界へ。
漫才、コント、吉本新喜劇、テレビ、ラジオの台本作家として活躍。
演出者として芸人をリスペクトする本多は、NSCの講師にも抜擢されると、
「やるのはお前ら」
「自分たちが面白いと思うことを好きなようにやれ」
などと生徒の自主性を重んじ、強制を嫌った。
岡村と同期のほっしゃん(星田英利)は、ネタ見せでヤンキー座りをするときにわざわざ後ろを向いてパンツを下ろし、丸出しにした
教室には
「オオッ」
「キャーッ」
とどよめきと悲鳴が上がった。
本多は
「舞台やテレビではNGやぞ」
と注意しつつ
(おもろいの出てきたな)
と喜んだ。

「どうみてもボケとツッコミが逆やろ」
と本多がいったのは、エネルギッシュで動きにキレがある岡村に対し、矢部の声が小さかったからだった。
「笑いに正解はない。
笑いには、絶対にこうではこうでなくてはいけないというルールはない。
しかし漫才は基本的にボケとツッコミで笑いが起きる。
ボケは、文字通り、ボケたこと、ピントがズレたことをいう。
ツッコミは、ボケを否定、修正、たしなめ、客の代弁者となる。
強いボケと強いツッコミで大きな笑いが起こる」
本多は、そう思っていた。
次の授業から岡村と矢部はボケとツッコミを入れ替えた。
それをみて本多は、
「矢部が力強くツッコむことができれば、もっと面白いコンビになる」
と期待していたが、矢部は
「何いうてはるんですか、岡村さん」
など「さんづけ」「です、ます調」「敬語」という新しいツッコミスタイルを確立していった。
そして
「笑いに正解はない」
という本多の考えの1番大事な部分を裏づけた。

大阪の専門学校、京都の夜間大学、そしてアルバイトと岡村は多忙だった。
コンビニのアルバイトは、ちょうどアルコール類の販売が始まった時期で、酒を含む飲み物、唐揚げ、肉まん、おでんなどを求めて客足が絶えなかった。
「地獄だった。
店長に絶対に(人気商品)を切らしたらアカン!」っていわれて、ウワーー!!って」
そんなときレジで客に
「ありがとうございます」
といい
「ありがとう」
と返してもらうと心が癒され、頑張ることができるということを経験。
自然と自身が客になっても店員さんに感謝の気持ちを伝えるようになった。
風俗店でも入店するとまず水やお茶を2本購入。
お嬢と対面すると手渡し、会話も敬語で、かつ恋愛をするように楽しみ、サービスが終わると必ずお礼をいって帰った。
一方、矢部は、そういういったサービスを受けるとき、ほとんどしゃべることはない。
殺人者の目を持つ生粋のSだった。

「9期生の中で1番面白くなりたい」
と意気込む岡村だったがが、すぐに自分の中の「お笑い芸人養成所=漫才とコントを学ぶ場所」というイメージと現実のギャップに悩み始めた。
ギャップの1つが、授業のプログラム。
初めはすべての授業に参加していたが、漫才やコントだけでなく、歌やダンス、テレビ論などの授業があることに疑問を感じ、シャネルズの「ランナウェイ」を
「♪とても好きさ
連れていってあげるよ♪」
と歌いながら
(なんやコレ。
連れていかれてたまるか)
と思っていた。
もう1つのギャップは、周囲の反応。
「どんな授業でも目立たなアカン」
と思っていた岡村は、ことあるごとにボケたが、マジメの授業を受けるだけでノッてこない周囲、お笑いの学校なのにイヤな嫌な顔をする講師に違和感を感じた。

ある授業で講師が
「橋の上で漫才するくらいの度胸がないとお笑い芸人として食っていけないぞ」
というと終了直後、みんな道頓堀のひっかけ橋(正式名称:戎橋)に集まっていったが、岡村は冷たい目でそれを見送った。
「何も考えずに先生のいった通りのことをやって、放課後気分で養成所で友達をつくってもお笑い芸人になれるわけがない」

岡村と矢部は、
「不要な授業」
「意味がない」
「講師が自分の自慢話をしているだけ」
と思った授業は欠席するようになった。
最終的に週1回、本多正識の授業、つまりネタ見せを行う漫才の授業しか出席しなくなった。
「漫才の授業だけは実践的にお笑いを学べるだけでなく、誰が1番面白いかということがその場でわかる」
さらにNSCは月々15000円の月謝制だったが、
「週1回しか出ていないのに払うのもったいない」
と思い始め、受付で
「今日は200円しか持ってないので、とりあえずこれで授業出させてください」
といって1回分の授業料を小銭で支払うことにした。


入学3ヵ月後、NSCで「2丁目アマチュア大会」が行われた。
賞金は出ないが
「優勝すれば2丁目劇場(心斎橋筋2丁目劇場)の舞台に立てる」
という特典がついていた。
授業料の延滞、好きな授業以外、サボるということを繰り返してきた不良不登校生、ナインティナインは、この大会で優勝し、その2丁目劇場の舞台に立つ権利を獲得。
が、直後、2人がNSCにいくと入り口に
「岡村、矢部出入り禁止」
という張り紙がされていた。
あわてて受付にいくと
「お前ら月謝払わへんからや!」
と怒られた。

月謝未払いによって、わずか3ヵ月で除籍処分になってしまった2人は、すぐに本多正識のところにいった。
しかし岡村は
「絶対、大丈夫。
絶対、売れるから何が何でもお笑いを続けろ」
といわれ、矢部は
「お前は下らんことをせんと岡村についていけ。
それと声が小さいから腹から声を出せ」
と腹を叩かれただけで
(根回しとか、なんとかしてくれへんのかい!)
(エエ加減なこというなや!)
と思いながらも頭を下げて去った。
その後、
「もうエエわ。
辞めよか」
岡村がいうと矢部は
「このままやったら負け犬になりますよ」
といった。
「岡村さん、NSC入りませんか?」
と誘われたのに続いて、この言葉も岡村の人生を変えた。

失意の2人に
「クビになってもこっちに出たら」
と声をかけたのが、2丁目劇場の支配人、木山幹雄だった。
NSCをクビになったことで2丁目劇場の出演権利も失ったと思っていた2人は
「お笑いを続けられる」
と大喜び。
客はいつも15人ほどしかいなかったが2丁目劇場のステージに立ってギャラももらった。
岡村が舞台、アルバイト、大学と充実した生活を送り、
「これでやっていこうかな」
とホッとしたのも束の間、
「なんで月謝払わんと辞めたヤツが出てるんや」
とNSCから2丁目劇場にとクレームが入った。
「またお笑いができなくなる」
岡村が再び不安に陥る中、木山幹雄は、
「うちらは面白い芸人をつくるのが仕事です。
面白いヤツは出します。
面白かったらよろしいやん」
とツッぱねた。
NSCも、9期生のヘビイチゴを2丁目劇場に出演させることを条件にナイナイの出演を認めた。

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