昭和・平成に活躍した日本の名探偵…もちろん小説の中ですが

昭和・平成に活躍した日本の名探偵…もちろん小説の中ですが

日本で活躍した有名な探偵、誰が思い浮かぶでしょうか?現実に存在する有名な探偵さんはわかりませんが、小説などに登場して私たちを夢中にさせてくれた名探偵、結構いるんですよね。ミステリーなどで入手した情報や証拠から推理を行い、事件を解決していく名探偵、かっこいいですよね。しかし、意外と探偵が職業じゃない人も多かったりして。大勢いる名探偵の中から、昭和・平成で活躍した5人を独断と偏見でピックアップしてみました。


明智小五郎

日本ミステリー界の父とされる江戸川乱歩が生み出した名探偵といえば明智小五郎でしょう。国産名探偵の元祖となる名探偵ですね。しかし初期の明智小五郎は、かなりの変人探偵イメージが強く、後期になるにつれ冒険活劇ヒーロー的な存在になっていきます。登場を繰り返すにつれ、変化をしてきた探偵で、映像化が進んでいくことで、確立した名探偵明智小五郎像ができ上ってきたようです。

日本の三大名探偵の一人ともされる明智小五郎、実は1作限りで終わるはずのキャラクターだったのだとか。ということで、最初は探偵の設定ではなく探偵小説好きのプータローだったそうですよ。面白いですね。しかしこの探偵もどきさんの評判がすこぶる良くてシリーズとなり、江戸川乱歩の代表的なキャラクターであり、日本の三大名探偵と言われるまでになったのです。

当初描かれていた明智小五郎のスタイルは、「真実を知りたいだけ」というもの。これは後に出てくる金田一耕助にも通じています。明智の癖として髪を掻き回すというのがあり、これも金田一耕助に影響しているかもですね。探偵トリビアになりますが、実は講釈師の5代目神田伯龍が明智小五郎のモデルなんだそうです。「講釈師、見てきたようにものを言い」の講釈師ですね。名前はあの戦国武将「明智光秀」と、光秀の変名とされる「荒深小五郎」からだとか。

金田一耕助

明智小五郎に並び三大名探偵の一人が金田一耕助です。横溝正史の推理小説に登場する私立探偵ですよね。金田一耕助は最もよく映画やテレビに登場した名探偵ではないでしょうか。70年代の角川映画ブームを皮切りにして、一気に知名度を全国的に広めました。今でも製作される金田一耕助の映像、多くの人気俳優さんが演じています。その中で共通しているのが。もじゃもじゃ頭に袴姿というビジュアルで、すっかり金田一耕助のイメージになってしまいました。

金田一耕助のスタイルは、科学的な捜査は全て警察任せにして、得られた情報から論理的に分析するという手法。ストーリー展開における特徴としては、犯人をわざと見逃すようなこともみられます。横溝正史作品には、犯人に同情すべきところが結構多いですよね。決して罪が許されるということではありませんが、金田一耕助にとっては犯人を追い詰めることより、自らが真相を知ることを一番の目的としているのでしょう。

神津恭介

日本三大名探偵、最後の一人とされるのが、この神津恭介です。作家高木彬光の推理小説に登場する名探偵ですね。日本ミステリ史上において、神津恭介はまさに天才の域にいる名探偵でしょう。天才名探偵は誰かと問うたなら、神津恭介の名を出さざるを得ません。東大法医学教授で美貌の青年という非の打ちどころのない設定です。完璧な秀才ぶりは、まさに超人といえるキャラクターとなっています。

神津恭介のスペックの高さを見ていると、なんとも探偵という職業のハードルが上がってしまいます。映像化が少ないことや性格にアクがないなどといったところを指摘する方もおられるようで、人間味が薄い感じがもの足らないのかも。しかし、エリートで隙がないのが神津恭介の特徴なんですよね。金田一耕助や明智小五郎と比べると知名度的にはやや落ちますが、事件を解決するスマートさは引けを取りません。

浅見光彦

内田康夫の推理小説に登場する素人探偵の浅見光彦。通常の職業はフリーのルポライターで、探偵は趣味ということです。なかなか結婚ができない独身貴族なのですが、家族からは居候だと思われていると思い込んでいる青年に描かれています。浅見光彦シリーズはテレビの人気ドラマとなり、かなりの数の放送がされています。

浅見光彦シリーズでは、警察庁刑事局長のお兄さんが一つのキーワードになっていて、事件で疑われた際に身元確認をした刑事が態度を豹変させ「浅見先生もお人が悪い」というセルフには笑ってしまいますよね。浅見光彦のスタイルは、警察からの情報や鋭い感覚から得られる推理力で事件の真実を追求するというもの。従来の日本の探偵像とは一線を画す存在になっています。

明智小五郎や金田一耕助というより、神津恭介の系統を受け継いでいる感じがしますね。実はこの浅見光彦、内田康夫の担当編集者がモデルとなっていたそうです。人気シリーズの主人公のモデルになるなんて、編集者の方もさぞ光栄に思ったことでしょう。ただ、探偵の手法などは関係ないでしょうから、結婚できない居候なんてあたりだったのかも。編集者さん、すみません。

御手洗潔

一時は衰退をしていた名探偵による謎解き物語、それが再び盛り返すきっかけになったのが、島田荘司の推理小説に登場する名探偵御手洗潔でした。日本現代本格ミステリの原点となる名探偵で、島田のデビュー作「占星術殺人事件」では、探偵が趣味の占星術師として登場していましたが、後に北欧に移住し脳科学者となるという変わり種の設定になっています。

俗世間の常識には一切関心を持たない変人ぶりと、驚くほどに卓越した推理力と観察力に秀でた名探偵の御手洗潔。そしてもう一人、御手洗に振り回されながらも事件の記録をしていくワトスンのような役回りをする石岡和己もなかなかによいスパイスになっています。現代のシャーロック・ホームズは誰かと聞かれたら、御手洗潔以外には在り得ませんね。

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