世界初のインスタントラーメン
日清食品創業者である安藤百福が発明したと 世界で広く通じているインスタントラーメンだが、「おやつカンパニー」もまた、その歴史に関わりを持っていた。
世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」
1958 年(昭和 33 年)8 月 25 日に大阪のサンシー殖産(現在の日清食品)が、即席麺「チキンラーメン」(35円)を発売した。この「チキンラーメン」が世界初のインスタントラーメンとされている。お湯を注ぐだけで食べられる即席麺は、保存性を高めるために、麺を油で揚げて乾燥させる「瞬間油熱乾燥法」が用いられている。そして、1962年(昭和37年)にインスタントラーメンの製法である「瞬間油熱乾燥法」の特許を取得、1963年「即席ラーメンの製造法」として特許登録された。
日清食品「チキンラーメン」初代CM。当時の白黒テレビの世帯普及率は、30%程度。
チキンラーメンが発売された昭和33年の4月にジャイアンツの長嶋茂雄がプロ野球デビュー。12月23日に東京タワーは完成した。
1958年 CM 日清食品 チキンラーメン 初代CM - YouTube
世界初の前に発売されていた「味付中華麺」
チキンラーメンが発売される3年前の1955年(昭和30年)に松田産業(現在の「おやつカンパニー」)が、天日干しで麺を乾燥させた「味付中華麺」という即席麺を販売している。お湯があればすぐに食べられる「味付中華麺」世界初のインスタントラーメンではないか。しかし、「チキンラーメン」が世界一と言われている理由は、製法にある。現在では熱風乾燥したノンフライ麺が主流だが、当時は、瞬間油熱乾燥した麺を使ったラーメンがインスタントラーメンと定義の一つとされていたからだ。
おやつカンパニーは、1959年に即席麺の製造時に出る麺の「かけら」に味付けした「ラーメン菓子」を商品化した「ベビーラーメン」を発売(10円)。現在も「ベビースターラーメン」名で発売されている超ロングセラー商品となった。
1959(昭和34)年~1960年代、即席ラーメンブーム
『エースコックの完全味付即席ラーメン』
秋頃にエース食品(現在のエースコック)が、即席味付 『北京ラーメン』(味付けラーメン)を発売。エースコックのキャラクター初代「こぶたも」も誕生した。
1960年1月「明星味付ラーメン」発売
茹で麺や乾麺を製造していた明星食品から、「お湯を注いて3分で食べられる」初めて即席ラーメン「明星味付ラーメン」が販売される。2年後の1962年4月にスープ別添のラーメン「支那筍入 明星ラーメン」を発売した。
※【1960年】2月23日天皇陛下(今上天皇 徳仁)誕生。