みゆき:沢田 優一
「みゆき」は主人公の若松真人が、憧れている同級生鹿島みゆきと、血のつながらない妹若松みゆきの間で揺れ動くという三角関係を、コメディ要素を交えて描いたラブコメディ。
美人でおしとやかな鹿島みゆきと付き合いながらも、妹の若松みゆきのことも気になって・・・という感じで最初はライバルらしいライバルは登場しません。若松みゆきは明るく活発でもてるのでみゆきのことを好きなキャラクターはたくさん出てくるのですが、みゆきが好きすぎて二度の留年までしてしまう間崎 竜一やみゆきが好きで中学校から高校まで追いかけてきてしまうという体育教師中田 虎夫など、三枚目キャラばかりでライバルという感じではないんですよね。
また、鹿島みゆきにアタックする同級生香坂 健二も登場しますが、鹿島みゆきが真人に合わせて浪人、同じレベルの大学に通うというところまで見せつけられ、諦めます。
最強のライバルが登場するのは物語の終盤。真人と若松みゆきの年上の幼なじみである沢田 優一です。容姿端麗で性格もよく、サッカー日本代表という非の打ち所がないキャラクター。
若松家に居候するのですが、妹のみゆきを好きになってしまい、転居します。そしてみゆきにプロポーズ。真人とみゆきに血のつながらない事を知る唯一の人物でみゆきと真人の気持ちに気が付きつつも強引に結婚式のスケジュールを組みます。
優一なら安心してみゆきを任せられる、と思いつつも真人は最後に披露宴のスピーチで妹のみゆきへの気持ちを告白し、破断。その後真人とみゆきは父と3人で挙式をしたというエピソードが絵がかれています。
ちなみに失恋した優一と鹿島みゆきはそれぞれ傷心旅行で北海道へ。そこで二人が偶然出会うところで物語は終了しています。
タッチ:新田明男
タッチはご存じの通り、上杉達也、和也の双子の兄弟が主人公。7巻までは幼なじみの浅倉南をめぐって二人がライバル関係にあります。
ですが、7巻で和也が不慮の事故で亡くなり、達也が和也の意を継いで甲子園出場を目指していきます。
それ以降、他校のライバルたちが登場してきます。もちろん野球のライバルでもあるのですが、南を好きで恋のライバルでもあるのです。
南を好きな人物は西南高校の西村という三枚目キャラもいますが、物語の中の最強ライバルは須見工業高校の新田明男ですね。
新田は上杉和也に負けて挫折を味わっていて、和也との再戦を果たそうとしていたのですが和也が亡くなり、かなわなくなってしまいます。達也にも和也に匹敵する才能を感じ、早くからライバル視していました。
須見工は甲子園出場校でもあり、須見工を倒さないことには甲子園に行けないというところでやはり最大のライバルでした。高校3年で明星学園が勝利し、甲子園でも優勝しています。
南に対しては恋愛感情を抱いているのものの、南の気持ちを知っていて尊重し身を引いていたのですが時々達也や南に対して挑発的な発言をしていました。
ちなみに新田の妹由加は、須見工のスパイとして明星学園にやってきますが、達也を好きになりアプローチしていましたね。
ラフ:仲西 弘樹
「ラフ」は競泳をテーマにした漫画。主人公の大和圭介は中学時代に自由形で全国3位の記録を持っていますが3位止まりのため、平泳ぎに転向しようとしていました。ですが初心者の友人に教えていたことをきっかけに殻を破ることができ、自由形の選手として成長していきます。
一方圭介は和菓子屋「やまと」の息子でもありました。水泳部の飛び込みの選手に地元が同じで祖父の代からライバル関係だった和菓子屋「にのみや」の娘二宮亜美がいました。最初はお互いをよく思っていませんでしたが徐々に距離が近づき、お互いに恋愛感情を抱くようになります。
ラフにライバルとして登城する仲西 弘樹は、自由形100m・200mの日本記録保持者の大学生で中西グループの末っ子、亜美とは許嫁的な幼馴染という関係です。
他の漫画のライバルはスペックは主人公より勝っていてもヒロインとの距離が一番近かったのは主人公でした。ですがラフはヒロインとの仲もライバルとの方がいいんですよね。
しかも終盤仲西は選手生命の危機になる交通事故を起こします。その際、亜美は熱心に看病をしていたのでした。
レースの行方も恋の行方も最後まで分からないという作品です。亜美が圭介を好きということは明らかになるのですが、レースの結果は明らかになる前に終わるというなんともむずがゆいラストです。
H2:広田勝利
「H2」は国見比呂と中学時代のチームメイト橘英雄、英雄の恋人で比呂の幼馴染の雨宮ひかり、広が高校で出会い、千川高校の野球部を作るきっかけとなった古賀春華の4人を軸にした野球と恋愛がテーマになった漫画です。
比呂の最大のライバルは親友でもある英雄なのですが、ここでは英雄は主人公の1人でもあると思うのでここでは野球のライバル校のエース広田勝利を紹介します。
他の漫画のライバルとは違い、広田は恋愛に絡んでいません。天才で野球の才能があるにもかかわらず、計算高く冷酷でずるがしこい性格。勝つためには手段を選ばず卑怯な手を使います。劇中で「あいつはライバルなんかじゃない、ただの敵だ」というセリフがあるので広田は他のライバルキャラとはちょっと違いますね。私の中では、ドラゴンボールのフリーザのような絶対悪のイメージがあります。
最後は人間らしい面も見せますが、とことん悪のキャラであだち充作品では珍しいと思います。
あだち充作品は主人公は(スポーツの才能はあっても)成績が悪かったりもてなかったり、割と庶民的な分、ライバルキャラがイケメンで頭脳明晰、天才肌というキャラが多いです。それでも平凡な主人公が勝つ、というところがロマンですよね。