『1ポンドの福音』とは?
『1ポンドの福音』
OVA版『1ポンドの福音』
今回の記事では、こちらOVA版『1ポンドの福音』の内容を中心に振り返っていきます。
OVA版『1ポンドの福音』の本編動画・ストーリー
物語の主人公は、フェザー級6回戦のプロボクサー・畑中耕作(はたなかこうさく)。
本来は体格的にジュニアフェザー級まで絞り込めるそうですが、減量苦を嫌い、上の階級に甘んじています。負けん気は人一倍のものがありますが、食欲旺盛。減量に失敗しては試合に負けてきた根性なしです。
試合当日、なんとか計量をクリアした耕作。一人で試合までの時間を潰していると、修道院の見習いであるシスター・アンジェラと出会います。腹ペコだった耕作はアンジェラの好意に甘えるかたちになり、試合の直前なのに、たらふくの食事を御馳走になってしまうのでした。
いざ試合のゴングが鳴ると、耕作は、一時的には優勢の流れをつくりますが、対戦相手のボディーブローを受けて悶絶。試合中に吐いてしまうというプロにあるまじき失態を犯してしまいます。結果的に耕作はKO負けを喫することとなり、良かれと思って食事を与えたアンジェラも自らを責めます。
耕作はこれまでも減量に失敗しては負けを繰り返してきており、ジムの会長・向田も耕作の意思の弱さにはほとほと愛想を尽かしていました。リングの上で吐くといった無様な姿を観客の前で晒してしまい、もう耕作はプロとしてやっていけないと思い悩むほど。
しかし、耕作自身に引退する気はなく、試合で負けた後もトレーニングを続けていました。
街中をシャドウしながらランニングしていると、偶然にも、同じようにランニングをしていた若者の顔面にパンチがもろに入ってしまいます。耕作は慌てて若者に駆け寄るものの、その若者は大丈夫と顔を伏せて走り去っていくのでした。
たまたま耕作のパンチをもらってしまった、この若者こそアマチュア時代には金メダルを獲得し、鳴り物入りでプロに転向した天草二郎(あまくさじろう)。その時は大丈夫と逃げるように去った天草ですが、じつは殴られたことを根に持っており、プロとしてデビューする対戦相手に耕作を指名します。
一方、耕作のほうも対戦してくれるボクサーはもういないと考えていたことから、天草からの指名を喜んで受け入れることに。試合の明暗を分ける重要なポイントは、間違いなく耕作の減量です。果たして両者の試合はどのような結末を迎えるのでしょうか…
OVA版『1ポンドの福音』の魅力とは?
ボクシングアニメといえば、壮絶な減量を思い浮かべてしまうミドルエッジ世代は少なくないしょう。そのイメージは、やはり…
『あしたのジョー』
こちらの作品ですよね。
主人公・矢吹丈の永遠のライバルとして多くの少年たちを惹きつけた…
このキャラクターが減量する描写はアニメ史上に残る名場面といえますよね。
力石の存在は、丈にも絶大な影響を与えました。
同じボクサーながら、減量苦に耐えられず、夜中にこっそりとうどんを食べていた…
『あしたのジョー』では、そんなところを丈に見つかってしまい、ボッコボコにぶん殴られている場面もありましたよね。
もしOVA版『1ポンドの福音』の主人公・耕作を『あしたのジョー』に当てはめるのなら、彼はまさにマンモス西のような存在。ハングリー精神といったものからは、かけ離れていて、その緩さが魅力的なキャラクターといえるでしょう。
まずはシスターという設定が少し卑怯な気がします。
世間一般にいけるシスターの印象といえば、神に仕える女性として神聖な存在ですよね。そんなヒロインが魅力的に映らないわけがありません。そのうえ、アルコールには弱くて、酔っ払ったときの変貌ぶりも面白いです。あまりにも愛くるしくて、その魅力に悶えてしまう男性ファンは少なくないでしょう。
声優という部分にスポットを当てると…
カップルという関係性なら、『ドラゴンボール』のヤムチャとブルマを思い浮かべてしまうキャスティングですよね。
古谷徹さんと塩沢兼人さん、この二人が戦う場面といえば、『機動戦士ガンダム』のアムロとマ・クベを彷彿とさせます。それぞれのコンテンツを思い浮かべながら、両者を比較してみるのも楽しいですよ。
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OVA版『1ポンドの福音』のまとめ
ボクシングを題材にしたアニメということで、どうしても『あしたのジョー』と比較したくなってしまいますね。とくに減量という部分にスポットを当てているところも共通しています。
しかし、OVA版『1ポンドの福音』の主人公・畑中耕作は、『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈と正反対のキャラクター性で減量苦に耐えられずに盗み食いを繰り返している存在。かなり対照的で、同じテーマを掲げていながら、かなり印象が違う内容に仕上げられているのが面白いですよね。
ヒロインのシスター・アンジェラも魅力的で、その行動や発言に萌えてしまうユーザーは多いはず。声優という部分にも着目していてほしいですね。ミドルエッジ世代には堪らないでしょう。記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にご覧になって、その面白さをぜひご自身の目で確かめてみてくださいね。