オリンピックのテーマソングとは
今では定番となっているオリンピックのテーマソングですが、実はNHKと民放各局が自局のテーマソングをもうけるようになったのは90年代頃からだと言われています。それまでは1つの楽曲が大会のテーマソングとして認識されていました。
東京五輪音頭

国民的歌手・三波春夫さんが歌う「東京五輪音頭」(とうきょうオリンピックおんど)は、1964年に開催された東京オリンピックのテーマソングです。この曲は複数の歌手による競作で最終的に三波版が定着し、NHKによって制定されました。
2020年夏季オリンピックの開催地が東京に決定した際には再び注目されましたよね。2017年には「東京五輪音頭-2020-」が加山雄三さん、石川さゆりさん、竹原ピストルさんによってリメイクされ、ミュージックビデオも公開されています。iTunesなどで音楽配信も行なわれていますので、ぜひチェックしてみてください。
虹と雪のバラード

トワ・エ・モワが歌う「虹と雪のバラード」は、1972年に開催された札幌オリンピックのテーマソングです。「東京五輪音頭」同様、複数の歌手による競作で最終的にトワ・エ・モワ版が定着し、NHKによって制定されました。同曲で『第22回NHK紅白歌合戦』に出場し、高校の音楽の教科書に記載されたことも。
Heart and Soul

シンガーソングライターの浜田麻里さんが歌う「Heart and Soul」は、1988年に開催されたソウルオリンピックのNHKの中継テーマソングです。この曲が初代NHKのオリンピックの自局テーマソングとなりました。
PARADISE WIND

80年代からバンドブームを牽引し、日本における女性バンドのパイオニア的存在であるSHOW-YA(ショーヤ)のボーカル寺田恵子さんが歌う「PARADISE WIND」は、1992年に開催されたバルセロナオリンピックのNHKイメージソングです。当時バンドを脱退し、ソロとしてリリースした寺田さんのソロデビューシングルであり、自身最大のヒットシングルとなりました。
ちなみにSHOW-YAは91年に脱退した寺田さんがバラバラになったメンバーを5年かけて説得し、2005年に再結成を果たしています。
遙かな人へ

高橋真梨子さんが歌う「遙かな人へ」は、1994年に開催されたリレハンメルオリンピックのNHKテーマソングです。シングル曲では、「ごめんね…」と「はがゆい唇」に次ぐヒット作となり、また当時の中高生の卒業ソングとしても親しまれました。高橋さんの代表曲の1つです。
熱くなれ

大黒摩季さんが歌う「熱くなれ」は、1996年に開催されたアトランタオリンピックのNHKテーマソングです。「虹と雪のバラード」「遥かな人へ」と並び、オリンピックのテーマソングから誕生したヒット作として知られ、今もなお幅広い世代から愛されている大黒さんの代表曲の1つ。
ありがとう…勇気

アイドルグループTOKIOが歌う「ありがとう…勇気」は、1996年に開催されたアトランタオリンピックのフジテレビ系中継イメージソングです。思わず「ハレルヤ、ゴーゴー」と口ずさみたくなるキャッチーな応援歌!この曲を聴くとアトランタオリンピックを思い出す人も多いのではないでしょうか。
SHARE 瞳の中のヒーロー

杏里さんが歌う「SHARE 瞳の中のヒーロー」は、1998年に開催された長野オリンピック冬季競技大会の公式イメージソングです。20世紀最後の冬季オリンピック、そして母国開催のオリンピックを大いに盛り上げ、選手たちはもちろん頑張る全ての人に捧げる応援歌となりました。
湾岸スキーヤー

「湾岸スキーヤー」は、山下達郎さんの楽曲を少年隊がカバーし1998年に開催された長野オリンピックのフジテレビ系放送イメージソングです。印象的なメロディと歌詞で長野オリンピックを大いに盛り上げ、当時の名シーンには欠かせない1曲となりました。また少年隊の上品で大人な雰囲気も魅力的でしたよね。
Unite!The Night!

TRFが歌う「Unite! The Night!」(ユナイト・ザ・ナイト)は、1998年に開催された長野オリンピックTBS系列のイメージソングです。小室哲哉プロデュースから離れた最初の第一弾シングルで作詞:m.c.A・T、サウンド・プロデュースを富樫明生さん(m.c.A・T)が担当しました。
明日が聴こえる

J-FRIENDS(ジェイ-フレンズ)が歌う「明日が聴こえる」は、1998年に開催された長野オリンピックの日本テレビ系中継イメージソングです。少年隊の「湾岸スキーヤー」と共にこの曲を聴けば長野オリンピックを思い出すという人も多いことでしょう。
ちなみにJ-FRIENDSとは、阪神・淡路大震災へのチャリティー活動の一環としてジャニーズ事務所に所属するTOKIO、Kinki Kids、V6で結成された期間限定のスペシャルプロジェクト。「明日が聴こえる」は「Children's Holiday」を含む全2曲入り2枚組で発売された彼らの活動第1作目のシングルでもありました。
ILE AIYE〜WAになっておどろう
AGHARTA(アガルタ)が歌う「ILE AIYE〜WAになっておどろう」は、長野オリンピックの大会公式テーマソングです。閉会式でも演奏され大盛り上がりとなりましたよね。AGHARTAとは、当時音楽活動凍結(無期限休止)中だった角松敏生さんが結成した謎の覆面バンドのこと。
通常オリンピック関連のイベントなどでは、間違いがあってはならないとの理由から当て振りが一般的だと言われていますが、角松さんたっての希望で超異例の閉会式生演奏が実現!あの会場全体の一体感は今でも記憶に残る伝説のハイライトです。そして「WAになっておどろう」は6人組アイドルグループV6がカバーしたことでさらに大きなヒットへと繋がりました。
あとがき
ちなみに新型コロナウイルス感染症の影響により、1年の延期を経て2021年に開催された2020年東京オリンピックのテーマソングは、近年では異例の民放5系列による共同企画“一緒にやろう”応援ソングより桑田佳祐さんが歌う「SMILE~晴れ渡る空のように~」が起用されました。この曲もきっとオリンピックの思い出と共に、私たちの記憶に残り続ける1曲となることでしょう!