永山則夫連続射殺事件がきっかけの「永山基準」と「少年犯罪」に与えた影響の大きさとは?

永山則夫連続射殺事件がきっかけの「永山基準」と「少年犯罪」に与えた影響の大きさとは?

1968年に起こった永山則夫連続射殺事件がきっかけでできた「永山基準」があります。刑事裁判で”死刑”を選択する時の判断基準と言われています。その後の未成年の犯罪に対してもこの基準が大きく影響することになりました。そしてここでは永山則夫が死刑執行された際の真相にも触れていきます。


永山則夫連続射殺事件とは

そんな19歳の永山則夫が起こした連続射殺事件の陰には、幼少期に遭った親の育児放棄により想像を絶する育った環境の劣悪さや差別やイジメがあったことなども大きく注目されました。

のちに獄中で猛勉強した永山則夫自身は自分がいかに無知で浅はかだったか悟るも死刑囚として執行までの間、獄中で過ごしていく事になります。

永山基準とは

「永山基準」の9つの項目。

1.罪質
2.動機
3.殺害方法(執拗性、残虐性)
4.被害者の数
5.遺族の感情
6.社会に与えた影響
7.犯人の年齢
8.前科
9.犯行後の情状


特に被害者の数に関しては、被害者2人というのが無期懲役か死刑のボーダーラインとなっています。言い方を変えれば、分かれ目です。
被害者1人なら無期懲役以下の刑、3人以上なら死刑という一般的な基準が出てきます。

永山基準が出来た経緯と死刑制度の関係

永山裁判の流れはこちら

・1979年一審で死刑判決
・1981年の控訴審(二審)で減刑され無期懲役判決
・1983年三審で最高裁は二審判決を破棄し、東京高裁への差し戻しを命じます。
  そして再び死刑判決が出されます。

永山裁判ではその後のすべての裁判において死刑制度の存続か、廃止に向けての弾みになるのかという観点でも注目されました。

「死刑確定でも永山は殺されない」はずだった!?

永山則夫に接見したことのある刑務所の刑務官を務めた坂本敏夫氏曰く『刑務官たちも「死刑確定はしても永山は殺されない」と考えていたと言っています。

死刑執行の命令は法務省から出されますが、死刑囚の中にはその命令が出されずにある者の中には長きにわたって刑務所の中で獄死を待っている様な状態の死刑囚も何人か確かにいるとのことです。

それは世間に大きな影響を与えた事件を起こした死刑囚ほどその傾向にあるとも言われている様で永山則夫もその中の一人と考えられていたようです。

特に永山則夫は獄中では懸命に勉強し、執筆活動に精を出し本も出しています。その印税を被害者遺族に送ったり、自分の生まれた環境が超貧乏だったということから貧困のために教育を受けられずに働かされているペルーの子供のための基金に使うなどしていました。

こうした永山則夫だったので海外でも永山則夫の存在は知られるところになるなど、死刑囚としては変な言い方ですが超有名人で超大物と言う印象です。

ただ検察側ではその逆でその様な有名な死刑囚に対して死刑執行することはこのようなこともあるようです。

1997年 神戸連続児童殺傷事件と永山死刑執行の関係

この14歳の少年が起こした「酒鬼薔薇事件」が永山則夫死刑囚の運命が大きく変わることになります。

元刑務官の坂本敏夫氏は法務省から神戸事件に対する『少年でも凶悪な殺人事件を起こしたらこうなるぞ!』というメッセージだ。と語っています。

未成年の少年が起こした事件をきっかけに永山則夫も事件を起こした当時未成年者だったことから、検察側にとって執行のいいタイミングになってしまったのではないでしょうか。

いつか死刑執行されるとしても順番的には永山則夫よりも前に死刑が確定していた受刑者が10人以上いたと言われています。

その死刑囚たちよりも先に永山則夫の刑が執行されたという意味は大きかったのだと思います。当時の法務大臣は記者会見で永山の死刑執行の時期と神戸事件は関係がないと発言しています。

まとめ

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事件 1968年

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