ヘンリー・リー・ルーカスとは?
ヘンリー・リー・ルーカスは、映画『羊たちの沈黙』『ハンニバル』の
レクター博士のモデルとなったと言われているシリアルキラーの一人です。
映画の中のレクター博士は「人食いで極めて冷酷な殺人鬼」と言われていますが
ヘンリー・リー・ルーカスは「虚偽の自白の常習犯」「病的な虚言癖の持ち主」と言われていました。
生い立ち
ヘンリー・リー・ルーカスは1936年8月23日、11人兄弟の末子としてバージニア州ブラックスバーグで生まれます。ヘンリーの母親は女の子が欲しかったが生まれてきたヘンリーが男の子だったために絶望したようです。
ヘンリーは10歳の時に兄弟ケンカで左目を失明しています。
ヘンリーは”普通ではない両親”の元に生まれています。この家庭環境がのちにシリアルキラー・ヘンリー・リー・ルーカスの原点になっているのは間違いないと思われます。
父親 | 母親 |
---|---|
アンダーソン | ヴィオラ |
元鉄道員 | 12歳の頃から売春婦 |
マゾヒスト | ネグレクト家事放棄、DV |
アルコール中毒 | アルコール中毒 |
父親のアンダーソンは酔っ払って線路に落ちた際に列車に轢かれ両足切断し「ノーレッグス」呼ばれていたそうです。
ヴィオラはヘンリーが男の子として生まれてきたことで絶望したということですが、その理由はもし女の子だったら売春婦として働かせるつもりだったというので普通の親ではないことがこれだけでもわかります。
http://gandalfnet.com/2019/03/28/post-12855/
ヘンリー・リー・ルーカス母親との関係
驚愕の虐待エピソード①
母のヴィオラは時に客や自分のボーイフレンドを家に呼んでは自分たちの”行為”を家族に見せていたこともあったということです。時にヴィオラは客から特別に金をとって幼いヘンリーに女装させてそんなヘンリーの目の前で”行為"に及ぶこともあったようです。
驚愕の虐待エピソード②
母のヴィオラはヘンリーに女装させ学校に行かせていたこともあり、学校から苦情が来ても言うことを聞かず結局、裁判所から「女装禁止令」が出されたと言います。この女装に関しては、ヘンリに男女、どちらの客も“とれるよう”そうしていたようです。
女装したヘンリーを「ヘンリエッタ」と呼び、バカにしていたところ、ある時ヘンリーが口答えをします。すると、母のヴィオラはヘンリーの頭の皮がめくれて骨が見えるほど殴ったとか...。
そして当然ながら病院には連れて行こうとしません。その時、ヴィオラのボーイフレンドが警察を恐れて病院に連れて行きます。ヘンリーはその時、昏睡状態で丸一日、意識を失っていたということです。もはや、動物以下の扱いという状況です。
驚愕の虐待エピソード③
究極はラバが欲しいというヘンリーに飼ってくれたことがあったとか、優しい一面もあったのかと思いきや.....。ヘンリーは友達の様にラバと仲良くなり大切にしていたところ、母のヴィオラはヘンリーの目の前でラバを銃で撃ち殺してしまいます。
最初からその様にするためにラバを買い与えていたという心底いかれた母親でした。
どんなふうに虐待されて育てられてきたかでもわかる様にヘンリーは”普通”の一般的な家庭も知らず、何が正しいのかも知る余地のない劣悪な家庭環境にいました。
ヘンリーはのちに子供の頃の記憶を聞かれ「投げつけられる」「殴られる」「女の子の恰好をさせられた」「母親と見知らぬ男との”行為”を眺めていた」そんな記憶しかないと話していたようです。
母親の残虐行為
ヘンリーが昔の記憶をたどるときに真っ先に出てくるシーンがあると言います。それは母親・ヴィオラが客の足をピストルで打ち抜き、母親は笑い声を上げその様子はもはや狂気の沙汰か地獄絵図か!?という状況..。そしてその客は血を流した足を引きずり、ヘンリーの首をしめてきたと言います。もうどんな状況か現実にあった話なのかもわからなくなりそうです。
また夫のアンダーソンに対しても極寒の日、車いすに乗ったままのアンダーソンを外に引きずり出し放置したと言います。そしてアンダーソンは肺炎になり亡くなったということです。
どちらにしてもこのよう家庭環境でそんな親の元に生まれたヘンリーが人としてまともに成長していくとは思えません。
ヘンリー・リー・ルーカスの人間性と犯罪行脚
ヘンリーは初めて愛した女性「ステラ」との将来に向けて、初めてまっとうな人生を歩もうとしたことがあります。が!この時、母・ヴィオラがやってきて「お前は死ぬまで私の奴隷なんだよ!」とののしられ絶望させられます。
ヴィオラは何度もヘンリーを連れ戻そうとヘンリーの元に来ていたようです。この時、ヘンリーの恋人・ステラもヴィオラに罵倒され侮辱されることになります。そしてこの家族との関わりは自分には無理だと、ステラはヘンリーの元を去ってしまいます。
これまでもヴィオラに「悪魔から生まれた生き物だ」「お前も悪魔なんだ。腐ったろくでなしとして生きろ」などと罵られてきた人生だった。
従うしかなかった自分の人生に又屈してしまうのか...。しかしある時、ヴィオラがほうきでヘンリーの頭を殴りつけると、気づいたらヘンリーはナイフでヴィオラの首を切り裂いてしまいます。
二度目の殺人は自分の母親でした。
相棒との出会いで殺人行脚スタート
そしてお互いが自分の殺人について自慢し合うような仲になっていき、その後の殺人行脚になっていったということです。
オーティスと知り合い、姪のベッキーと恋仲になったヘンリー。一時的に仕事にも就き、安定した時期を過ごしますが、最終的にベッキーも殺害しています。
ヘンリーは1983年6月銃火器違法所持の容疑で逮捕されその後に殺人の自白をしていきます。そしてヘンリーの最期は2001年3月12日獄中で心不全のため亡くなっているということです。
ヘンリー・リー・ルーカス実話が映画に
余談ですが『ヘンリー』の監督:ジョン・マクノートン氏は1993年の映画でロバート・デニーロ『恋に落ちたら…』の監督も務めています。
まとめ
シリアルキラー・ヘンリー・リールーカスの生まれた環境と残虐な母親の元での生活が彼の人生を決めてしまったというべき事件に他ならない....そんな感想を持ちました。やはりこの世の中で一番怖いものは「人」「人間」なのか、それでも一番愛し愛されるのも「人」ではないかと思いました。