黒夢独自のスタイルの『生前』!!
黒夢は、前身バンドGARNETの清春・人時・鋭葵とGERACEEの臣に
より1991年に結成されました。
DEAD END・ASYLUM・ZOA・G-Schmitt・Sadie Sads・ガスタンクなどを
フェイバリットに挙げる清春と人時。
44MAGNUM・D'ERLANGERなどをフェイバリットに挙げる臣。
一見、相反するかのように見える互いの要素は化学反応を起こし、他に類を見ない
ダークかつハードなサウンドとグロテスクな世界観を特徴とする黒夢独自のスタイルを
生み出しました。
当時の主流に迎合する事を嫌ったこの「よりダークでよりコア」な彼らのスタイルは、
ヴィジュアル系シーンに絶大なインパクトを与え、"名古屋系"と"コテ系"という2大派生
ジャンルへと発展していったのです。
王道を塗り替え、瞬く間にスターダムへとのぼりつめた黒夢。
そんな彼らが「中絶」「生きていた中絶児」のヒット、
オムニバス「EMERGENCY EXPRESS '93」への参加に続き、
満を持してリリースしたフルアルバムが本作「亡骸を...」なのです。
これまでパブリックイメージの殻を破り『脱皮』する!!
伝説の首吊りパフォーマンスや、過激な作品タイトル。
80年代インディーズシーンの系譜を受け継ぐ危うい雰囲気を纏っていた黒夢でしたが、
本作「亡骸を...」ではそういった当時のパブリックイメージから一歩踏み出し、
新たな境地を見せ始めました。
本作では初期のハードな側面はやや影を潜め、清春が持つ天性の声質とメロディーセンスを
活かした楽曲が半数を占めています。
またグロテスクな世界観も洗練されはじめ、「迷える百合達」で完成させるオリエンタルかつ
デカダンな黒夢へ変貌していく過程を存分に堪能する事ができます。
言わば、その後のメジャーデビュー作「迷える百合達」へ繋がる作品と言えるのです。