『あばしり一家』とは?
『あばしり一家』
OVA版『あばしり一家』
今回の記事では、こちらOVA版『あばしり一家』の内容を中心に振り返っていきます。
OVA版『あばしり一家』の本編動画・ストーリー
代々、犯罪行為で生計を立ててきた悪名高い亜馬尻(あばしり)一家。その長である駄ェ門は剣の達人ながら、テレキネシス・レビテーション・テレポートなどの超能力を自由自在に使いこなす最強の存在です。
さらに、長兄・五エ門は痴漢をやらせたら超人的な能力を発揮するスケベ、次兄・直次郎は人間離れした怪力をもっていて全国全ての高校の番長、末弟・吉三はあらゆるものを爆弾に加工する爆発物の専門家。唯一、家族で紅一点の長女・菊の助は地上最凶といわれる亜馬尻八神拳の使い手です。
これまで18代に渡って女子に恵まれなかった亜馬尻家は菊の助が生まれたことで、ヤクザ稼業から足を洗い、堅気として生きることを決意します。菊の助は、教養を高めるために学園生活を送ることに。しかし、入学した私立・セントパラダイス学園は生徒たちに殺人スキルを教え込むとんでもない場所でした―――。
OVA版『あばしり一家』の魅力とは?
映画『アウトレイジ』と同コンセプト
どちらも人間ドラマに比重を置いた内容ではあるものの、生き残りといった要素を全面に押し出した映画『アウトレイジ』、更生といった要素が強い『あばしり一家』、向かっていく方向はそれぞれ真逆ですよね。しかし、『あばしり一家』は時代を先取りしすぎたのかもしれませんね。
もし『あばしり一家』が映画『アウトレイジ』と同じタイミングで発表・連載していれば、そのコンセプトの類似性からもっと注目を集めたような気がします。そう考えてみると、永井豪さんという漫画家の非凡さを改めて実感させられる作品です。
グロテスク描写がたっぷり
主人公たちが極悪人という設定もあって、人を殺めるのをあまり悪いことだと認識していないような気がします。これはこれで問題作だといえるのかもしれませんが、その自由な発想で社会通念すらもひっくり返してしまうOVA版『あばしり一家』。そこにコンテンツとしての面白さがあるのだと思います。
現在なら少し叩かれてしまいそうな風潮もあるでしょう。1990年代ならではといった内容が新鮮で、そこに当時の時代背景や価値観といったものが表れていて面白いです。