【街角のメルヘン】ドラマチックな起伏をカット!あまりにも前衛的なアニメだと一部で話題!

【街角のメルヘン】ドラマチックな起伏をカット!あまりにも前衛的なアニメだと一部で話題!

1984年、OVA黎明期に発売された作品『街角のメルヘン』。芸術性に富んだアニメーションは、商業的には成功しなかったものの、現在でも多くのファンから伝説とされているコンテンツです。今回の記事では、そんな『街角のメルヘン』の本編動画やストーリー・魅力などを紹介していきます。


『街角のメルヘン』とは?

『街角のメルヘン』

東京の新宿といった都会を舞台にしながら、大人向けのメルヘンチックな物語を展開した『街角のメルヘン』。当時、VHS・LDといったんメディアで発売されたものの、商業的に成功せず、現在までDVD・ブルーレイ化は実現していません。
アニメーターとして『戦国魔神ゴーショーグン』『ミンキーモモ』『とんでも戦士ムテキング』などの制作に関わってきた故・首藤剛志さん。最近のアニメでは『ポケットモンスター』の脚本も担当されていたことも有名です。そんな首藤剛志さんが18歳のときに初めて脚本を書いたとされるのが『街角のメルヘン』です。
そのあまりにも大胆な内容は、当時のユーザーにはなかなか響かなかったみたい。しかし、当時を知るアニメファンの間では、隠れた名作だと評価する意見も少なくないようです。
ちなみに世界で3番目に発売されたOVA作品のようなので、アニメ史における歴史的な価値という意味でも要チェックのコンテンツといえるでしょう。

『街角のメルヘン』の本編動画・ストーリー

『街角のメルヘン』の魅力とは?

ミュージックビデオ的な構成?

悪い表現をすると、アニメとしての内容は薄っぺらいです。偶然、新宿駅で出会った二人のラブストーリーといった内容が展開されるも、そこにドラマチックな展開はなく、浩のもつメルヘンな世界観に少しずつ影響されていく裕子。

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登場人物が二人のみで構成されているところも、OVA『天使のたまご』と重なるポイント。
その他にも、ストーリー性よりメッセージ性、細かな描写や音楽との融和性という部分も、両者に共通していように思えます。
余計なことは考えず、感性のみで楽むといった斬新さが『街角のメルヘン』の魅力です。

あまり詳細を語らないストーリー

あまりにシンプルで詳細を語らなすぎて、展開に思考が追いつかないことも。本編の季節が秋を迎えるころ、突然、警察らしきものに捕まってしまう裕子ですが、その詳細は一切描かれておらず、あくまで視聴者の想像に委ねられています。
ここで演出したかったのは、浩と裕子の別れだったのでしょう。二人の距離感と冬の寒さをリンクさせるといった描写は斬新です。寒い冬が過ぎて春を迎える頃、二人は…
ユーザーの想像を膨らませるような手法は、受取り方も人それぞれ。結末すらも、ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、視聴者に委ねられているのも面白いです。

出演している声優陣にも要注目

浩を演じているのは、俳優として有名な…

どちらも声優としてのキャリアを積んだキャストではないところが意外です。プロの声優としての仕事ぶりより、素人っぽさを意図的に演出したかったのかもしれませんね。
永瀬正敏さんは現在も俳優として活躍されているものの、藤田紗江子さんは芸能界を引退されてしまっているようです。声優としてのお仕事も、この『街角のメルヘン』だけみたい。永瀬正敏さんも声優としての仕事は多くありませんんので、ある意味、希少価値があるといえるのかもしれませんね。

『街角のメルヘン』のまとめ

物語としてのアニメーションではなく、芸術性に比重を置いた『街角のメルヘン』。隠れた名作として、DVD・ブルーレイ化望むファンは多いようです。多くを語らず、ユーザーの想像に委ねるようなところも画期的な内容といえるでしょう。
声優としてはプロでない永瀬正敏さん・藤田紗江子さんといったキャストを起用しているのも『街角のメルヘン』の見逃せないポイントです。その演じぶりを聞き逃さないようになさってくださいね。
記事内には本編動画も掲載していますので、この機会にご覧になって、その魅力をご自身の目で確かめていただければと思います。原案者である首藤剛志さんは時代を先取りしすぎてしまったのだと、その才能の片鱗を感じられることでしょう。

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OVA 1984年

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