1985.阪神タイガース優勝劇 阪神が優勝すれば日本は変わる!バックスクリーン3連発、道頓堀ダイブ、カーネル・サンダースの呪い

1985.阪神タイガース優勝劇 阪神が優勝すれば日本は変わる!バックスクリーン3連発、道頓堀ダイブ、カーネル・サンダースの呪い

1985年、虎が長い眠りから覚めると、日本は熱狂のジャングルと化し、その優勝劇は、まさに「Tigers The Movie」、まるで映画のようでした。


1986年、前年の日本一チームは、開幕戦で3連敗。
その後、掛布雅之がデッドボールで右手首骨折、エース格の池田親興も踵を骨折するなど故障者が続出。
唯一、バースだけが好調をキープし2年連続3冠王となった。
チームは夏頃まで巨人、広島と首位を争ったが脱落して3位でシーズンを終えた。
1987年、開幕前に掛布、バースが相次いで交通違反。
4月後半に7連敗を喫し最下位に転落。
6月、掛布が腰痛で2軍落ち。
チーム打率.242の打線で最下位を独走。
最終的に4年ぶりにリーグ優勝した巨人に37.5ゲーム、5位の大洋にも15ゲーム離され、球団ワーストの勝率.331で9年ぶりの最下位に終わった。
阪神タイガースは、2年前の優勝が嘘のように低迷にあえいだ。
シーズン中、バースが雑誌のインタビューで吉田義男監督批判を行い、打撃コーチ補佐の竹之内雅史も吉田義男と采配などで対立し退団するなどチームの雰囲気は悪かった。
試合終了後、ロッカールームから出たときに向けられたカメラのフラッシュに嫌気がさした吉田義男は
「傘さしたろか?」
とつぶやいたが、翌日のスポーツ紙には
「傘刺したろか?」
と報道された。
シーズン終了後、吉田義男の退任と村山実の就任に決まると「祝」という見出しを付けた在阪のスポーツ紙もあった。
まるで21年ぶりに優勝に導いた功績がなかったような扱いだったが、球団は退任にあたり吉田義男の背番号を、藤村富美男、村山実に次いで3人目の永久欠番に指定した。
吉田義男は
「天国(優勝)と地獄(最下位)を体験した」
と「天地会」という親睦会をつくった。

このように1985年以降、阪神タイガースは、急激に弱体化し、冬眠しないはずの虎が穴にこもるように暗黒期を迎えた。
その原因は、優勝時に胴上げされた末、道頓堀川に投げ込まれたカーネル・サンダース像の呪いではないかと囁かれ始め、一部のファンは像が回収されるまで優勝は無理だと信じた。
1988年3月、ABCテレビの「探偵!ナイトスクープ」は、初回放送で「道頓堀に沈んだカーネル・サンダースを救え!」を企画。
槍魔栗三助(やりまくり さんすけ)探偵が、街で広まる「カーネル・サンダースの呪い」の伝説を追い、像を探し出し呪いを解こうとした。
翌4月も、このネタを2回放送し、計3回中2回、ダイバーが川に潜り1m²ずつ移動しながら数十m²にわたり川底をしらみつぶしに捜したが発見できなかった。
以後、呪いはより定着し、サンダース像は、阪神ファンの集いに貸し出されたり、ハッピを着せられたりした。


2002年6月24日、サッカーFIFAワールドカップ日韓大会、日本vsチュニジア戦が大阪の長居スタジアムで行われ、2対0で日本が初めて決勝トーナメント進出を決めた。
例によって大阪ミナミの戎橋は人で埋め尽くされお祭り騒ぎとなった。
そしてサッカー日本代表のユニフォームを着たサポーターが笑顔で道頓堀川に落ちていった。

2003年7月、阪神が首位を独走する中、大阪府知事:太田房江は
「マジックを順調に減らしている阪神と今回の清掃が無関係とはいわないが、大阪への注目度を上げるためきれいにしたい」
とし
「飛び込み奨励ではない」
とクギをさしつつ、ボート上から網でゴミをすくうなど道頓堀川の清掃作業を行った。
道頓堀川は、川側面に歩道を設ける工事が実施中で、橋には川は汚染が深刻であるため飛び込みを止めるようにと警告する看板が掲げられた。
その水からは100mmℓ当たり18000個以上の大腸菌が検出され、海水浴場の「不適」基準の18倍以上という調査結果が出ていた。
「一般細菌の数は1mmℓに660個。
なかなかハッキリとした例は難しいですが、例えばトイレの便器には10cm²あたり83個、便座には50個の一般細菌があるんです。
だから、飛び込むということは、便器に顔をなすりつけているようなものですね。」
(日本分析化学専門学校の報告)
同校副校長の佐藤智子氏
9月15日、阪神タイガースのセリーグの優勝が決まるかもしれないこの日、道頓堀川の戎橋には機動隊などの警察官300人が配置された。
それでも14時半、試合開始30分後、1人目が阪神勝利を確信しフライングダイブ。
星野仙一監督率いる阪神タイガースがリーグ優勝を決めると
「危険だからやめなさい!」
という警察の制止にも耳を貸さず、
「優勝!」
「最高!」
「飛び込まずにいられまっか」
と16日未明までに延べ5300人を超えるファンが道頓堀川に飛び込み、18年分のうっぷんを晴らした。
パリのセーヌ川のアルマ橋から川に飛び込んだり、ロンドンのトラファルガー広場で噴水に飛び込んだファンもいた。
ダイブ後は、体や服から異臭を放ち、タクシーにも乗れず銭湯にも入らせてもらえない上、2人が頭に軽傷、3人が救急車で搬送された。

2009年3月10日、道頓堀川の新戎橋(しんえびすばし)の下流約5m水深2mのヘドロの中からカーネル・サンダースの上半身が、翌日には下半身と右手が発見され、24年を経て救出された。

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