70年代を駆け抜けた向田邦子の魅力あふれる作品。その代表作がこちらです。

70年代を駆け抜けた向田邦子の魅力あふれる作品。その代表作がこちらです。

70年代、倉本聰、山田太一と並んで「シナリオライター御三家」と呼ばれ売れっ子だった向田邦子。ホームドラマといえば向田邦子の右に出る脚本家はそうは居ませんよ。その魅力あふれる代表作がこちらです。


向田邦子

向田邦子は遅筆で有名だったそうで多くの関係者を困らせていたと言われていますが、日本を代表する脚本家であることに間違いはありません。
更には、エッセイスト、小説家としても知られています。

ペンネーム:向田邦子、幸田邦子
誕生:本名に同じ 1929年11月28日
死没:1981年8月22日(51歳没)

向田邦子

知られていますも何も第83回直木賞を受賞しているほどですから立派な作家なわけですが、向田邦子といえばやはり脚本。70年代の向田作品は眩いばかりに光輝いています!
その実力は倉本聰、山田太一と並び「シナリオライター御三家」と呼ばれていたほどで、日本のホームドラマを代表する作品を数多く残しています。

だいこんの花

1952年、手芸関係の実用図書の出版を中心としていた雄鶏社に入社した向田邦子は、雑誌「映画ストーリー」の編集に従事するかたわら市川三郎のもとで脚本を学びます。
1960年にフリーライターとして独立し、1962年にラジオドラマ「森繁の重役読本」の脚本を執筆。そして、1964年にいよいよテレビに進出し「七人の孫」を手掛けることになります。「七人の孫」の主役は森繁久彌です。森繁久彌は早くも向田邦子の才能を高く評価していたのだそうですよ。
そして70年代の幕が上がります。70年代最初の作品は「だいこんの花」です。

脚本:松木ひろし、向田邦子 他
演出:山内和郎 他
出演者:竹脇無我、加藤治子、森繁久彌 他

だいこんの花

「だいこんの花」は大ヒットし、1970年から1977年にわたり5部(今風にいうとシーズン5かな)が制作されました。
出演者は森繁久彌をはじめ、竹脇無我、川口晶、いしだあゆみ、加藤治子などなどその後の向田邦子の作品でもお馴染みとなる役者が揃っています。
他にも松山英太郎、三ツ木清隆、ミヤコ蝶々、金子信雄といった味のある役者が多数出ていますが、向田作品に限らず当時のホームドラマには欠かせない人たちですね。こうした役者が作品に深みというか奥行きを与えているんだと思います。

時間ですよ

1971年、「鬼退治」に続いて脚本を担当したのは「時間ですよ」の第2シリーズです。代表作のひとつですね。因みに「時間ですよ」は、1965年7月4日に単発物として放送され、第1シーズンが始まったのは1970年2月4日でした。
で、第2シーズンは、1971年7月21日~1972年3月15日まで全35話放送されています。

放送期間:1971年7月21日~1972年3月15日
脚本:小松君郎、松田暢子、柴英三郎、向田邦子
音楽:山下毅雄

出演:森光子、船越英二、松山英太郎、松原智恵子、悠木千帆、堺正章、紀比呂子、天地真理

時間ですよ

下町の人情噺はモチロン良いのですが、マチャアキと悠木千帆の掛け合いが最高でしたね。そして何より銭湯ですからね、ヌードシーンですよ「時間ですよ」は。この作品を見て銭湯に就職したいと思った若者が星の数ほどいたと思います。

第3シーズンは、1973年2月14日から1973年9月5日まで全30話が放送され、ここでも向田邦子は脚本を書いていますが、「時間ですよ」の脚本は複数の脚本家が分け合って書いていて、まだ向田邦子はメインではありません。
メインとなるのは、1974年10月16日~1975年4月9日まで全26話放送された「時間ですよ 昭和元年」ですね。

パパと呼ばないで

「時間ですよ」の後、1971年「七つちがい」、1972年、「新・だいこんの花」第2シリーズ、「桃から生まれた桃太郎」、「おかめひょっとこ」ときて、10月4日から「パパと呼ばないで」が始まります。

脚本:松木ひろし、向田邦子 他
監督:千野皓司 他
出演者:石立鉄男、杉田かおる、松尾嘉代、大坂志郎、三崎千恵子 他

パパと呼ばないで

関連する投稿


是枝裕和監督のメガホンで蘇る!向田邦子原作ドラマ「阿修羅のごとく」の写真集が刊行!!

是枝裕和監督のメガホンで蘇る!向田邦子原作ドラマ「阿修羅のごとく」の写真集が刊行!!

青幻舎より、2025年1月9日にNetflixで世界独占配信された「阿修羅のごとく」の撮影を担当した写真家・瀧本幹也が撮影と並行してとらえた数々のカットを一冊に収めた写真集『写真 阿修羅のごとく』が刊行されます。


是枝裕和監督のメガホンで蘇る、向田邦子原作ドラマ「阿修羅のごとく」!『写真 阿修羅のごとく』が刊行!!

是枝裕和監督のメガホンで蘇る、向田邦子原作ドラマ「阿修羅のごとく」!『写真 阿修羅のごとく』が刊行!!

青幻舎より、写真家・瀧本幹也による単行本『写真 阿修羅のごとく』の発売が決定しました。発売予定日は2025年1月21日、価格は3300円(税込)。


山田太一さん追悼ドラマ「山田太一スペシャル2005 いくつかの夜」が再放送!緒形拳さんも出演の名作!

山田太一さん追悼ドラマ「山田太一スペシャル2005 いくつかの夜」が再放送!緒形拳さんも出演の名作!

2023年11月に逝去した脚本家・山田太一さんを偲び、2005年に放送されたCBC製作のドラマ「山田太一スペシャル2005 いくつかの夜」が再放送されます。


【訃報】脚本家・山田太一さん死去。「ふぞろいの林檎たち」「岸辺のアルバム」「早春スケッチブック」など

【訃報】脚本家・山田太一さん死去。「ふぞろいの林檎たち」「岸辺のアルバム」「早春スケッチブック」など

「ふぞろいの林檎たち」など数多くのドラマで知られる脚本家・山田太一さん(やまだ たいち)が先月29日、老衰のため神奈川県川崎市内の施設で亡くなっていたことが明らかとなりました。89歳でした。


フルハウスやアルフのシットコム編!90年代にヒットした海外ドラマ5選

フルハウスやアルフのシットコム編!90年代にヒットした海外ドラマ5選

海外ドラマデビューはシットコムからという方は多くいるのではないでしょうか。シットコムとはシチュエーション•コメディの略で、有名な作品では「フルハウス」や「アルフ」があげられます。今回は90年代にヒットした海外ドラマのシットコム編5選をまとめたいと思います。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。