【西武VSヤクルト】「智将・森祇晶VS野村克也のID野球」1992、93年の日本シリーズ同一カードは1勝1敗に終わる!

【西武VSヤクルト】「智将・森祇晶VS野村克也のID野球」1992、93年の日本シリーズ同一カードは1勝1敗に終わる!

92、93年の日本シリーズを憶えていますか?ともに智将と呼ばれた両監督の激しい戦いは、派手さはなくとも強い両チームを体現していましたね。そんな森、野村両監督について振り返ります。


森西武の野球の凄みをよく示すエピソードは巨人と対決した1987年の日本シリーズ第6戦であろう。この試合、8回裏二死から辻発彦が安打で一塁に出塁した。この二死一塁の場面で、続く秋山幸二はセンター前へ安打を放つ。

ところが巨人の中堅手ウォーレン・クロマティの緩慢な返球の間に辻はなんと一気にホームまで駆け抜けて西武が得点してしまった。実は森はじめ西武側は、クロマティの送球に難がありながら、そのことに巨人が何も手を打っていないことを事前のデータ収集とミーティングで知り抜いていた。

その緻密な事前研究を監督の森が選手各人に徹底していたことがこの辻の劇的な好走塁に結びついたのである。このシリーズは、事前予想では攻撃力に勝る巨人の優位といわれていたが、この辻の走塁にみられる西武の緻密なディフェンス野球が逆に巨人を圧倒し、西武が2年連続日本一を獲得している。

当時の主力選手の一人だった辻が自著「プロ野球 勝つための頭脳プレー」で語ったところによると、試合でエラーをして落ち込んだ辻のところに深夜、森から気遣いの電話があったり、遠征先や合宿先で選手が食事に満足しているかどうかを気にして尋ねたりということがよくあったという。

広岡の監督時代も経験した辻によれば「広岡さんは選手をほめることがそもそもなくてそれが持ち味だった監督だけど、森さんは選手のいいプレーを必ずミーティングでほめてくれた」という。また選手達がゲームボーイなどの新しい遊び道具に熱中しているのをみると、叱るより前にまず森自身が買ってやってみて、その面白さを自分で体感してから「ほどほどにしなさいよ」というような穏当な理解者の面ももっていた。

森は選手の管理について「時代背景というものはどんどん変わっていく。若い選手の時代背景を理解しないままに、『あれをやってはいけない・これをやってはいけない』ということは指導者として絶対に言ってはいけないことだ」と言っている。

また有名な逸話として、優勝時にチャンピオンフラッグを持って球場を一周するときの様子があげられる。通例ではたいてい監督がフラッグを持って先頭を歩くものだが、森はそれをせず、石毛宏典・辻などの主力選手にフラッグを持たせ、自身は常に列の一番後ろを歩いていた。これは「選手が主役、監督は脇役」のポリシーを森がずっと持っていたことを示している。

清原和博をルーキーイヤーの年から、周囲の批判に抗してスタメンで使い続けたのは森の強い意向による。コーチ陣や野球評論家の多くは清原を二軍でしばらく鍛えることを主張していた。しかし森は清原のスター性からして、華やかな実戦舞台で使い続けた方が伸びるというふうに判断した。

開幕当初は不振だった清原であるが、次第に森の期待に答え始め、ついに新人王を獲得、プロ野球を代表する選手になっていく。清原は今なおこのときの森の起用を深く恩義に感じており、今でも森とは家族ぐるみでの付き合いが続いている。2005年の森の野球殿堂入りのときは祝賀式にかけつけ、一番に森に対し祝辞を述べている。

名将に倣う

野村語録

座右の銘は「忍」

ともに派手さはありませんでしたが、たしかに強いチームを率いた名将でした。

関連する投稿


赤ヘル黄金期の伝説が神保町に!髙橋慶彦氏のトーク&サイン会開催、昭和カープの“ヤバい”秘話も解禁

赤ヘル黄金期の伝説が神保町に!髙橋慶彦氏のトーク&サイン会開催、昭和カープの“ヤバい”秘話も解禁

広島東洋カープの黄金期を支えたレジェンド、髙橋慶彦氏の自伝『赤き球団の魂 髙橋慶彦』の発売を記念し、1月29日に神保町・書泉グランデでイベント開催が決定!昭和プロ野球の衝撃的な裏話や、スパルタ指導の真相などが語られる本書。当日はトークショーやサイン会も行われ、ファン必見の一夜となりそうです。


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


【野球選手から俳優!?】板東、長嶋、イチロー・・・人気ドラマに出演した元プロ野球選手!

【野球選手から俳優!?】板東、長嶋、イチロー・・・人気ドラマに出演した元プロ野球選手!

プロ野球選手が引退後、タレントとして新たな道を歩むケースは数多く見られます。その中には、俳優業にまで進出し、映画やドラマで活躍する人も少なくありません。今回は筆者の独断と偏見に基づき、人気ドラマに出演した元プロ野球選手の中から、特に印象に残っている面々をご紹介します。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

NHK「おかあさんといっしょ」の人形劇コーナーとして1982年から1992年までの10年間にわたり放送され、累計2,000話以上の物語が制作された人気シリーズ『にこにこ、ぷん』が、令和の時代に新たなかたちで帰ってきます。


最新の投稿


全高65cmの衝撃!アシェットから『週刊 勇者ライディーンをつくる』創刊。光と音のギミックも搭載

全高65cmの衝撃!アシェットから『週刊 勇者ライディーンをつくる』創刊。光と音のギミックも搭載

アニメ放送50周年を記念し、アシェット・コレクションズ・ジャパンから『週刊 勇者ライディーンをつくる』が2026年2月18日に創刊されます。全高65cmのフルメタルボディで、必殺技の再現や「ゴッド・バード」への変形機構を実装。発光・BGM・セリフ再生など、大人の所有欲を満たす豪華ギミック満載のシリーズです。


牧伸二&立川談志の共演作も!CS衛星劇場で「映画秘宝」厳選の松竹秘蔵映画4作品を2・3月特集放送

牧伸二&立川談志の共演作も!CS衛星劇場で「映画秘宝」厳選の松竹秘蔵映画4作品を2・3月特集放送

CS放送「衛星劇場」にて、2026年2月・3月に特集『「映画秘宝」セレクション ~松竹秘蔵作品特集~』の放送が決定。雑誌「映画秘宝」が厳選したものの、諸事情により映画祭から外れた幻の4作品をピックアップ。テレビ初放送となる羽仁進監督の官能作や、牧伸二・立川談志ら豪華キャストが集結したコメディなど必見です。


揚げパン無料!クジラから3Dフードプリンターまで「学校給食タイムトラベル」イベントが東京で開催

揚げパン無料!クジラから3Dフードプリンターまで「学校給食タイムトラベル」イベントが東京で開催

懐かしの「クジラの竜田揚げ」や「揚げパン」、さらに3Dフードプリンター製の最新デザートまで!株式会社中西製作所は、2026年1月27日・28日に学校給食の無料試食イベント「第2回給食タイムトラベラー」を東京で開催します。新旧のメニューを食べ比べながら、給食の歴史と未来を親子で体験できる注目イベントです。


『りぼん』おとめチックの金字塔!陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子の画業を辿る決定版書籍が発売

『りぼん』おとめチックの金字塔!陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子の画業を辿る決定版書籍が発売

1970年代後半に『りぼん』で巻き起こった「おとめチック」ブーム。その中心的存在である陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子の3作家を特集した決定版書籍が2026年1月23日に発売されます。カラーイラスト250点以上に加え、池野恋、水沢めぐみの特別寄稿や豪華対談も収録。乙女たちの憧れが詰まったファン待望の一冊です。


昭和100年メモリアル!トキワ荘通りで「レトロ家電だョ!全員集合」開催中。三種の神器や体験型展示も

昭和100年メモリアル!トキワ荘通りで「レトロ家電だョ!全員集合」開催中。三種の神器や体験型展示も

東京都豊島区の「トキワ荘通り昭和レトロ館」にて、企画展『レトロ家電だョ!全員集合』が2026年2月15日まで開催されています。昭和30年代の「三種の神器」をはじめとする懐かしの家電が集結。再現されたダイニングや洗濯体験ワークショップなど、見て・触れて・楽しめる、世代を超えて昭和文化を体感できるイベントです。