「たかなシアター六番街」-「フルメタル・ジャケット」-

「たかなシアター六番街」-「フルメタル・ジャケット」-

たかなシアター六番街、今回は皮肉とブラックさたっぷりの斬新な戦争映画「フルメタル・ジャケット」をお届けします。


ゴールデンウィークって何だったんだ?と思いながら、パチパチと原稿を書いているたかなし亜妖です。



元々連休なんて関係ない仕事をしていますが、StayHomeしすぎて曜日感覚は狂うわ、永遠に書いてるわで……大型連休感はゼロでしたの( ;∀;)



ただ映画やアニメ、漫画をたっぷり楽しめる時間はあるから、そこはいい部分かなと。



ライターになる少し前「フルメタル・ジャケット」を観た時のインパクトが強すぎて、再度挑戦したら……興奮が止まらなかったです。



ぜひおうち時間に観てはいかがでしょうか?戦争映画への概念が、変わるかもしれませんよ

フルメタル・ジャケット

キューブリックの風刺たっぷりの作品

「フルメタル・ジャケット」が日本で公開されたのは1988年。「ショート・タイマーズ」という小説が原作です。



戦争映画と聞けば「私は貝になりたい」とか、「戦場のピアニスト」とか、ああいった涙なしでは観られないものを想像しがち。



ですが本作は感動要素はほぼなし、皮肉とブラックさたっぷりの斬新な戦争映画となっているのです。



全編通して言葉がとにかく汚いので笑、人によってはちょっとびっくりしてしまうかもしれませんね。



「クソ」と「マラ」のオンパレードで、後半は段々見慣れてくるのもコワイところだ……( ;∀;)



キューブリック独特の「伝わりづらいメッセージ性」により、鑑賞後は様々な意見が飛び交うことでしょう。



ワタクシはあまり感動系&戦争映画は得意でないので、「フルメタル・ジャケット」のような新鮮な作品は珍しくてスキです。

二部構成のストーリー

作品は二部構成になっておりまして、前半パートは海兵隊の訓練所での様子を、後半ではベトナム戦争の地へ降り立つ姿が描かれています。



ベトナム戦争真っ只中、アメリカの海兵隊に入隊したメンズたち。これから厳しい訓練が待ち受けているのです。



鬼教官のハートマン軍曹。初日から檄を飛ばしいかにも「軍曹」らしい出で立ちですね。

「お前らは両生動物のクソをかき集めた値打ちしかねーんだ!」と言っています。言葉が汚すぎて絶句しますけど。笑



とにかくハートマンは体罰、罵倒は当たり前の超ハードな訓練を青年たちへ課せるのです。遅れをとれば厳しい叱責が待っています。



しかしそんな中でも、目をつけられてしまうのが……



ぽっちゃり男子(ほほえみデブと呼ばれているけれど)のレナード。

体型が体型ですから身体能力は低く、マイペースな性格が仇となりハートマンにめちゃくちゃシゴかれるのです。相手を煽る、この言葉のチョイスが天才的すぎませんか?笑





挙句の果てに主人公のジョーカーはレナードの面倒を見させられることに。



非常に厳しい毎日ですので、当然ストレスがないわけではありません。



そこへレナードがドーナツを隠し持っていた!(おデブらしいエピソードだ)というトラブルまで起き……一同は連帯責任を取らされます。



しびれをきらした青年たちは夜中に一発ずつ、おデブちゃんに攻撃しまくり。

普通に考えたらリンチですし可哀そうなのですが、ちょっとテンポが良くてクスリときちゃうシーン。急いでベッドに戻っていく青年達も、コソコソした感じが出まくっていていいですね。



無事に彼らは訓練所を卒業できるのでしょうか。しかし最後の最後で、とんでもない事態が待ち受けていますけど……。

いざ、ベトナム戦争へ

戦争の地へ足を踏み入れ、ジョーカーは報道部員になっていました。



二部の序盤はベトナム戦争も終盤となっており、立ちんぼのおネエちゃんと一戦交えようとしたり、落ち着いた日々を過ごしています。



しかし攻撃は再会し、カメラマンのラフターマンと共にフエ市へ向かうことに。



するとジョーカーはそこで、訓練所時代のカウボーイと再会。彼が属する隊に交じって行動することになりますが……

だいぶ個性的なヤツしかいません。



全員名前がエイトボールとか、アニマルマザーとかあだ名で呼ばれているので覚えやすいような覚えづらいような……。笑

基本彼らは「雄豚」「豚マラ」とまとめて呼ばれることが多いです。もう本当に言葉が汚いなぁ!!!!!!!



ここから戦争シーンが本格的に始まり、彼らの生死をかけた戦いが始まります。



戦争の悲しさをただ伝える作品ではなく、戦による凶暴性や人間の底がよく見える映画と言えるでしょう。



狂気的と言えば、狂気的なのかもしれません。戦争で生き延びるには何かを欠落させなくては、残れない。そんな深いメッセージがひしひしと伝わってきます。

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