『はじめの一歩』とは?
はじめの一歩
青木勝VS今江克孝
主人公・一歩の先輩にとって、鴨川ジムの先輩である青木勝。とうとう彼にも日本タイトルに挑戦するチャンスが巡ってきて、普段は脇役として主人公・一歩を支えている青木にフォーカスが当たる展開となります。
同期である木村は過去に日本チャンピオンである間柴との死闘を演じましたが、いよいよ青木の出番が回ってきたという感じです。
青木の試合までの努力
一歩と同じくファイタースタイルで戦うボクサーですが、戦績はパッとせず、中途半端な印象の強いキャラクターで、どちらかというと、お笑い担当といったイメージが先行してしまいます。
それもそのはず、鴨川ジムに所属するボクサーと中でも唯一、彼女のいる存在。しかし、ブス専という設定があるため、青木の恋人であるトミ子はお世辞にも美人とは言えません。
そういった背景が青木の人物像をお笑いの方向に導いており、その点においては、初めてのタイトルマッチを迎える今回の試合でもブレることはありません。
身体づくりでは、増量しすぎてデブになってしまったと思えば、今度は減量しすぎてガリガリになってしまうという場面も見られます。こんなキャラクターだからこそ、どのような試合展開になっていくのか楽しみになってしまい、読者を本編に惹きつけてしまうのです。
青木のテクニック&必殺ブロー
青木の必殺ブローといえば、真っ先に思い浮かべるのはカエルパンチ。しゃがみこむことで下半身のバネをつかい、カエルのように飛び上がるように打つ必殺ブローです。全身のパワーが拳に集約されるため、意外と高い威力を誇ります。
実在のプロボクサーで、世界タイトルをも獲得した輪島功一さんが編み出したパンチですが、実践で使用したのは一回のみです。実用性という点においては、意表をつくといった意味では効果的な攻撃ですが、モーションが大きいため、対戦相手は容易にかわせてしまうというデメリットがあります。
さらに、青木には、きりもみコークスクリューやダブルパンチといった攻撃があります。コークスクリューというと拳を捻じり込んで破壊力を増す高等テクニックですが、青木の場合は見掛け倒しなので、威力は普通のストレートと同等のものです。ダブルパンチについては、両方の拳を同時に打ち出す攻撃ですが、腰の入ったパンチではないことから、なかなか有効打にはつながらないものといえます。
他には『死んだふり』というような、対戦相手を惑わせる駆け引きを得意としています。
前項でも記載していますが、青木はボクサーとして真面目に戦っているように思えないですよね。
今回のタイトルマッチでは、青木は今の武器ではチャンピオンに勝てないと考え、新たに強力な必殺技を開発して実戦投入するようです。
今江克孝の強さ
ボクサーとしては地味で、玄人好みのファイトをするスタイルです。飛び抜けた才能こそありませんが、努力で日本タイトルを勝ち取ったチャンピオンといえるでしょう。
このことからも分かるように、性格的にも真面目で、挑戦者である青木とは対象的な印象をもつ存在です。
青木との共通点
青木の恋人であるトミ子は決して美人と呼べる女性ではないと紹介させていただきましたが、その点においては、今江にも同様のことが言えます。本編では『ブス専』という言葉が用いられていますが、今江と青木は顔が整った綺麗な女性を好まないといった共通点があったのです。
努力家の今江に対して研究家の青木。違うようでいて、才能のない者同士として、挫折しながらも、必死に対戦相手に勝つための術を磨いてきたというボクサーとしての根本的なところも共通したものがあります。
青木VS今江の試合展開
やはり青木は真面目に試合しているように思えなくて、笑えてしまう場面です。しかし、青木は至って真剣であり、ウケ狙いで試合しているわけでありません。このスタイルで、本気で日本チャンピオンである今江を倒すつもりでいるのです。
青木が天然なのは今に始まったことではありませんが、天然もここまでになると、これはこれで青木のもつ才能のような気がしてきます。
カエルパンチを完全攻略する今江
青木はとうとうカエルパンチを打ちますが、今江は間一髪のところでかわします。しかし、今江はカエルパンチの風を切り裂くような音を聞き、カエルパンチが強力な必殺ブローであることを悟るのでした。
試合に向けて、必死にカエルパンチ対策の練習を積んできた今江。二発目のカエルパンチには痛烈なカウンターを浴びせて、青木からダウンを奪ってみせます。
青木はダウンから立ち上がってみせますが、足はガクガク震えていてダウン寸前のようです。
今江のラッシュ
青木はやすやすとコーナーまで追い込まれ、立っているだけで精一杯といった様子。今江は青木を倒すためにラッシュを仕掛けますが、ヘロヘロのはずの青木を仕留めらません。
ラウンド終了のゴングが鳴ると、さっきまで力なくラッシュに耐えていた青木は、背筋を伸ばし、スタスタと歩いて自分のコーナーに戻っていくのでした。
『死んだふり』を警戒して慎重な姿勢を見せた今江でしたが、青木がダウンしたことで、力尽きる寸前だと思い込んでしまいました。しかし、ダウンしたのも青木の策略のひとつで、『死んだふり』を効果的に活かすため、わざと踏ん張れたのにダウンしてみせたのです。ボクシングではダウンしてしまうとポイントが奪われてしまうので、判定で不利になってしまいます。そのため、わざとダウンする選手なんて居ません。ところが青木はそれほどのリスクを背負ってまで、意図してダウンしたことで『死んだふり』による効果を最大限に高めていたのです。
しかし、ラウンド終了のゴングまで、今江の猛攻を防ぎきった青木。ガードしたとはいえ、今江のパンチが全く効いてないということもありません。スタスタ歩いて体力・スタミナに余裕があるように見せていますが、これは『死んだふり』とは逆の『生き返ったふり』でもありました。
青木の新しい必殺技
リングサイドで応援した観客ですら、青木がどんな必殺技を出したのか、その実態を捉えた人は僅かでした。それほど青木が繰り出した必殺技は、それほどまでに度肝を抜くほどのものだったといえるでしょう。
しかし、今江は必死でダウンから立ち上がり、試合は継続されます。青木は今江を仕留めるため、出し惜しみをせず、再び新しい必殺技を出そうとします。
青木の日本タイトルへの初挑戦となる試合の結末はどのような結果を迎えるのでしょうか。今回の青木の新必殺技は、本当に青木らしく、見る者を唖然とさせるものです。面白くて思わず笑ってしまう技ですが、される方としては恐ろしくて仕方ないのではないでしょうか。
続きに関しては、ご自身の目で、原作コミックなどをご覧になって確認していただければと思います。
青木勝VS今江克孝 戦のまとめ
今回の記事で紹介した青木VS今江の試合はアニメ化されていて、原作コミックだけではなく、映像でも存分に楽しむことができるんです。
Amazonプライムで本編を視聴することもできますので、ぜひご覧になってみてください。
対照的のようでいて、じつは似た者同士だった両者の戦い。試合の結末も気になりますが、これまでの努力の積み重ねが伝わってきて、心に響くものがありますよね。今江と元彼女とのお付き合いの行方についても見逃せません。
ぜひこの機会に原作コミックやアニメ版の『はじめの一歩』、青木VS今江の試合をご覧になってくださいね。