ソニックユース
ビートルズのように一般的に広く知られ、同業者にも大きな影響を与えているというミュージシャンが居ますが、世の中には一般的には知られていなくても、最重要と位置付けられているアーティストってのがいるものです。そういったアーティストは同業者には多くの影響を与えているんですよね。ソニックユースはそんな感じの代表ではないかと思います。
Sonic Youth
特に日本においては多くの人がソニックユースの存在すら知らないのではないかと思います。大ヒット曲があるわけではありませんし、とっつきやすいとは言い難い音楽であることは間違いありませんからね。
なので、音楽的には多くの人にお勧めは出来にくいのですが、アルバム・ジャケットにおけるセンスの良さは一見の価値ありです!これは誰にでも楽しむことが出来ますよ。
デイドリーム・ネイション
最初に見ていただきたいのは、ソニックユース5枚目のアルバム「デイドリーム・ネイション」です。このジャケットにはドイツの画家ゲルハルト・リヒター(1932─)の作品が使われています。
現在、世界で最も注目を集める芸術家ゲルハルト・リヒター。非常に下世話ですが、ゲルハルト・リヒターをご存じない方には、オークションにおいて「アプストラクテス・ビルト(809-4)」という彼の作品が生存する画家の作品としては史上最高額の約26億9000万円で落札されていると言うと、その凄さがお分かりいただけるのかもしれません。
因みにこの作品の所有者は、エリック・クラプトンでした。
デイドリーム・ネイション
このロウソクの作品はシリーズになっていて、いくつかのパターンがあります。画集にも収録されていますし、ポスターも各種作られていますよ。
そして「デイドリーム・ネイション」ですが、ソニックユースにとってインディ時代の最終作にして集大成的な作品になっています。
初期の代表曲といえばやはりコレ「ティーン・エイジ・ライオット」でしょう。ポップです。ロックンロールです。聴きやすいです。
「デイドリーム・ネイション」以前のアルバムジャケットはどうだったかと言いますと、それらもやっぱりイイんですよ。大御所リチャード・アベドンの作品を無断借用(現在黒塗り)した「シスター」や、チコーネユース名義で出した「ホワイティアルバム」はマドンナの顔のアップだったりします。
GOO
ソニック・ユースのメジャー・デビュー・アルバム「GOO」。ソニックユースのことを知らなくても、音楽ファンでなくても、このアルバムジャケットを目にしたことがあるという方は結構いるのではないでしょうか?このジャケットのTシャツを着ている人を街中で見かけることがたまにありますからね。
アートワークはレイモンド・ペティボーン。描かれているのはフロントマンのサーストン・ムーアと、その妻でベーシストであるキム・ゴードンかと思いきや、そうではありません。
イギリスで60年代に起こった連続猟奇殺人事件の共犯者の妹モリーン・ヒンドレーとその夫デヴィッド・スミスです。
センセーショナルなモチーフですねぇ。でもって印象深い絵です。レイモンド・ペティボーンはカリフォルニア在住の美術家で、独特のドローイングを描きつづけています。
で、アルバムの方はと言うと、さすがにメジャーです。音がイイ。ノイジーな曲でもチープさがありません。また「クール・シング 」ではゲストに、パブリック・エナミーのチャックDが参加しているという豪華さです。