ソニックユースのジャケットは、どれもこれも個性的なアーティストが手掛けています。

ソニックユースのジャケットは、どれもこれも個性的なアーティストが手掛けています。

ソニックユースはあまり一般的なバンドではない。聴き手を選ぶと言っていいでしょう。しかし、彼らのアルバムジャケットは音楽に興味がない人が見ても面白いですよ。毎回個性的なアーティストが手掛けていますからね。思わずコレクションしたくなるはずです。


ソニックユース

ビートルズのように一般的に広く知られ、同業者にも大きな影響を与えているというミュージシャンが居ますが、世の中には一般的には知られていなくても、最重要と位置付けられているアーティストってのがいるものです。そういったアーティストは同業者には多くの影響を与えているんですよね。ソニックユースはそんな感じの代表ではないかと思います。

サーストン・ムーア(ギター、ボーカル)
キム・ゴードン(ベース、ギター、ボーカル)
リー・ラナルド(ギター、ボーカル)
スティーヴ・シェリー(ドラム)

2006年から加入 マーク・イボルド(ベース)

Sonic Youth

特に日本においては多くの人がソニックユースの存在すら知らないのではないかと思います。大ヒット曲があるわけではありませんし、とっつきやすいとは言い難い音楽であることは間違いありませんからね。
なので、音楽的には多くの人にお勧めは出来にくいのですが、アルバム・ジャケットにおけるセンスの良さは一見の価値ありです!これは誰にでも楽しむことが出来ますよ。

デイドリーム・ネイション

最初に見ていただきたいのは、ソニックユース5枚目のアルバム「デイドリーム・ネイション」です。このジャケットにはドイツの画家ゲルハルト・リヒター(1932─)の作品が使われています。

現在、世界で最も注目を集める芸術家ゲルハルト・リヒター。非常に下世話ですが、ゲルハルト・リヒターをご存じない方には、オークションにおいて「アプストラクテス・ビルト(809-4)」という彼の作品が生存する画家の作品としては史上最高額の約26億9000万円で落札されていると言うと、その凄さがお分かりいただけるのかもしれません。
因みにこの作品の所有者は、エリック・クラプトンでした。

  1. ティーン・エイジ・ライオット
  2. シルヴァー・ロケット
  3. ザ・スプラウル
  4. クロス・ザ・ブリーズ
  5. エリックス・トリップ
  6. トータル・トラッシュ
  7. ヘイ・ジョーニ
  8. プロヴィデンス
  9. キャンドル
  10. レイン・キング
  11. キッサビリティ
  12. トリロジー a)ザ・ワンダー b)ハイパーステーション c)エリミネーター・ジュニア

デイドリーム・ネイション

このロウソクの作品はシリーズになっていて、いくつかのパターンがあります。画集にも収録されていますし、ポスターも各種作られていますよ。

ゲルハルト・リヒター【ポスター 】

Gerhard Richter(ゲルハルト・リヒター)のポスターをご覧いただきありがとうございます。アメリカの美術館で販売されていたポスターです。たいへん珍しいものです。版元より購入の本物です。当人保管の未使用となります。サイズは762 mm × 610 mm。国内(東京都)からの発送

そして「デイドリーム・ネイション」ですが、ソニックユースにとってインディ時代の最終作にして集大成的な作品になっています。
初期の代表曲といえばやはりコレ「ティーン・エイジ・ライオット」でしょう。ポップです。ロックンロールです。聴きやすいです。

「デイドリーム・ネイション」以前のアルバムジャケットはどうだったかと言いますと、それらもやっぱりイイんですよ。大御所リチャード・アベドンの作品を無断借用(現在黒塗り)した「シスター」や、チコーネユース名義で出した「ホワイティアルバム」はマドンナの顔のアップだったりします。

GOO

ソニック・ユースのメジャー・デビュー・アルバム「GOO」。ソニックユースのことを知らなくても、音楽ファンでなくても、このアルバムジャケットを目にしたことがあるという方は結構いるのではないでしょうか?このジャケットのTシャツを着ている人を街中で見かけることがたまにありますからね。

1. ダーティ・ブーツ 
2. テュニック
3. メアリー・クライスト 
4. クール・シング 
5. モート 
6. マイ・フレンド・GOO 
7. ディサピアー 
8. ミルドレッド・ピアス
9. シンデレラス・ビッグ・スコア
10. スクーター・アンド・ジンクス 
11. ティタニウム・エクスポーズ

アートワークはレイモンド・ペティボーン。描かれているのはフロントマンのサーストン・ムーアと、その妻でベーシストであるキム・ゴードンかと思いきや、そうではありません。
イギリスで60年代に起こった連続猟奇殺人事件の共犯者の妹モリーン・ヒンドレーとその夫デヴィッド・スミスです。

モリーン・ヒンドレー(左)
デヴィッド・スミス

センセーショナルなモチーフですねぇ。でもって印象深い絵です。レイモンド・ペティボーンはカリフォルニア在住の美術家で、独特のドローイングを描きつづけています。

Amazon | Raymond Pettibon (Rizzoli Classics) | Rugoff, Ralph, Storr, Robert, Kelley, Mike, Lethem, Jonathan, Scott, Kitty | Surrealism

で、アルバムの方はと言うと、さすがにメジャーです。音がイイ。ノイジーな曲でもチープさがありません。また「クール・シング 」ではゲストに、パブリック・エナミーのチャックDが参加しているという豪華さです。

ジャケットの右上に手書きで書かれている文章を訳すと、「妹の彼氏を盗んだ。それは旋風と熱と閃光。1週間のうちに僕たちは両親を殺して逃亡した」。なんだかなぁ。怖いですね。

ダーティ

「GOO」に続いて1992年にリリースされた「ダーティ」。ポップです。力強く狂暴でありながらも美しく繊細なノイズが満載で、名盤との誉れ高いアルバムです。で、このジャケットもまた印象的。現代美術家マイク・ケリー(1954年10月27日 – 2012年1月31日)の作品です。

1. 100% 
2. スウィムスート・イシュー
3. テレサズ・サウンド・ワールド
4. ドランクン・バタフライ
5 . シュート 
6. ウィッシュ・フルフィルメント
7. シュガー・ケイン [Clean] 
8. オレンジ・ロールズ,エンジェルズ・スピット
9. ユース・アゲインスト・ファシズム
10. NicFit 
11. オン・ザ・ストリップ
12. チャペル・ヒル
13. JC
14. パー
15. クレーム・ブリュレ

ダーティ

カワイイですよねぇ。しかし、マイク・ケリーは使い古したぬいぐるみばかりを作品にしているわけではありません。ドローイング、コラージュ、モニュメント、ビデオ・アート、パフォーマンスなど多岐に渡った作品を発表しています。

マイク・ケリー作品集: MIKE KELLEY: MEMORY WARE

アメリカのアーティスト Mike Kelley(マイク・ケリー)の作品集「MEMORY WARE」です。マイク・ケリーの 「Memory Ware」 シリーズは、アーティストの後半のキャリアに影響を与えた記憶に関する懸念をテーマにした取り組みを具体化しています。ケリーは、過去を記憶し、表現し、再構築する習慣を探求することに専念しました。ケリーは、アメリカ南部とビクトリア朝のイギリスの黒人コミュニティで人気のある民フォークアートの一種のタイプから「memory ware(思い出の器)」というフレーズを借用しました。 このフォークアートでは、瓶、花瓶、ランプなどの一般的な家庭用容器の表面が、粘土の中に鍵、ボタン、貝殻、ビーズなどの小さな身の回り品や記念品で覆われています。ケリーは2000年にトロントの骨董品見本市で最初にこのジャンルのアートに出会い、そこでメモリウェアのボトルを購入しました。

ソニックユースはニルヴァーナやダイナソーJr.など多くのアーティストに多大な影響を与えているのですが、このアルバムは逆にニルヴァーナの「ネヴァーマインド」を担当したプロデューサーのブッチ・ヴィグとミキサーのアンディ・ウォレスを起用しています。まぁ、時代の音ということでしょう。

メンバーは前作「GOO」で「やり過ぎた」と思ったらしく、その反省から「ダーティ」は生々しさを前面に押し出す事を念頭に置いて作ったアルバムとのことです。
インダストリアル、ノイズ、ノー・ウェーブなどと呼ばれたサウンド・スタイルですが、生々しいというか、なんかリアルなんですよね。

ウォッシング・マシーン

1994年にトーキング・ヘッズの名盤「リメイン・イン・ライト」のジャケットをパロったアルバム「エクスペリメンタル・ジェット・セット、トラッシュ・アンド・ノー・スター 」を経て、1995年にリリースされた「ウォッシング・マシーン」。

ジャケット・デザインを担当したのは映画監督であり、グラフィックデザイナーでもあるマイク・ミルズ(1966ー)です。写真も撮ったりしています。

1. Becuz
2. Junkie's Promise
3. Saucer-Like
4. Washing Machine
5. Unwind
6. Little Trouble Girl
7. No Queen Blues
8. Panty Lies
9. Untitled
10. Skip Tracer
11. The Diamond Sea

ウォッシング・マシーン

これまた印象的なジャケットですよねぇ。思わずこのTシャツが欲しくなってしまいます。と、思ってたら、ちゃんと売ってるんですよねぇ。イイ時代になったものですな。

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音の方はと言いますと、この頃からメロディアスな曲が多くなってくるんですよ。初期のファンには刺激が少ないのかもしれませんが、一般的には聴きやすくなっているんじゃないでしょうか?

「リトル・トラブル・ガール」のプロモーションビデオはマイク・ミルズではなく、マーク・ロマネックの監督です。キム・ゴードンと宇宙人、それに元ブリーダーズ、ピクシーズのキム・ディールが出てくる不思議な映像となっています。

アルバム1曲目の「ビコーズ」という曲は、当初8分以上もあったんだそうです。「長すぎ!」というレコード会社の意向によって「ビコーズ」と9曲目の「アンタイトル(ビコーズ・コーダ) 」に分断されたと聞いたことがあります。メジャーは厳しい。しかし、マーケットを意識するとそういうことになるんでしょうね。

ア・サウザンド・リーヴズ

写真の上に絵の具を乗せるとか、ファッション写真なのに服が写っていないとか、写真の概念を大きく覆し、多くの写真家に影響を与えたアメリカの写真家マーク・ボスウィック。彼の作品がジャケットを飾った「ア・サウザンド・リーヴズ」は、1998年にリリースされた通算10作目となるアルバムです。

1. Contre Le Sexisme
2. Sunday
3. Female Mechanic Now On Duty
4. Wild Flower Soul
5. Hoarfrost
6. French Tickler
7. Hits Of Sunshine (For Allen Ginsberg)
8. Karen Koltrane
9. The Ineffable Me
10. Snare, Girl
11. Heather Angel

ア・サウザンド・リーヴズ

しかし、このアルバム写真からではマーク・ボスウィックの特徴は分かりづらいように思います。彼の写真の特徴は光です。当初はNG(失敗?)とされていた漏れた光ですね。その漏れた光を効果的に使った写真こそがマーク・ボスウィック。もっとも、そんな写真ばかりと言うわけでもないんですけど、光をうまく使った写真は彼の大きな特徴に違いありません。
マーク・ボスウィックの作品は展覧会か写真集でご覧くださいと言いたいんですが、高い!写真集が高いんですよ。プレミアムがついていて、どうかすると何10万もします。

The Heart Land by Mark Borthwick | IACK

アーティストのマーク・ボスウィック(Mark Borthwick)の作品集。ボスウィックといえばMaison Martin Margielaや初期Purpleでの写真家としての印象が強いが、画家や詩人、映像作家、ミュージシャンとしての側面も併せ持つ多彩なアーティストである。本書はボスウィックの醍醐味とも言える抽象的で儚い写真にドローイング、詩を併せて収録している。使用されたマット紙が作風と調和した美しい作品集。-Title: The Heart LandArtist: Mark BorthwickPowerShovel Books, 2010Hardcover, 290 x 220 mm168 Pages¥11,000 + tax-Condition: Good/経年並、ページ焼け*古書の状態についてMint: 新品未開封Very Good: 非常に良いGood: 古書として一般的なコンディション。経年変化による多少の傷や汚れあり。Acceptable: 特記すべき破れや汚れがあります。一度読んでみたい方向け。

このアルバムはソニックユースのプライベートスタジオで初めて録音されています。一聴すると、ダークでヘビーで地味という印象を持たれる方が多いのではないかと、ちょっと心配になりますが、慣れてくると心地の良いアルバムに、、、なるのか、ならないのか自信が持てません。
そもそもソニックユースって、聴き手を選ぶバンドですからね。アートワークだけ楽しむってのもアリでしょう。

この後1999年にクリス・アビブがアルバムジャケットを担当した「SYR4・グッバイ・20th・センチュリー」というアルバムをリリース。
ソニックユースは、2000年代に入ってからも秀逸なジャケットの素晴らしいアルバムを出し続け、2011年にバンド活動を停止しました。

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