岡田奈々
1975年5月、16歳で歌手としてデビューした岡田奈々。その可愛らしさにノックアウトされた男性は数え切れません。愛くるしいというのでしょうか、それは、もう、歌なんてどうでもいいや!というレベルでしたよ。ジャケットが欲しくてレコードを買う。これ当然って感じの岡田奈々でしたが、今改めて見てもカワイイです。

岡田奈々
歌手としての活動期間は、1975年から1979年の約5年間。短いと言えば短い。ですが、アイドルとしてはなかなかのものです。その後は1980年10月と1986年2月にシングルを出していますが、女優に専念して今日に至るまで活動しているのですから、これは相当なものです。
歌手として活動していた間に出したシングルは16枚、アルバムは7枚に上ります。アルバムはどれもジャケ買い必至の逸品ぞろいですよ。是非、レコードで揃えて頂きたいです。
奈々のひとりごと
デビュー曲は1975年5月10日発売の「ひとりごと」で、ファーストアルバムは同年7月25日に発売されています。アルバムタイトルが素晴らしい。なんと、なんと、「奈々のひとりごと」です。この手のタイトルは、当時はそんなに珍しいということではありませんでしたが、最近ではなかなか付けられることのないタイトルですよね。

奈々のひとりごと
やはりレコードですね。レコードで持っておきたい。そして壁に飾りたい。真剣にそう思わせるジャケットではないですか?
歌が上手いとは言い難いですが、内容は悪くないですよ。1976年までの作詞は、おなじみ松本隆が担当しています。当然のようにクオリティは高いです。
しかし、残念なのは当時の映像が見つからないということですね。残念だなぁ。
憧憬
2枚目のシングル「女学生」を1975年8月25日に発売し、2枚目のアルバム「憧憬」は1975年12月10日に出ています。3枚目のシングル「くちづけ」が同じ日に発売されていますから、このアルバムに収録されていても良かったのではないかと思いますけどね。

憧憬
3枚目のシングル「くちづけ」は、オリジナルアルバムには未収です。残念です。その代わりと言っては何ですが、1976年5月10日に発売された唯一のライブアルバム「セブンティーン! 岡田奈々バースデイコンサート」には収録されているので、これは要チェックですよ。
握手しようよ
岡田奈々といえば、この曲。1976年3月10日発売の「青春の坂道」ですよ。作詞・松本隆、作曲・森田公一、編曲・瀬尾一三、ジャケット撮影・加納典明という豪華な制作陣。これはもうヒットは約束されたも同然ですね。おまけに当時は人気ドラマ「俺たちの旅」にレギュラー出演していて、劇中でも流されています。
この大ヒットした4枚目のシングル「青春の坂道」を含む3枚目のアルバム「握手しようよ(1976年8月25日発売)」。これはいけません。5枚目のシングル「若い季節」も収録しているというのに、ジャケットがイラストではないですか!これはイカンでしょうよ。

握手しようよ
イラストレーターの方には申し訳ありませんが、イラストはないでしょう。人気絶頂時ですからねぇ。写真だったらもっと売れたのではないかと思わずにはおれません。「握手しようよ」と言われれば、そりゃ、もちろん喜んでしますけど、ここはやはり写真でいってほしかったなぁ。
’77 新しい日記帖
6枚目のシングル「手編みのプレゼント(B面:地図のない旅)」、7枚目「かざらない青春(B面:プリーズ・プリーズ)」。デビュー曲から作詞を担当してきた松本隆でしたが、ここまでで降板します。1977年2月25日に発売された4枚目のアルバム「'77新しい日記帳」も、シングルカットされた4曲以外では「新しい日記帖」と「昨日の雨」の2曲しか担当していません。
しかし、このアルバムは良い!ジャケットの素晴らしさは、これがベストと言っていいでしょう。

’77 新しい日記帖
もちろん内容も良いですよ。何と言ってもシングル曲が2曲も収まっていますからね。キュンとくるのは最後の曲、6枚目のシングルだった「手編みのプレゼント」でしょう。地方から都会へ旅立つ「あなた」へ贈り物をするというタイトルとテーマ。これって前年に大ヒットした、やはり松本隆が作詞を手掛けた太田裕美の「木綿のハンカチーフ」と同じですね。
いい曲ですが、ポップさではやはり「木綿のハンカチーフ」の方が上ですかねェ。「手編みのプレゼント」を作曲した佐藤健が悪いわけではありませんが、ここは「木綿のハンカチーフ」の作曲者である筒美京平を褒めたたえるべきでしょう。
しかし、アルバムの最後を飾るにふさわしい曲になってます。
クリーム・ソーダ
8枚目のシングル「そよ風と私」と9枚目のシングル「らぶ・すてっぷ・じゃんぷ」を収録した5枚目のアルバム「クリーム・ソーダ」は、1977年8月25日に発売されました。
ジャケットは悪くありませんが、欲を言えば岡田奈々が小さい。もう少し大きく扱ってほしかった。黒バックというのもアイドルらしくないですかねぇ。というか、部屋に飾りづらい感じはしますよね。

クリーム・ソーダ
アルバムの1曲目に持ってきただけあって「らぶ・すてっぷ・じゃんぷ」は実に軽快なナンバーです。ザ・アイドル、と言いたくなるような佳曲ですよ、これは。
作詞:有馬三恵子、作曲:森田公一、編曲:萩田光雄。みなさん実に手堅く、素晴らしい仕事をされています。が、この曲はヒットしなかったんですよね。これは歌謡界における七不思議、いえ、奈々不思議ですよ。
因みに岡田奈々は、この年の3月に堀越高等学校を卒業し、4月に戸板女子短期大学に入学しています。つまり、まだ18歳になったばかりだったんですよ。
バイバイ・ララバイ/愛のフィナーレ
ジャケットの中の岡田奈々が更に小さくなった1978年3月25日発売の6枚目のアルバム「バイバイ・ララバイ/愛のフィナーレ」。
10枚目のシングル「求愛専科」と11枚目のシングル「バイバイ・ララバイ」が入っているアルバムですが、なんかタイトルが奇妙です。収録されている2曲のタイトルをアルバムタイトルにするとは。

バイバイ・ララバイ/愛のフィナーレ
「求愛専科」はスマッシュ・ヒットしました。が、残念ながらこれ以降はヒットに恵まれなくなってしまうんです。何故だ?!カワイイですけどねぇ。カワイイだけでは売れないということでしょうか。実に難しい商売ですよね。
それにしても、「求愛専科」は、前作の「らぶ・すてっぷ・じゃんぷ」から、わずか2か月半ぶりという短いインターバルで発売されているんですよ。2か月半ですよ、信じられませんね。当時のアイドルは大変だったんですねぇ。
Mr.アレンジャー
さて、最後となるアルバム「Mr.アレンジャー」が発売されたのは1978年11月5日です。つまり、この年はアルバムを2枚出したということです。やる気を感じます。
アルバムには12枚目のシングル「だめですか」、13枚目のシングル「湘南海岸通り」、そして14枚目のシングル「賭け」と、3枚のシングルが入っています。やる気、みなぎってます。

Mr.アレンジャー
大人っぽいジャケットですねぇ。大人っぽいとは言っても19歳ですよ。背伸びしたいお年頃というところでしょう。黒バックのジャケットとは言え、「クリーム・ソーダ」とは違い、部屋に飾りたくなります。飾りごたえがある!というんでしょうか、なんかそんな感じがするアルバムですよ。
アルバムジャケットは大人っぽくなったとは言え、岡田奈々は岡田奈々。動画を見ると一目瞭然。何も変わることはありません。そして、それから40年以上たった現在でもそうなんですから驚くばかりです。こりゃ、もう、やる気とかの問題じゃないですね。昭和のアイドル恐るべし!でしょう。