「たかなシアター六番街」-マニアック-

「たかなシアター六番街」-マニアック-

たかなシアター六番街、今回はグロさ満点の映画「マニアック」をネタバレありでお届けします。


こんにちは、たかなし亜妖です。



今回は珍しくネタバレ編、1980年版の「マニアック」をお届けします。



確か2012年にリメイクされて公開、グロ度がやたらアップしていたことは覚えている( ;∀;)



80年版リメイクもモチロン、グロいことに変わりありませんけどね!



ネタバレありなので、未鑑賞の方はお気を付けください~。

映画「マニアック」

映画「マニアック」のちょっとしたあらすじ

夜な夜なロサンゼルスでは、女性が殺される事件が多発していました。

被害者全てに共通しているのは、頭皮がベりべりと剥ぎ取られていること。



そんな猟奇的殺人の犯人は、主人公のフランク。太っている中年の男性、お世辞にも身綺麗とは言えません。

女性達の頭皮を剥ぎ取っては、家にあるマネキンに釘で打ち付け、被せるのが趣味(?)となっていました。







彼はマネキンや人形に囲まれた狭い部屋で暮らしています。



自分の行いは痛いほど分かっているようで、殺人を繰り返しては自室に帰り、一人落ち込む日々。



「もうやめよう」と自分自身に言い聞かせるものの、再び夜が来れば女性を襲ってしまうのでした。



そんな中、ひょんなことから写真家の美しい女性・アンナと出会います。



アンナと徐々に距離を詰めていくフランク、遂に彼女の頭皮まで剥ぎ取るつもりなのでしょうか……。

まるでサイコパスのドキュメンタリー

約90分の作品ですが、ストーリ性は正直なところ薄いかも。



ややダレる部分もあり、ほぼ前半~中盤にかけてはフランクの猟奇殺人のシーンが繰り返されるばかり。



街へ繰り出す→殺す→頭皮ベリリ→マネキンに被せて後悔の流れが続くので、序盤はちょっぴり退屈してしまう人も多そうです。



ですが後半~ラストにかけてアンナと出会い、流れが変わっていくことで物語の結末が気になって仕方なくなるはず。



また前半は猟奇殺人鬼、サイコパスとしての顔が目立ちますが、後半はアンナと接する、少し穏やかなフランクを観ることが出来ます。



前半の雰囲気とは違い、共に食事を囲み、普通に会話をする彼にやっと人間らしさを感じますね。

恐ろしい一面がなかったら、きっとこんな笑顔で暮らしていたことだろう……なんて想像してしまうシーンでもあります。



ストーリー自体は薄いのですが、フランクのサイコ具合や殺人に対する葛藤、有様を見届けているとこちらの気持ちまで不安定になりそうな……。



ホラー映画を観ている、というよりかは一種のドキュメンタリーを観ているような感覚に陥ります。



職業がマネキン修復士でありながら、アンナの前では「絵描き」としれっとウソをつくあたりも何だか怖い。



なぜフランクはこんな殺人を続けるのか?



実は彼、重度のマザコン中年なんです。



母親は亡くなっていますが、過去に「お仕置き」として何度も棚に閉じ込められている……つまり虐待のようなものを受けていたようで。



しかし母を嫌いになれない、愛されたかったという思いが強いのでしょう。愛情と悲愴の間で揺れ、苦しんでいるのがよく分かります。



植え付けられたトラウマを解消できず、それを全て犯行にぶつけている感じでしょうか。常に殺人の対象はカップルか女性ですからね。(頭皮は必ず女性)



母親に対する歪んだ憎悪と行き場のない愛が、彼を捻じ曲げてしまったと言っても過言ではありません。

スプラッタ描写もスゴイ

古い作品ですが、グロテスクなシーンも気合が入りまくり。

序盤から頭皮ベリベリ、後ろから突き刺す、女性の顔に血しぶきビシャーなど、血液の量が凄まじいです。あっさり頭も吹き飛びます。(飛んだ首の断面まで見える)



グロが苦手な人は注意した方がいいかもしれません。あ、2012年バージョンもすごいのでお忘れなく( ;∀;)



そしてフランクの部屋にあるマネキンも怖いんですね。人形も全部不気味な顔をしていて、観る人の不安を煽ります。



それに剥ぎ取ってきた頭皮をくっつけるのだから、行動の数々が常人ではありません。



後半はアンナを殺害しようとする→失敗→母親の墓の前で、死んだはずの母に首を絞められる……あたりから、彼の妄想ワールドが炸裂します。



彼女の殺害を失敗して、家へ帰るとマネキンが彼を襲い始める……そしてフランクは苦しんで、血まみれになります。

このシーンのインパクトが、大きい。それぞれのビジュアルの怖さもそうですが、本当に今までの復讐に遭っているのでは……と錯覚してしまうほど。



この辺りのシーンは本当に起きていることなのか、妄想に苦しめられたフランクなのかは定かではありません。



最後は刑事らがパトカーでフランクの家へ。部屋に入ると腹部を刺され、横たわっている彼の姿が。



亡くなっているかと思いきや、急にバチッ!と目を覚ますフランクで物語は完結します。



彼は生きているのか、それともこのまま息絶えてしまうのか……真相は謎のままです。



ワタクシ個人としてはもう、一人寂しく亡くなると思うのですが。

愛に飢えた中年の悲壮感漂う物語

観ていてただただ怖い!気持ち悪い!という感想が真っ先に出てきてしまうこの作品。笑



多分ワタクシが女だからだろうなぁ……女性に対しての憎悪が半端なさ過ぎて、物事の味方全てが歪んでいるんですもの。。



女性=欲深く汚い、みたいな思想のまま大人になってしまっているから、こうした行動に出るのもあるんじゃないかなーと。



あとカップルをやたらと狙うのも、フランクにとって嫉妬の一つなんでしょうね( ;∀;)



結構賛否両論あるストーリーですが、ワタクシ的には頭おかしくて最高!って感じの映画です。笑



ちょっぴりゾワゾワしたい時、犯罪心理を描いた作品が観たくなったときはぜひご鑑賞くださいまし♡

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