SLY、夢のようなメンバー構成
1994年に結成された「SLY」。
まずはそのメンバーを見てみましょう。
ボーカル:二井原実(LOUDNESS)
ギター:石原槇一郎(EARTHSHAKER)
ベース:寺沢功一(BLIZARD)
ドラムス:樋口宗孝(LOUDNESS)
日本のヘヴィメタルシーンを席巻していた大物たちが集結しているのがわかりますよね。
なぜこのような夢のバンドが結成されたのでしょうか?

結成
1994年、EARTHSHAKERを解散した石原がソロ活動するにあたり旧知であった二井原をアルバムにゲスト参加させようと誘ったところ一緒にバンドをやろうという話に発展したことがきっかけだという。
二井原はもともとEARTHSHAKERのオリジナルメンバーでもあります。
LOUDNESSを脱退していた樋口を誘い、元BLIZARDの寺沢を迎えジャパメタファンには夢のようなバンド「SLY」として活動が開始されました。

活動
1994年に1stアルバム、翌年には2ndアルバムを発表。
しかしこのころのジャパニーズ・メタルシーンの低迷の影響もあったのか正統派HM/HR路線を貫く「SLY」は商業的な成功を収めることは難しかったようです。
1996年に発表した3rd アルバムはアメリカで録音しており、それまでとは違いプログレッシブロック要素の強い作品でした。
1998年にはレコード会社を移籍して4thアルバムを発表。
オーソドックスなジャパニーズヘヴィメタルスタイルに回帰した作品でした。
しかしこの4thアルバム「VULCAN WIND」を最後に活動を休止、事実上の解散となってしまいました。

「SLY」活動休止後から現在
石原愼一郎
1999年、SLY活動休止後に京都のライブハウスの記念イベントにEARTHSHAKERとして参加。
これを機に再結成を宣言して活動再開を果たし、現在も精力的に活動している。
二井原実
SLY休止後、ファンキー末吉、橘高文彦、和佐田達彦とともに「X.Y.Z.→A」を結成。
2000年にはLOUDNESSが活動再開することになり並行して活動している。
寺沢功一
SLY休止後、B'zのレコーディングに参加したり、いくつかのユニットに参加したりと精力的に音楽活動を続けているようです。
2014年には会社を設立。
樋口宗孝
SLY休止後は、その活動より前に所属していたLOUDNESSよりも前に活動していたLAZYを再結成。
いくつかのユニットで活動しつつその後LOUDNESSにも電撃復帰。
2008年、肝細胞癌の治療に専念するも同年死去。
葬儀では多くのミュージシャンらが追悼コメントを寄せました。
その後「樋口宗孝がん研究基金」が設立されています。

継承される音楽
2012年、LOUDNESS 樋口宗孝追悼ライブvol.4において二井原、石原、寺沢により一夜限りの復活ライブを行ったSLY。
ドラムは生前の樋口によるライブ音源を映像と合わせる形で合わせたという。
それぞれの場所から集結してできたSLY。
その活動が休止したあともまたそれぞれの場所に戻ったメンバーやその周りによって受け継がれていく音楽。
聞く側にとってもずっと存在していく大事なものであることは間違いありません。