ポール・マッカートニー自ら「駄作」と評した1986年リリースのアルバム「プレス・トゥ・プレイ」

ポール・マッカートニー自ら「駄作」と評した1986年リリースのアルバム「プレス・トゥ・プレイ」

「プレス・トゥ・プレイ」は、それほど酷いアルバムなのでしょうか?いえ、そんなことはありません。ハッキリ言います。このアルバム、悪くないです。むしろ良いです。だたポール・マッカートニーらしくないというだけなんです。検証してみようではありませんか。


ポール・マッカートニー

世の中には説明の必要全くナシでOKというミュージシャンがいますよね。ポップスの世界においてポール・マッカートニーは、その筆頭であると言っていいでしょう。
異論のある方、いらっしゃいますか?いないでしょうね。一言で言って天才。それ以外の言葉が思い浮かばない、そういった存在、それがポール・マッカートニーですよ。

出生名:James Paul McCartney
生誕:1942年6月18日
出身地:イングランド マージーサイド州リヴァプール

ポール・マッカートニー

ポール・マッカートニーの何がスゴイかって、そりゃもう全部なわけですが、中でも全人類のDNAに訴えかけるようなメロディ。そうです。一度聴いたら逃れられないあのメロディはたまらんです。
そのポール・マッカートニーが自ら「失敗作だった」と語ったアルバムがあるのをご存じでしょうか?それは「プレス・トゥ・プレイ」というアルバムなのですが、それって本当に駄作なのでしょうか?検証してみたいと思います。

プレス・トゥ・プレイ

アルバム「プレス・トゥ・プレイ」は、1986年9月にリリースされました。ヒット・チャートをみると、全英8位に全米30位。因みに日本では11位で、イギリスではゴールド・ディスクを獲得しています。他のミュージシャンであれば、大ヒットとは言わないまでも、堂々たる成績なのではないかと思うのですが、ポール・マッカートニーですからねぇ、この程度では自他ともに許されんのです。厳しかですね。

このアルバムはプロデューサーにポリスの「見つめていたい」や全世界で2,000万枚の売上を記録したフィル・コリンズのアルバム「フィル・コリンズIII」などで知られるヒュー・パジャムを起用しています。
そして、ソングライティングのパートナーとして10ccのエリック・スチュワートと半数以上の8曲を共作しています。

  1. ストラングルホールド
  2. グッド・タイムズ・カミング/フィール・ザ・サン
  3. トーク・モア・トーク
  4. フットプリンツ
  5. オンリー・ラヴ・リメインズ
  6. プレス
  7. プリティ・リトル・ヘッド
  8. ムーヴ・オーヴァー・バスカー
  9. アングリー
10. ハウエヴァー・アブサード
11. ライト・アウェイ
12. イッツ・ノット・トゥルー
13. タフ・オン・ア・タイトロープ

プレス・トゥ・プレイ

ヒュー・パジャムにエリック・スチュワート。結果としてこれが良くなかったのでしょうかねぇ。チャートアクション以上に酷評の嵐でした。いかにも80年代なデジタル処理、やたらと耳につくパーカッシブな音作り、これが受け入れられませんでしたかねぇ。
いや、それより何よりポール・マッカートニーらしくない、と言うかポール・マッカートニーを聴いている感じがしないんです。まぁ、確かに問題作ですよね。

ジャケットは盟友ジョン・レノンの遺作「ダブル・ファンタジー」を意識したものになっていて、2枚並べて飾ると面白いです。

  1. スターティング・オーヴァー
  2. キス・キス・キス
  3. クリーンアップ・タイム
  4. ギヴ・ミー・サムシング
  5. アイム・ルージング・ユー
  6. アイム・ムーヴィング・オン
  7. ビューティフル・ボーイ
  8. ウォッチング・ザ・ホイールズ
  9. あなたのエンジェル
10. ウーマン
11. ビューティフル・ボーイズ
12. 愛するヨーコ
13. 男は誰もが
14. ハード・タイムス・アー・オーヴァー

ダブル・ファンタジー

ポール・マッカートニーは、ジョン・レノン死後の「タッグ・オブ・ウォー」「パイプス・オブ・ピース」「ヤァ!ブロード・ストリート」と3枚のアルバムを全てビートルズ時代のプロデューサー・ジョージ・マーティンに依頼していたんです。それらのアルバムからはヒット曲も出て、評判も良かった。当然のようにアルバムは大成功しています。マンネリに陥ることを恐れたのでしょうかねぇ。続く「プレス・トゥ・プレイ」は野心作といえます。それが結果としては裏目に出た感じです。

が、このアルバム、悪くないですよ。いえ、むしろ良いです。だたポール・マッカートニーらしくないというだけです。

プレス

「プレス・トゥ・プレイ」からの先行シングルだったのは1986年7月にリリースされた「プレス」です。全英25位、全米21位とポール・マッカートニーにしてはイマイチな結果に終わっています。
でも、メロディは悪くないですよ。ポール・マッカートニーらしいです。ただジャケット・デザインは何だかなぁと言う感じですよね。

カップリング曲:イッツ・ノット・トゥルー

プレス

この曲のプロモーション・ビデオは面白いです。ロンドンの地下鉄にポール・マッカートニーが乗りこんで歌ってるというものですが、驚いた乗客たちの反応が楽しいです。 ま、そりゃ驚きますよね。

曲は悪くないですよね?ポールらしいメロディライン、良いと思います。ただ、アレンジがねぇ。80年代を象徴しすぎた音ですよねぇ。ドラムスは特にねぇ。でも1980年には同傾向の「カミング・アップ」は大ヒットしてますからアレンジが悪いとばかりも言えないですね。いや、良い曲だと思います。何と言っても楽しい曲じゃないですか?

プリティ・リトル・ヘッド

先行シングルの「プレス」は、アレンジこそデジタル感が強いですが、曲は間違いなくポール・マッカートニー。歌っているのも勿論ポール・マッカートニーなわけですが、アルバムを通して聴くとポール・マッカートニーらしくない、歌っているのは本当にポール・マッカートニーなのかしら?という印象の曲すらある。
1986年10月にシングルカットされた「プリティ・リトル・ヘッド」などはまさに多くの人がそんな印象を抱いた曲と言えるのではないかと思います。

カップリング曲:ライト・アウェイ

プリティ・リトル・ヘッド

シングルは大胆なリミックスが施してあり、アルバムバージョンとはかなり印象の異なる曲となっています。が、いずれにしてもポール・マッカートニーらしくない。共作したエリック・スチュワートの影響がデカイですね。これ10ccの曲だったらすんなり聴けると思います。実際、10ccのベスト・アルバム「During After : The Best Of 10cc」に収録されていますが違和感なしですよ。

関連する投稿


【追悼】28歳の若さで亡くなった元南青山少女歌劇団の『小村美佳』!!

【追悼】28歳の若さで亡くなった元南青山少女歌劇団の『小村美佳』!!

2007年8月7日に元南青山少女歌劇団一期生で活躍された小村美佳(本名:丸野美佳)さんがお亡くなりになりました。今回追悼の意味も含めてまとめてみました。


知らないだろうな・・・💦僅か1年の活動で引退した81年組アイドル歌手『 矢野良子』!!

知らないだろうな・・・💦僅か1年の活動で引退した81年組アイドル歌手『 矢野良子』!!

1981年にシングル「ちょっと好奇心」でデビューするも僅か1年の1982年2月に引退したアイドル歌手の矢野良子さん。懐かしく思いまとめてみました。


ワンギャル1期生としてレギュラー出演していた「北原 まゆ」こと『豊嶋千加子』!!

ワンギャル1期生としてレギュラー出演していた「北原 まゆ」こと『豊嶋千加子』!!

1997年にトーヨータイヤ・ギューンガールでデビューし北原 まゆの名義でバラエティ『ワンダフル』にワンギャル1期生としてレギュラー出演したいた豊嶋千加子さん。


「一円玉の旅がらす」の大ヒットで11もの新人賞を総ナメにした『晴山さおり』どーしたんだろ?!

「一円玉の旅がらす」の大ヒットで11もの新人賞を総ナメにした『晴山さおり』どーしたんだろ?!

16歳の時にNHK『みんなのうた』で『一円玉の旅がらす』を歌い、CDとカセットを合わせて65万枚の大ヒットとなりこの曲で11もの新人賞を総ナメにした晴山さおりさん。懐かしく思いまとめてみました。


ビートルズでポール以外がベースを弾いた曲10選!

ビートルズでポール以外がベースを弾いた曲10選!

ベースプレーヤーとしても超一流であるにも関わらず、ポール・マッカートニーがビートルズ時代にベースを担当していない曲があるんですよ。ビートルズでポールがベースを弾いていない曲10選、ご紹介します!


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。