火曜サスペンス劇場
バブル期を体験した世代の方々に「火曜サスペンス劇場」を知らない人は居ないんじゃないでしょうか?!誰もが一度は観たことがあるといっていいほどの人気番組でしたね。主題歌は言わずと知れた岩崎宏美の「聖母たちのララバイ」。
この曲を聴くと反射的に「火曜サスペンス劇場」を連想する人も多いようですね。その「火曜サスペンス劇場」の放送開始は1981年のことでした。バブルに向かって日本が異常ともいえるほどに活気づいていたころですね。そんな日本の80年代を代表するテレビドラマ「火曜サスペンス劇場」の1981年に放送された作品をご紹介します!
消えたタンカー
1975年に島田楊子、竹脇無我というキャスティングで松本清張の長編推理小説「球形の荒野」が映画化されました。その6年後に同じく島田楊子主演でテレビドラマ化されているのですが、これが記念すべき「火曜サスペンス劇場」の第1作です。

球形の荒野
「火曜サスペンス劇場」として放送されたのは1981年9月29日のことですが、「球形の荒野」はこの他にも、1962年、63年、69年、78年、92年、2010年、14年と何度もテレビドラマ化されているんですよ。こうした人気作品を1作目に持ってきたところに「失敗は許されんぞ」という制作側の意気込みを感じます!
2作目は西村京太郎原作の「消えたタンカー」です。

消えたタンカー
これまた人気作家の作品ですが、これはもう、主演の中野良子が美し可愛いです。今や若き日の中野良子を観れるだけでも儲けものって感じですよ。
西村京太郎といえば、十津川警部シリーズ。この「消えたタンカー」もそうなのですが、主人公は夏木勲演じるた十津川警部ではなく、原作には登場しない保険調査員(中野良子)としたところが中野ファンにはありがたいところです。そう、原作とは大きく違いますが、これでいいのだ、なのです。
さよならも言わずに消えた!
10月13日に3作目となる門田泰明原作「大病院が震える日(出演:加山雄三、村井国夫)」を放送。そして翌週にポーラ・ゴズリングの「逃げるアヒル」を原作とした「さよならも言わずに消えた!」が放送されます。

逃げるアヒル
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ヒロインは桃井かおり。1975年のテレビドラマ「前略おふくろ様」での怪演で人気者となった桃井かおりは、80年代に入ると何故かイイ女へとイメージチェンジします。この作品でもそんな感じで、「前略おふくろ様」のイメージが強烈なだけに違和感を感じないでもない。ですが、それは、それだけ幅広い演技ができるということですね。
翌週の27日に、若山富三郎、佐藤浩市が主演した小林久三原作の「父と子の炎」が放送され10月分は終了します。
女の中にいる他人
11月は6作目にあたる「女の中にいる他人」でスタート。原作はエドワード・アタイヤの「細い線」で、1966年に小林桂樹、新珠三千代主演で映画化されています。

女の中にいる他人
火曜サスペンス劇場版の「女の中にいる他人」の主演は大原麗子と川崎敬三です。おお、これは「雑居時代」コンビではないですか!観たいっ!が、それは現時点では難しいようです。誰かYouTubeにでもアップしてくれないものですかねぇ。
「女の中にいる他人」に限らず、火曜サスペンス劇場はなかなか見る機会に恵まれませんねぇ。
11月は以降
10日、ジェニー・サベージ「復讐クラブ」原作「わが子よ、眠れ!(演:丘みつ子、勝野洋)」
17日、ジェニー・サベージ「ママに殺意を」原作「ママに殺意を(演:市毛良枝、坂上忍)」
24日、アンドリュー・ガーブ原作「地獄から来た訪問者(演:平幹二朗、太地喜和子)」
が放送されています。
ハムレットは行方不明
12月1日放送分は10作目となる「明日に別れの接吻を」です。原作は笹沢左保の同名小説で、主演は古谷一行と小川知子。これは、そう、後の金妻コンビですね。
大空眞弓、関口宏主演で仁木悦子原作の「霧のむこうに」を原作とした「思い出さないで」が8日放送。15日にはコリア・ヤングの「トッド調書」を原作とした「消えた鼓動(演:竹脇無我)」。そして、22日に「ハムレットは行方不明」が放送されます。

ハムレットは行方不明
早くも2作目の赤川次郎。80~90年代の赤川次郎の人気は凄かったですからねぇ。ですが、意外なことに火曜サスペンス劇場においてはこれ以降はないんですよ。赤川次郎原作物が。まぁ、赤川次郎や西村京太郎の原作は単独でドラマ化されていますからねぇ。
火曜サスペンス劇場では、松本清張、夏樹静子、佐野洋あたりの原作が多いようです。
10万分の1の偶然
火曜サスペンス劇場、最初の年の最後を飾る作品は、松本清張の「十万分の一の偶然」を原作とした「10万分の1の偶然」です。何故だかは分かりませんが、微妙にタイトルを変更してます。

十万分の一の偶然
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火曜サスペンス劇場版は、主人公を恋人を失った男性から女性へと設定変更してあります。で、その恋人を失った女性を関根恵子が演じ、疑惑のカメラマンを演じたのが泉谷しげる。まぁ、異色の取り合わせですがバッチリですよ。
それにしても、毎回毎回よくもまぁと言うほど豪華キャストですよね。制作も大掛かりなものが多いですし、そりゃぁ面白くもなりますよ。
因みに主題歌の「聖母たちのララバイ」が使われていたのは最初の1年半ほどです。もっと長く使われていたような気がしていました。何といっても「火曜サスペンス劇場」は23年間も続いていたんですから。当然のごとく名作と呼ばれる作品が多数あります。一度まとめて観てみたいですけどねぇ。