必殺シリーズ
もうものまま一生続くのではないか?!と思われた「必殺シリーズ」にも終わりが訪れます。15年の長きに渡り連続して続いていたテレビシリーズの放映がいったん終了するのは1987年9月25日。
放送終了を記念して「必殺15年のあゆみ」といったムックなどが発売されています。

別冊テレビジョンドラマ 必殺スペシャル第4弾 必殺15年のあゆみ
しかし、 4年のインターバルを経てテレビシリーズは復活し、さらにその後は単発物としてご存じのように毎年放送されています。
それではいよいよ最後となる「必殺シリーズ」、ご紹介しましょう!!
必殺まっしぐら!
1986年8月8日~10月31日迄放送された、必殺シリーズの第26作「必殺まっしぐら!」。う~ん、このタイトルはどうなんでしょう?もう少し何かなかったんですかね?企画時のタイトルは「必殺! びっくり箱」だったそうですけどね。う~ん、どっちもどっち。
タイトルはともかく、内容は秀ファンには嬉しい「必殺仕事人」で人気の三田村邦彦演じる飾り職人の秀が主人公となっています。まぁ、これは「必殺仕事人」のスピンオフ作品ですね。

必殺まっしぐら!
タイトルよりも驚くべきは、この「必殺まっしぐら!」実は当時大人気だった任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」を題材にしてるんです。主人公の秀がマリオ、秀の恋人の若紫がピーチ姫、敵の大魔王クッパとなるのが藤岡重慶演じる向島仁十郎といったぐあいです。
常に流行を取り入れてきた必殺シリーズなだけに、流石というほかはありません。
最終回で秀と向島仁十郎が対決の場面が、クッパ大王のゲーム中での動作をあまりにも連想させるということなどから制作サイドが呆れたそうで、当時のマスコミからも「ファミコン必殺」と揶揄されるなど、一般的な評判は芳しいものではありませんでした。
必殺仕事人V・旋風編
必殺シリーズはですね、もう、苦しい時には「仕事人」。伝家の宝刀といいますか、もうね、抜くしかありませんのです!「必殺まっしぐら!」の名誉を挽回するためには必然。と言うことで「必殺仕事人V・風雲竜虎編」の登場と相成ります。

必殺仕事人V・旋風編
「必殺仕事人V・旋風編」は、ハード路線で話題を呼んだ必殺シリーズ第25作の「必殺仕事人Ⅴ激闘編」に続く主水シリーズで、必殺シリーズ第27作、必殺仕事人シリーズ第7作、中村主水シリーズ13作目にあたります。
ただ、「激闘編」は初期のようなハードボイルド路線だったのですが、残念ながら一般的には受け入れられなかったため、路線を変更し「必殺仕事人V・旋風編」は後期必殺シリーズの特徴であるコメディやパロディなどを含むコミカルなシーンが多く盛り込まれています。
「必殺仕事人V・旋風編」は全14話。短いっ!中村主水シリーズとしては異例の短さです。当初は全26話を予定していたものの出演者の都合などで早々に打ち切られることに。。。残念です。しかし、この借りは次作で晴らすとしましょう。
必殺仕事人V・風雲竜虎編
諸事情により早々に打ち切られた「必殺仕事人V・旋風編」の後を受けて、その1年後の世界を描いた「必殺仕事人V・風雲竜虎編」。1年後の世界とはいえ、時代設定は「旋風編」が文政年間、「必殺仕事人V・風雲竜虎編」は天保年間となっています。微妙に細かい設定ですなぁ。

必殺仕事人V・風雲竜虎編
「旋風編」の続編という位置づけですが、主題歌などが引き継がれていることから、これはもう視聴率低迷によるテコ入れされた作品との見方が強い「必殺仕事人V・風雲竜虎編」。
う~ん、ついに「仕事人」でさえも厳しくなってきましたよ。とはいえ、前作に比べると視聴率は上向き、全19話となっていますから前作と合わせると33話。立派なものですよ。
村上弘明は相変わらずカッコいいし、かとうかずこは美しい。新たに加わった三浦友和も、まぁ、いいかんじでよ。が、最終回では村上弘明が演じた鍛冶屋の政も、かとうかずこが演じたお玉も、三浦友和が演じたかげろうの影太郎も江戸を離れることになります。
必殺剣劇人
必殺シリーズの第29作、「必殺剣劇人」。実はこれが15年間続いたシリーズの最終作です。さすがに感慨深いです。15年ですからねぇ。記念すべき本作の主役は近藤正臣が勤めています。

必殺剣劇人
近藤正臣/必殺剣劇人 1 - TOWER RECORDS ONLINE
必殺剣劇人|365日時代劇だけを放送する唯一のチャンネル時代劇専門チャンネル
必殺シリーズ中で最も話数が少なく僅かに全8話。視聴率低迷による打ち切りとかではなく、実は前作「必殺仕事人V・風雲竜虎編」放送中に必殺シリーズの終了は決定していたそうです。そのためか、随分と雰囲気が違う作品で、シリーズへのオマージュ的な要素を含んでいます。
最終回には中村主水、せん、りつが登場して視聴者に挨拶するという演出がなされていました。
大仰な決め台詞に大殺陣、巨大な張り子の蝦蟇まで登場するという大時代劇というかチャンバラ大活劇。他の必殺シリーズ、特に初期のものと比べると随分とイメージが違いますが、これはこれで面白いです。いま改めてやってくれると若い人にもウケないですかねぇ???
必殺仕事人・激突!
シリーズ終了から4年。必殺は不滅だ!と声を高らかに宣言したかのような作品「必殺仕事人・激突!」が必殺シリーズ第30作、必殺仕事人シリーズ第9作、中村主水シリーズ第15作として、1991年10月に復活します。

必殺仕事人・激突!
もう、ここまでくると、中村主水に せん と りつ さえいれば仕事人と言っていいのではないかと思いますが、「必殺仕事人・激突!」には飾り職人の秀が登場します。後は何といっても熟女ファンに嬉しい仕事人の元締役の酒井和歌子の出演でしょう。相変わらず美しいです。
必殺ファンにとって、必殺仕事人の復活は喜ばしい限りです。時代劇ファンにとってもそうでしょう。しかしなぁ、インターバルがあったたかなのか、時代がそうさせたのかは分かりませんが、往年の緊張感のようなものが本作からはあまり感じられえないように思います。
もっとも、その分、安定した面白さがあって楽しめるんですけどね。ま、これは、アリです。
必殺仕事人2009
「必殺仕事人・激突!・激突!」から更に17年。仕事人でありながら、せん も りつ も出ているというのに中村主水が主人公から外れた作品が「必殺仕事人2009」です。これはもう世代交代ですね。中村主水に代わって主人公となったのは東山紀之演じる渡辺小五郎です。

必殺仕事人2009
渡辺小五郎は中村主水と同じような性格付けです。昼の顔は南町奉行所の定町廻り同心で昼行灯。怠け者といったところです。
17年ぶりとはいったものの、それはご存じのようにテレビシリーズとしての話です。映画やテレビスペシャルとしてはその間にも多数制作されています。
2007年以降2019年までほぼ毎年単発のドラマとして放送されていますから、きっと今年も制作されるのではないでしょうか?!但し残念なのは、2010年2月17日に中村主水役の藤田まことが、2018年8月10日にはせん役の菅井きんが亡くなられたことですね。
それでも必殺は永遠!これからも楽しませてくれることを願っています。