俺たちひょうきん族
今や伝説の番組となっている「俺たちひょうきん族」。出演者は、ビートたけし、明石家さんま、島田紳助、片岡鶴太郎、山田邦子、西川のりお、ぼんちおさむ、渡辺正行、ラサール石井などなど、当時のお笑い界の若手が一堂に会したお笑いバラエティ番組ですね。
「俺たちひょうきん族」は、驚異的な人気を誇りました。1984年度の年間平均視聴率が19.5%、最高視聴率は1985年12月28日のスペシャル回でに29.1%、通常回でも1986年2月15日に27.3%を記録しています。現在では考えられない視聴率ですね。
この番組を支えたのは人気コーナーだった「タケちゃんマン」です。当時の子供たちにはスーパーマンやスパイダーマンよりも、タケちゃんマンの方が認知されていたのではないかと思います。いや、ホントに。
タケちゃんマン
「タケちゃんマン」。見直してみても当時と同じ感想しかありません。つまり、「くだらねぇなぁ」です。もちろん、褒め言葉です。「くだらない」、けれど「つまらない」ではないというところが、ミソですね。
オープニングの「あ、鳥だ! 飛行機だ! いや、タケちゃんマンだ!」というフレーズは、「スーパーマン」へのオマージュです。そこからテーマソングに入るわけですが、これは「月光仮面」のパロディになっています。ビートたけし が演じるカッコ悪いというか、間抜けなヒーローというのが、なんとも味があって良かったんです。
タケちゃんマンといえば、忘れてはいけないのが、と言うよりも、忘れようにも忘れられないのが、明石家さんまが演じる敵キャラクター。上の第1回目を見て「あれっ?!」と思われた方、けっこういるのではないでしょうか?そうなんです。敵キャラクターいないんですよね。実は敵キャラクターが登場するのは、第3回目からなんです。
ブラックデビル~ブラックデビルJr.
やっぱりタケちゃんマンには敵キャラクターが必須ですよね。そして敵キャラクターといえば、ブラックデビル。初登場は第3回目からです。が、演じるのは明石家さんまではなく、高田純次です。意外ですよね。
意外ではありますが、初代ブラックデビルは、高田純次だったんです。
高田純次は第3話のみで、第4話からは明石家さんまがブラックデビルを演じています。
その後、第60話までブラックデビル、62話からはブラックデビルの息子という設定でブラックデビルJr.が第77話まで登場します。
アミダばばあ
ブラックデビルJr.に代わって第72話から登場したのが「アミダばばあ」です。
「タケちゃんマン」は、映画やドラマなどのパロディとなっている前半のドラマと、明石家さんま演じる怪人と対決する後半から出来ていました。
この対決と言うのが実に「くだらない」んですよね。
カワイイです。ビートたけしと明石家さんまがペンギンに変身したところなんか、思わず笑ってしまいますよね。
ブラックデビルには「好きさブラックデビル」というテーマソングがありましたが、アミダばばあにも「アミダばばあの唄 」というテーマシングがあり、シングルヒットしました。作詞作曲を担当したのは桑田佳祐です。
因みに、アミダばばあは、タケちゃんマン史上唯一、タケちゃんマンに勝利した怪人です。
ナンデスカマン
明石家さんま扮する四番目の怪人「ナンデスカマン」。「ナンデスカ〜!?」という問いかけが口癖の人間の耳をモチーフにした怪人です。
また、このシリーズより、怪人のアップグレードに合わせてタケちゃんマンの方も「タケちゃんマンロボ」を導入。更には「タケちゃんマン7(セブン)」へと変貌を遂げます。
タケちゃんマンに足並みをそろえるかのようにして、ナンデスカマンの方も、「ナンデスカマンロボ」を導入し、「ナンデスカマン7」へと変貌を遂げます。
サラリーマン
タケちゃんマンと四番目に戦った怪人、これがなんとも意表を突いたキャラクター「サラリーマン」です。コスチュームは、電球のついたマントを羽織っていますが、その下は普通のスーツ。ホントに普通のサラリーマン姿になるという。実に「くだらない」怪人です。
高卒で商事会社勤務。毎日2時間の残業をして給料は187,700円。必殺技(?)は、名刺交換。最高のキャラクターでしたねぇ。
サラリーマン最高です。ビートたけしもこのキャラが一番好きだったと発言している程なのですが、メイン視聴者となっていた子供からの評判が悪く、登場3週目には早々と「サラリーマンライダー」にマイナーチェンジしてテコ入れを図ったものの1カ月という短命に終わってしまいました。残念だなぁ。大人になってみるとこのキャラクターの良さがよく分かるんですけどね。
妖怪人間知っとるケ
明石家さんまが演じた5番目の怪人「妖怪人間知っとるケ」。サラリーマンの反動からか、思いっきりメイクしての登場です。バッキーというカラスを肩に乗せ、腹話術になっていない腹話術を使って笑いをとっています。ここでの明石家さんま最高です!もう振り切ってます。
対決はCM依頼が2人に来て、知っとるケに理不尽な撮影となるというのがよくあったのですが、体当たりの演技というのでしょうね、明石家さんまがホントにスゴイです!
しかし、明石家さんまの熱演にも関わらず、最後、知っとるケは、焼身自殺してしまいます。
パーデンネン
「お前はアホか!」と言われると、「アホぉ〜?アホちゃいまんねん パーでんねん!」と叫んで変身する「パーデンネン」の登場です。
途中、ビートたけしが「フライデー事件」を起こして謹慎するというアクシデントに見舞われました。
そして、「ツナギマン」というキャラクターを最後としてタケちゃんマンは終了します。
それにしても、明石家さんまは他にも「お待ち娘」、「アミとりおばさん」、「ちょっといいですか神父」、「バイキンガーZ」、「カスタネットマン」と言ったキャラクターを演じているんです。最後までパワフルでした。後半、もうやりたくない感が出ていたビートたけしとは好対照といっていいでしょう。
また、島田紳助も「コーモリ星人」、「Dr.イーデス」、「地底人モグリン」、「水中人ガッピー」、「洗濯女」など多くのキャラクターを演じてタケちゃんマンを盛り上げていました。
最近はお笑い芸人を使ったトーク番組ばかりになっていますから、また、このように「くだらねぇナ」と言わせるようなバラエティ番組を作ってほしいですね。