【ゲームセンターあらし】大人気漫画がアニメで天下を取れなかった訳とは!?

【ゲームセンターあらし】大人気漫画がアニメで天下を取れなかった訳とは!?

テレビゲーム黎明期に登場した漫画「ゲームセンターあらし」は、テレビゲームという最先端の娯楽をいち早く取り入れ大ヒットしました。その人気を受けてアニメ化されたのですが、漫画とは異なり時代の波に飲み込まれる結果となります。人気漫画=人気アニメとならなかった原因はどこにあったのでしょうか?


「ゲームセンターあらし」とは?

1978年に読み切りが発表されたあと、その人気を受けて1979年からコロコロコミックで連載が始まった、すがやみつる原作の漫画です。「スペースインベーダー」が大流行した当時、実在のゲームを題材として取り入れ、当時の少年を中心に大ヒットしました。最新ゲームの簡単な紹介や攻略法、ド派手で再現不可能、原理不明、効果不明(笑)の必殺技の数々を駆使する主人公「石野あらし」とライバルたちの勝負を中心に展開する「ゲームバトル漫画」です。その人気を受けて1982年、テレビアニメとして放映されました。特徴であるゲームバトルの再現はもちろん、「月面宙返り」や「炎のコマ」、さらに、あの「ノーブラボイン撃ち」まで登場するなど、特徴である「ゲームバトル」が、アニメという手法により、さらに派手に表現されています。

すがやみつる先生のイラストを見ると、当時のことが鮮明に思い出せます。

DVDパッケージ

メインキャラクター

石野あらし
勉強はからっきしダメだが、ゲームの腕前だけは超一流の小学生。巨大な出っ歯とインベーダーをあしらった「インベーダーキャップ」がトレードマーク。ライバルたちとのゲームバトルを通じて、様々な必殺技を開発、駆使してライバルたちとバトルを繰り広げる。

月影一平太
あらしのライバルである中学生。多数の配下を持つ番長として君臨しつつ、ゲーム大会でも無類の強さを発揮していたが、あらしに敗北。その後はあらしと友情を育み、仲間として活躍するようになる。

大文字さとる
IQ300を誇る天才児。3段リーゼントという特徴的なヘアスタイルが特徴。あらしの最初のライバルとして、自分で開発したゲームで挑むものの敗北。その後は友人としてあらしをサポートする。

左から、さとる、あらし、一平太。物語の中核となる3人です。

メインキャラクター

ド派手なバトルを中心に展開されたアニメ版

「ゲームセンターあらし」の特徴のひとつは、派手なゲームバトル描写でしょう。このあたりはアニメ版でもメインとして展開します。あの「月面宙返り(ムーンサルト)」や「炎のコマ」、「真空ハリケーン撃ち」などが、派手な動きとして表現されています。もちろん、それらの演出も原作以上に派手になり、より鮮明に「ゲームバトル」が強調されています。団塊Jr.ならほとんどの人が覚えているであろう(笑)、あの伝説の「ノーブラボイン撃ち」も登場します。今では考えられない、ノリと勢いで強引に突き進むという、とんでもないアニメ(賛辞)ですが、それが最大の魅力となっているのです。だから、「ゲーム中にレバーやボタンから手を放すなよ!」などというツッコミは野暮というもの。このあたりは「考えるな、感じろ!」といったところですね。何も考えずに純粋に超人バトルを楽しむのが「ゲームセンターあらし」の楽しみ方のひとつなのです。

あらしの代名詞。最も有名な必殺技かもしれませんね。

炎のコマ

原作以上のヒットに恵まれなかった要因とは!?

さて、アニメ版「ゲームセンターあらし」。当初は1年間、全52話の予定でしたが、実際には半年、全26話で放映が終了しました。いわゆる打ち切りというヤツですね。それを「大人の事情」として片付けてもいいのですが、改めて視聴すると、アニメ版「ゲームセンターあらし」のいくつかの問題点が浮かび上がります。個人的な感想ですが、いちファンの視点から問題点を考えてみましょう。

遅かったアニメ化

アニメ版「ゲームセンターあらし」の放映は1982年4月からですが、原作の人気は一段落しており、内容も迷走して人気にもかげりが見え始めた頃です。また、テレビゲーム界では新しいアイデアのゲームが続々と登場した頃でした。そんな時に、インベーダーを中心とした古いゲーム中心でのゲームバトルでは、子供たちからの受けが悪かったのではないか、と思われます。原作の人気が絶頂の頃、または最新ゲームをモチーフとしていたら、また違ったと思うと残念ですね。これは、テレビゲーム業界の成長がかなり早かった、という理由もあるかと思われます。なにせ、翌年の1983年には「ファミリーコンピュータ」が発売されたのですから。

児童向け漫画なので流行が去るのは早い。もう少し早くアニメ化されていれば違ったのでしょう。

あらし迷走

訳の分からないゲームでのバトル

「ゲームセンターあらし」の魅力のひとつは、「スペースインベーダー」や「ギャラクシアン」など、実在のゲームを使ったゲームバトルです。しかしアニメ版では、実在のゲームの名称は数えるほどしか登場しません。大抵は「ギャラクシアン」っぽいゲーム、「ギャラクシーウォーズ」っぽいゲームなど、なんとなく分かるけど、ちょっと違うな~といった架空のゲームでのバトルとなります。まあ、これは権利関係で仕方ない部分もあると思いますが。しかし、ゲームタイトルが登場せず、「このゲームで勝負だ!!」と言われても、それでは子供たちにアピールできないよね、と思うのです。
ちなみに、アニメ版「ゲームセンターあらし」全26話で、実在のゲームタイトルが登場したのは、

平安京エイリアン
トランキライザーガン
ドラキュラハンター
クレイジークライマー
スクランブル
パクパクマン
モンスターパニック

これくらいでしょうか。ちなみに「パクパクマン」と「モンスターパニック」は、携帯型のLSIゲームです。メインスポンサーがエポック社なので、同社から発売されていたこれらのゲームの登場が複数回ありましたね。

ゲームへの「愛」が足りない

派手な必殺技によるゲームバトルと、実在のゲームの登場。「ゲームセンターあらし」の魅力は、大きく分けてこの2つだと思います。しかしアニメ版では、派手なゲームバトルの演出に重点が置かれ、ゲームの演出が疎かになっているのは致命的ではないでしょうか。一応、ゲームシステムらしき説明は一部のゲームで入りますが、動きに関して異なる部分が多いのは、ファンにとっては致命的だと思うのです。

個人的に気になった一例を挙げます。それは、第8話「男の勝負だ!! サイの目河原」に登場した「トランキライザーガン」というゲームの扱いです。このゲーム、麻酔銃で動物を眠らせ、眠っているうちにトレーラーに運ぶという、シューティングとアクションという2つの要素が入ったゲームです。当時、2種類の行動を組み込んだゲームは珍しく、個人的には非常に好きなゲームなのです。

さて、そんな「トランキライザーガン」ですが、アニメ第8話では麻酔銃で撃ちまくる描写しか存在しません。これではゲームの魅力は半分も表現されていないのではないか、と愚考しています。しかも、イメージシーンの演出では、あらしが麻酔銃を撃ちまくり、動物たちには出血の描写もあります。これだけ見ると、動物たちを虐殺しているようで、なんとも言えない気分になるんですよね。まあ、個人的に好きなゲームだけあり、考えすぎな部分もあるとは思いますが。

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