お世話になったケイブンシャ
「ケイブンシャの大百科シリーズ」「ケイブンシャ文庫」を憶えていませんか?
ケイブンシャの名前を憶えていなかったとしてもB5版の分厚い大百科やファミコンゲームの攻略本など、誰もが一度は触れたことがある書籍。それがケイブンシャの本だったと思います。
発行元の株式会社勁文社は残念ながら2002年に経営破綻してしまいましたが、ケイブンシャの書籍は私たちの幼少期のバイブルとしていつまでも記憶に残ります。
勁文社(1960年~2002年)
株式会社勁文社は講談社の国民雑誌「キング」の編集長だった加納勲氏によって1960年に創設。創業時は主にソノシートを取り扱っていました。

雑誌の付録でお馴染みだったそのシート
1971年12月、怪獣ブーム真っ只中で発売した「原色怪獣怪人大百科」が大ヒット!
筆者も持っていましたが、これはA3判の両面に印刷した用紙を八つ折りにして数十枚函に収めた無綴じの書籍でした。いまではかなりのお宝のようです。。。

中古品市場では数万~数十万の値が付きます
以後、「全怪獣怪人大百科」と改名して年鑑形式に。ここからケイブンシャ大百科シリーズがスタートするのです。
この大百科シリーズは怪獣以外にプロ野球、アイドル、釣り、鉄道、自動車、ラジコン、昆虫、天体、特撮ヒーロー、アニメ、カンフー映画、心霊・ホラー、推理クイズなど、小学生くらいまでの男児が特に好みそうなジャンルをガッチリと網羅していました。
いまでこそ当たり前ですが「サブカル」や「おたく」といった趣味嗜好の元祖が、ここに詰まっていたのだと思います。
このシリーズの大ヒットに、後に小学館(コロタン文庫)など大手出版社が追随したほどでした。



【ケイブンシャの大百科】シリーズ - Middle Edge(ミドルエッジ)
正直、いまでも状態の良いモノを全部集めたい衝動を持っております(笑
↓勁文社に勤めていた方による大全集も販売されています。
1984年からはファミコン攻略本シリーズにも
1984年、ファミコンブームが到来するといち早く攻略本を書籍化。
ゲームソフトごとに特集を細分化させた「ファミリーコンピュータ・ゲーム必勝法シリーズ」を刊行開始し、70以上ものゲームの攻略本をリリースしました。
私のようにゲームの攻略に苦しんだ人のバイブルだったと思います(笑。


全盛期には100日で100刷も増刷!『ゲーム攻略本』の歴史! - Middle Edge(ミドルエッジ)
このように1970~1980年代にかけて「大百科」「攻略本」が土台をとなって雑誌、一般書、ノベルズ、ゲームブック、成年対象の文庫本にも進出して中堅出版社としての地位を固めました。
とくにゲームブックは当時のブームでもあり、ゲームと違った内容やゲームを買ってもらえなかったかわりに買った人も多いのではないでしょうか。



2002年には残念ながら経営破綻を迎えた株式会社勁文社ですが、インターネットのない時代に私たちの好奇心を大いに満たしてくれた知恵袋でした。
現代にもこのような書籍があるといいのにと思う反面、やっぱりインターネットがあるので売れないだろうなあとは感じます。
幼少期の楽しい思い出のひとつでした。