プロゴルファー祈子ってどんなドラマだったっけ?
ゴールデンタイムの常連であり、ヒットドラマを連発していた大映テレビ。その中の一つに1987年10月から1988年4月まで放送の「プロゴルファー祈子」があり平均視聴率は13.3%でした。有名プロゴルファーの父に殺人容疑の疑いが掛けられ、遺書と共に遺体で発見される事が主な発端となる。「殺人者の子ども」と世間から白い眼で見られ、非行に走る祈子。しかし父の容疑を晴らすため、非行グループ北斗七星会の会長であったにも関わらず更生し、真犯人探しと父と同じプロゴルファーへの道へと進むシンデレラサクセスストーリーでした。
プロゴルファー礼子の主要人物
主人公・神島祈子(安永亜衣)
平和に暮らしていた神島家の長女である祈子。非行の道へと進んだ祈子は、5番アイアンを武器に敵グループを相手に様々な戦いを繰り広げた。そして北斗七星会の会長にまで登りつめ「5番アイアンのお祈」と恐れられていた。そんな祈子の荒業で「火の付いたゴルフボールを敵に打ち込む」っという、父を今でも想っている情熱をも感じさせる技があった。やがて野上信也との再会でプロゴルファーへの夢を決意し、自ら鑑別所に出所。非行から足を洗い、夢へと邁進していくのだが、様々な邪魔者が祈子の夢を阻止しようとしていた。
祈子への純愛を抱く・野上信也(風見しんご)
野上家の令息子であり、祈子と徹の幼馴染。二人共、信也を実の兄の様に慕っていました。過去に野上家所有の別荘でクラブショットの練習の際、誤って徹の方にボールが飛んでしまい、それを庇おうと祈子の胸に直撃。祈子が気を失っている事を「死んだ」と勘違いしてしまい徹は信也に暴行し、そのまま行方不明となってしまいました。この出来事が3人の関係が疎遠にしてしまったのです。しかし、祈子が18歳になった非行時代の頃、信也と再会。信也は最初顔を合わせる事を心苦しく思っていましたが徐々に更生させる事に奮闘し、祈子への気持ちが純愛へと変わっていきました。

祈子の兄・神島徹(沢向要士)
祈子と同じく非行の道へと進んだ徹は、北斗七星会と勢力を2分するブラックエンジェルの会長を経て暴力団の華枠会へ入り、非行エリートへの道を進んでいました。実は野上敬太郎の隠し子であり、祈子とは血が繋がっていません。信也とは腹違いの子でもあるという衝撃的な事実があります。レディースブラックの会長である大崎冴子とは恋人関係であったにも関わらず、祈子への感情は妹以上だったので、冴子の嫉妬心は計り知れない状態だったでしょう。信也も祈子へ恋愛感情を抱いていたので恋のライバルだったという事です。

祈子を取り巻く邪魔者たち
野上敬太郎(中条静夫)
愛人との間に授かった徹の実父で、会社の社長である野上敬太郎。祈子の事は野上家の疫病神呼ばわり毛嫌いしていたにも関わらず、立場逆転した丸元賢三からの圧力に耐えかね「信也と別れて野上家を救ってくれ」と自己中全開な人でした。
丸元賢三(長門裕之)
実兄が祈子の父である神島友平に殺害されたあと、丸元物産の社長に就任しています。友平が兄を撲殺し行方不明後、遺書と共に湖で自殺した事になっていますが、実はこの兄の殺害と友平自殺激も、暴力団などの手下を使い、裏では賢三が仕組んだ事だったのです。丸元賢三は本当に腹黒さナンバーワンでした。

野沢剣二(萩原流行)
暴力団である華枠会幹部である野沢剣二。手下の一人に神島徹も従えていました。丸元賢三に孤児であった時代に妹と共にお世話になった恩を返す為に、賢三の命令に従い祈子の行く手を阻んでいました。しかし丸元家の家政婦として働いていた妹の冬子が、賢三の妻である律子からの「祈子殺害」の命令で火を放ちましたが、祈子に勝てず焼死してしまいました。その出来事から徐々に賢三への忠誠心が薄れていきました。

レディースブラック会長・大崎冴子(大沢逸美)
非行グループ北斗七星会のライバルであるレディースブラックの会長である貫禄たっぷりの大崎冴子は、祈子への嫉妬心も非常に強い恋のライバルでもありました。そんな祈子を鑑別所から少年院送りへするべく、自ら鑑別所へ入所。しかしそこへ愛する徹が祈子奪還の為に現れ一緒に鑑別所を脱獄し、レディースブラックを追放されてしまいました。学生時代ソフトボール部でピッチャーをしていた冴子に、更生した礼子に進められ冴子もプロゴルファーへの道へと進み全うな人生を歩んでいきました。この時は祈子と冴子の関係は非行と恋のライバルではなく、ゴルフを志す良きライバルとなっていたようです。

最恐!北斗七星会メンバー
幹部・室田花子(松居直美)
祈子の親友で北斗七星会の幹部であった室田花子。おハナのニックネームで親しまれ、グループの場を和ませる人物でもありました。当たり屋の常習容疑で少年院に収監されていた頃、司鏡子と知り合い仲良くなりましたが、出所後に司鏡子が祈子の命を狙っていると知り心苦しく思っていました。その司鏡子が信也にまで危害を及ぼしてしまったので、祈子との対決は避けられないと思い、司鏡子の殺害を決意しました。しかしもみ合いの末、崖から転落死してしまいました。花子としては、どちらも大切な友達。その間に挟まれとても苦しかった事でしょう。そんな友情への強い想いが悲劇を招いてしまうというシーンには衝撃を受けました。

え!まさかのこの人も北斗七星会のメンバーだった
北斗七星会副会長・秋葉清(織田裕二)
今や大御所ともいえる俳優の織田裕二さん。そんな織田裕二さんは1987年4月に上映された映画「湘南爆走族」にてデビューし、その後すぐに「プロゴルファー祈子」でテレビドラマデビューしました。本作では北斗七星会の副会長のポストである秋田清役を演じていました。「湘南爆走族」撮影の為に二輪免許を取得していたので、暴走シーンはお見事でした。1989年6月公開の「彼女が水着にきがえたら」の撮影の絡みも関係あるのが、出演は序盤のみだったのが残念でした。

補足!祈子そっくり人物
司鏡子(士家里織)
鏡の子と書いて鏡子。名前の漢字通り、同じ格好、胸にある傷、祈子とそっくりな人物です。中学時代には継母をベランダから突き落として殺害、また収監された少年院でも看守を刺殺しているという凶悪な少女です。
