内田裕也が脚本・主演を務めた映画「コミック雑誌なんかいらない!」
「ロックンロールの重鎮」として、昭和・平成を駆け抜けた内田裕也。ロックミュージシャンとしての活動に留まらず、映画の世界でも活躍していました。そんな彼が脚本及び主演を務めた映画として、1986年に公開された「コミック雑誌なんかいらない!」があります。

内田裕也が芸能レポーターに扮し、ワイドショーに踊らされる大衆を皮肉った作品である同作。1985年頃に実際に起こった事件や出来事が取り上げられており、カンヌ映画祭などでも上映され一定の評価を得ました。この記事では、同作で登場した事件の数々をご紹介したいと思います。
「コミック雑誌なんかいらない!」に登場する事件の数々!!
豊田商事事件/豊田商事会長刺殺事件
80年代前半に世間を騒がせた「豊田商事事件」。豊田商事が引き起こした、金地金の現物まがい商法による組織的詐欺事件であり、被害総額は詐欺事件としては日本最大級の2000億円。1985年6月には、被害者の元上司であった自称右翼の男による豊田商事会長の刺殺事件も発生し、当時のワイドショーはこの事件一色となりました。

日航ジャンボ機墜落事故
1985年8月に発生した「日航ジャンボ機墜落事故」。日本航空123便が群馬県多野郡上野村の「御巣鷹の尾根」に墜落し、500人以上が犠牲となる航空事故史上最悪の事故となりました。

山口組と一和会の抗争(山一抗争)
1984年8月から1989年3月にかけて発生した暴力団抗争事件「山一抗争」。山口組と一和会との間に起こった抗争であり、山口組・一和会ともに二桁の死者を出す暴力団史上最悪の抗争となりました。1985年1月には、山口組四代目組長であった竹中正久も殺害されています。

ロス疑惑
80年代前半にロサンゼルスで起こった殺人事件などについて、三浦和義にかけられた一連の疑惑、通称「ロス疑惑」。事件の背景として「保険金殺人」がクローズアップされ、当時のワイドショーや週刊誌などによる報道合戦が繰り広げられました。映画では、三浦本人も出演しています。

松田聖子と神田正輝の結婚
1985年6月に結婚式が行われた、松田聖子と神田正輝の結婚。披露宴はテレビ中継され、その豪華さに日本中が釘付けとなりました。そして松田は妊娠・出産を経て「ママドル」に。しかし、1997年1月には離婚しています。

桃井かおりと高平哲郎との交際
そして最後は、桃井かおりと放送作家・劇作家として活動する高平哲郎との交際。桃井本人が出演し、内田裕也扮する芸能リポーターが成田空港でマイクを突き付ける演出が行われました。

上述の通り80年代を象徴する出来事の数々が取り上げられ、公開から30年以上を経た現在においては、当時を知る者の記憶を呼び覚ませてくれる「コミック雑誌なんかいらない!」。ロックンロールとは一味違った内田裕也の“遺産”として、今後も語り継がれていくことでしょう。
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