昭和の香りムンムン!70年代にデビューした、女泣かせの魅惑のムード歌謡グループたち。

昭和の香りムンムン!70年代にデビューした、女泣かせの魅惑のムード歌謡グループたち。

ムード歌謡グループは息が長い。一般的には60年代にデビューしたグループの認知度が高いように思われます。彼らは60年代以降、今日でも頑張っているグループが少なくないからでしょう。では70年代には魅惑のグループはデビューしなかったのかといえばそうではありません。女泣かせの、昭和の香りを漂わせたグループがいくつもいます。


魅惑のムード歌謡

思いっきり昭和の夜を感じさせるムード歌謡。若いファンが付いているかといえば、それはナイように思えますが、かといってこのジャンルは無くなりませんよねぇ。根強いファンが居て日毎夜毎カラオケに興じているのでしょう。
一度はまると抜けられない日本独自の音楽ジャンル、ムード歌謡。その歴史は古く50年代までさかのぼります。ソロもいいですが、その魅力が最大限に発揮されるのはグループ。50年代の代表的なムード歌謡グループといえば、和田弘とマヒナ・スターズですね。

ウナセラ・ディ東京

和田弘とマヒナ・スターズ

60年代になるとムード歌謡を代表するグループが多数デビューし、ヒット曲を連発しています。ロス・プリモス、ジャッキー吉川とブルー・コメッツ、三浦弘とハニーシックスが1966年デビュー。1967年には鶴岡雅義と東京ロマンチカ、そして1969年、内山田洋とクール・ファイブがデビューしています。ムード歌謡グループにとっては黄金の10年ですね!
それでは70年代はどうか?!70年代にデビューしたムード歌謡グループをピックアップしました。

1971年デビュー 敏いとうとハッピー&ブルー

ハワイアン、ジャズ、ラテンなどの要素を取り入れたムード歌謡は日本独自の音楽ジャンルです。戦後のナイトクラブで生まれ育ちました。70年代に入るとナイトクラブやキャバレーが次々に閉鎖に追い込まれるのと同時にムード歌謡も徐々に衰退していくことになります。70年代はムード歌謡にとって厳しい時代の幕開けとなったんですね。

さて、そんな70年代ですが、1971年に大物ムード歌謡グループがデビューしています。敏いとうとハッピー&ブルーです。

わたし祈ってます

敏いとうとハッピー&ブルー

後に「ムード歌謡の帝王」の異名を持つようになる敏いとうとハッピー&ブルー。白のスーツがビシッと決まってます!ハッピー&ブルーといえば白のスーツですもんね。初代リードボーカルの森本英夫はソロで「タイガーマスク」の主題歌を歌っていたというナイスなキャリアを持っています。
「わたし祈ってます」、「星降る街角」、「よせばいいのに」など数多くのヒット曲を70年代に放ちました。

1972年デビュー 平和勝次とダークホース

敏いとうとハッピー&ブルーに比べると現在では認知度は低く小ぶりな印象をうける平和勝次とダークホース。1972年のデビューです。

宗右衛門町ブルース

平和勝次とダークホース

活動期間が僅か2年ときては認知度が低いのも致し方ありませんね、そりゃぁね。しかしこの平和勝次とダークホースを侮ってはいけません!デビュー曲の「宗右衛門町ブルース」は200万枚の大ヒットとなっているんですから。

う~ん、200万枚も売れた割には地味な曲ですね、「宗右衛門町ブルース」。そうそう、ムード歌謡の歌詞は男性ボーカリストが女言葉で女性の視点から歌うという特徴がありますが、「宗右衛門町ブルース」のように地名を歌った、いわゆるご当地ソングが多く登場します。
これは、ネオン街を舞台とした大人のラブストーリーを描くことが多かったムード歌謡ですが、70年代に入りナイトクラブやキャバレーなど夜の社交場がなくなったことと無関係ではないと思われます。

1975年デビュー 森雄二とサザンクロス

1975年に「さようなら幸せに」でデビューした森雄二とサザンクロス。残念ながらヒットには至りませんでしたが、翌年の「意気地なし」、これが大ヒット!ゴールデンレコード賞を受賞しています。

意気地なし

森雄二とサザンクロス

更には「足手まとい」がヒットし(これ、タイトルがもう魅惑。最高ですね)代表曲となります。

80年代に入っても「さっぽろ雪まつり」のテーマソングになった「好きですサッポロ」が大ヒット!しかし、人気はあったのですが1985年に惜しまれながら解散します。

が、しかし話はここで終わらず、1987年にソロデビューしていた菅野ゆたかは、なんと2002年に敏いとうとハッピー&ブルーの森本英世、秋庭豊とアローナイツの木下あきらとともに「ハッピー・サザンアロー」を結成したんですね。ネーミングいいです。スーパー・ムード歌謡グループというわけです。感涙、ファンのおばさま達は感動で泣き崩れたことでしょう。

1975年デビュー 秋庭豊とアローナイツ

ファン以外には余り知られていないと思うのですが、秋庭豊とアローナイツは実はかなり骨のある男たちなのです。メンバーは北海道出身で炭坑夫として働きながら音楽活動をしていたという経歴もさることながら、デビュー曲にして代表曲となった「中の島ブルース」は実は自主制作盤だったのです。今でいうところのインディーズですね。

 中の島ブルース

秋庭豊とアローナイツ

これが全国的なヒットとなったとのですから大したものです。1973年のことです。それから2年後に「中の島ブルース」はメジャーからも発売されていますが、歌詞が異なっています。ファンの方は要チェックですね。いや、ファンお方は既にご存知か!

因みに歌詞に大阪・長崎が出てくるこの動画はメジャーバージョンです。インデーズバージョンは札幌を舞台としたものになっています。

ロス・インディオス&シルヴィア

ロス・インディオスは、1962年に結成され60年代には既に「コモエスタ赤坂」「知りすぎたのね」などをヒットさせていました。では、なぜ70年代を代表するムード歌謡グループとして取り上げたかといいますと、1979年以降今日までロス・インディオスは女性ボーカリストを加えるんですね。
そうです。1979年、ロス・インディオス&シルヴィアとしてプチ・リニューアルし「別れても好きな人」を発売したのです。

別れても好きな人

ロス・インディオス

「別れても好きな人」の何が凄かったかといえば、曲はもちろん大ヒットしたのですが、何よりもデュエットブームを巻き起こしたという点です。
おばさま方はオジサマとデュエット出来るということで舞い上がり、オジサマ方は若いオネエチャンと一緒に歌えるということで燃えたのでした。

ムード歌謡の確固たる地位を築いたデュエットソング。そのひな形とも言える曲ですね。

いつの時代も同じような曲調、テーマといった印象を持たれがちなムード歌謡ではありますが、時代と共に変化しているのです。だからこそナイトクラブは廃れても、ムード歌謡グループは愛され続けているというわけです。

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