「おやじファイト」で得られた生きがい!40代ボクサー、阿部浩治さん

「おやじファイト」で得られた生きがい!40代ボクサー、阿部浩治さん

自分の過去を振り返った時、誰しも口惜しかったり恥ずかしかったことがあると思います。そんな過去をどう受け入れて消化するかは人それぞれ。40代でリングに立つボクサー阿部浩治さんはそんな自身の過去を美化することなく向き合うことで生きがいを手に入れることが出来ました。


「角海老宝石ボクシングジムは基礎からみっちり叩き込んでくれたので、それまでボクシング未経験の自分には合っていましたね。ボクシングにずっとあこがれていたので大学1年の8月入門以来、練習に明け暮れました。



当時は世界チャンピオンになればテレビのゴールデンタイムで放送された時代ですし、大学時代は必死で練習に励みました。毎日強い人と拳を交え、ボコボコにされても次の日にはまたジムに通う。そんな生活を繰り返しながら大学3年の時プロテストに合格したんです。」

中2で憧れたボクシング。
その世界へ歩みを進めるために国立大学を目指す。

一見ユニークな歩みと感じますが、同時に道を定めたらブレない強さを感じます。
その精神力で、阿部さんは埼玉大学3年生のときにプロボクサーとなります。

憧れのプロボクサー、そのリング上でみた景色は。

2戦して2敗、ともに2Rでダウンを奪われる

1998年12月5日のプロデビュー戦、翌1999年8月16日のプロ第2戦。

阿部さんはともに聖地・後楽園ホールで戦い敗れます。
いずれの試合でも2Rにダウンを喫し、阿部さんはリベンジを期しつつ就職することになります。

「それなりの練習を積んだ自負もありプロテストは自信があったんです。そして迎えたプロデビュー戦の後楽園ホールは心が昂って目の前の鉄扉が開くまでの時間が長かったですね。」





「プロで2戦やった実感としては『このまま続けてもよい流れが作れない。一度就職して環境を変えてからリベンジしよう』というのが率直な思いでした。



元々、角海老宝石ボクシングジムには大学卒業後に会社員として働きながらプロで戦う新井泰選手という方がいて、自分もそのような道を目指していたんです。」


元日本王者の新井泰さん、会計事務所を開業 | Boxing News(ボクシングニュース)

ボクシングがやりたくて国立大学を志した阿部さんの中高時代。
今度はプロのリングでのリベンジを誓いつつ大手企業に就職することとなりました。

2年間の会社員生活を経て公務員試験に合格

就職した企業を2年で辞めた阿部さん。
社内結婚を経ての退職後、1年の勉強期間を経て公務員試験に合格することとなります。

見事合格した後、現在の職場である千葉県市川市役所に採用された阿部さんは、リベンジを期していたプロのリングを目指してボクシングジムに足を運び、2006年に再びプロテスト合格を果たします。

果たせなかったリベンジ

-「ボクサーになる」と誓ってからの大学受験、「リベンジする」と誓ってからの公務員試験。一見繋がっていないようにみえますが、阿部さんはどちらもクリアしたうえでプロの資格を勝ち得ています。

「プロになった満足感よりも、リングでダウンした口惜しさと恥ずかしさがずっと忘れられなくて。その事実と向き合えなかったこと、弱い人間と思われるのが嫌だったこと。そんな気持ちを拭うことが出来ませんでしたね。」

再びプロの資格を手に入れた阿部さんでしたが、時同じくして子宝に恵まれたこともあり、試合はすることなく引退。

その後は公務員として生活を送ることとなりました。

「その後は仕事と家庭の毎日を送りましたが、ライセンスの年齢制限である37歳を迎えてプロボクサーとしてリベンジを果たすことが不可能となったとき、気持ちが荒んでしまうこととなりました。結局、2戦2敗の現実を受け止めることが出来ず無為に過ごしてしまったという気持ちが残ってしまったんです。」

厳しいトレーニングに耐えてプロの資格を2度手に入れた、という見方も出来るとは思います。

しかしながら、志した場所と実際に歩んだ道との乖離に苛まれる、その苦悩はご本人にしか分からないことかもしれません。この時期について、阿部さんは明確に低迷期だったと話されました。

「おやじファイト」との出会い

2015年、そんな阿部さんに大きな転機が訪れます。

「子供の同級生のお父さんが元ボクサーだったんです。父兄参観のときに思い切って話しかけてみたらボクシングの話で意気投合しまして。一緒に練習しよう!という話から。正直、嬉しかったし楽しかったんですよ。」

そこで出会ったのが「おやじファイト」。

ジムでの練習を再開した半年後、阿部さんはついにボクシングのリングに再び上がることとなりました。

おやじファイト-「ただのオヤジか戦うオヤジか。」

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