【39】ポケベル、50周年の節目を迎えるも来年でサービス終了へ

【39】ポケベル、50周年の節目を迎えるも来年でサービス終了へ

かつて一世を風靡し、当時を生きたひとや現在の一部界隈のひとにはおなじみの「ポケベル」。サービス開始から50周年という節目を迎えている今日この頃だが、来年にはサービスを終了するという発表があった。


ポケベル50周年 サービス終了へ

 1968年、NTTの前身組織によりサービスが開始されてより、一世を風靡し今でも一部業界で大事に使用されているポケベル。

 公的には《無線呼出サービス》と言われているポケベルが、来年9月30日をもってサービス終了するという発表があった。
 NTTドコモが2007年にサービス終了、沖縄テレメッセージが2017年に県内のサービスを終了して以来、日本ではほぼ唯一の無線呼出サービス提供会社となっていたのが東京テレメッセージ。

 サービス終了の理由は《経営資源を防災無線に集中するため》とのこと。
 倒産するわけでもなく、事業撤退をすることもなかった。皆様のご利用のおかげで――という感謝の言葉で東京テレメッセージからの発表は締めくくられている。

ポケベルって知ってる?

 IHなどの活躍によりガスコンロを使ったことがないというお子様が増えている昨今、《ポケベル》の存在感はどのようなものになっているのだろうか。
 若者や青年という年齢の方ならば、ポケベルを名前としては知っているが「触ったことがない」ないし「見たことがない」という方も結構いらっしゃるのではないだろうか。

ポケベル

無線呼び出し - Wikipedia

《ポケベル》は公的には〝無線呼出サービス〟ないし〝無線呼出〟と呼ばれ、海外では〝ページャー〟と呼ばれることが多いようだ。

 その登場は1958年のアメリカで、日本でサービスが開始されたのは1968年のこと。
 これは携帯電話の前身となる〝自動車電話サービス〟が登場する約10年前のことである。

自動車電話

自動車電話 - Wikipedia

 大体の機械類はそうだがポケベルも最初は高価であり、初期は企業向け、社会人向け、ビジネス用といった意味合いが強かった。

 その後、事業の拡大、技術の進歩などによって低価格化が進行。
 民間や家庭向けにサービスが提供される頃になると女子高生諸君がこれに注目。一大ブームを巻き起こした。

 このブームは社会現象レベルに至っており、

 とまで表現されている。

 ブームのピークは1990年代。だいぶ長く生きた方だとは思うが後続の〝携帯電話〟の利便性が異常に強かった。
 民間個人での利用が急激に増えているためピークがこの時期に設置されているが、すでにこの時、企業や法人では携帯の普及にともなう解約が発生。
 サービス提供会社は経営の舵取りに胃を痛めていたかもしれない。

 電波障害や電磁波が業務に影響する防災・医療系の現場では現在でも使用されているケースがあったようだが、それ以外のところでは確実に出番を失っており、現在、

 とのことである。さみしいなあ。

ポケベルを巡る物語

ポケベルが鳴らなくて

Amazon | ポケベルが鳴らなくて | 国武万里, 秋元康, 後藤次利, カラオケ | J-POP | 音楽

 繰り返しになってしまうが、ポケベルは最初は企業、法人、事業向けで提供が開始され、その後にご家庭を経由して女子高生たちを中心にブームを巻き起こした。

 今でこそ当然になっているが《出先の人と準リアルタイムで通信できるという》ということは画期的で、待ち合わせの難易度は劇的に下がったことだろう。
 もっとも双方外出先という状態だとどこまで意思疎通ができたか謎なので発展の余地はあっただろし、結果としてそれが現在の小型端末産業に通じているという一面もあるのだろう。


 ポケベルや当時を象徴しているようなCMがこちら。

 このCM、広末涼子の年齢やファッションもそうだが〝エアマックスを履いている〟というポイントが強い。コメントではエアマックス95であることが指摘されている。わかる人にはわかるのだろう。


 さて、規模が拡大していくと問題点もよく見えてくる。ポケベルも色々言われていたことがあって、

・ポケベルを使ったコミュニケーションが増えると、実際に顔をあわせたり話したりする機会が減るのではないか。
・よく知らない人と気軽にやりとりできてしまうのは危険ではないか。
・依存症の脅威が強いのではないか。
・イジメに使われているのではないか。
・ポケベルを巡る先生(大人)と生徒(若者)でのすれ違い、トラブルの多発

 あたりがよく出てくる。
 このあたりは現在の《SNS》で注意喚起されていることとよく似ている。
 いまSNSに対してコメントしている人たちが昔、ポケベルに対して何を言っていたかを調べてみうのも一興かもしれない。

 もっとも問題はこれだけではなく、異常に高い需要による《公衆電話の混雑、酷使、破損》や意識的無意識的な使用による《高額請求》、そして《テレホンカードの偽造》など民法や刑法が絡んできそうな案件も多かったようだ。


 とはいえポケベルは設備や料金形態、端末の普及が今ほどに広がっていたわけではない。こういった《悩み》にも〝憧れ〟や〝懐かしさ〟を抱いている方もいらっしゃるかもしれない。


 近頃またiPhoneの新型の発表か発売がされたようだが、数十年後、我々の手にはどのような端末が握られているのだろうか。
 もしかすると「昔は携帯とかみんな手に持ってたんだよ」なんてことを話す時代が来るのかもしれない。

関連する投稿


『地球の歩き方』が“平成”へタイムトラベル!歴史時代シリーズ第4弾発売決定&読者アンケート開始

『地球の歩き方』が“平成”へタイムトラベル!歴史時代シリーズ第4弾発売決定&読者アンケート開始

重版続々のヒットを飛ばす「地球の歩き方 歴史時代シリーズ」に待望の第4弾『平成』が登場!2026年夏の発売を前に、読者の“平成の記憶”を募集する記念アンケートがスタートした。バブルの余韻からガラケー、SNSの普及まで、激動の30年間を独自視点で深掘り。あなたの思い出が誌面に掲載されるチャンスも!


病院も映画館も煙モクモク!?自由すぎる昭和の常識を徹底図解

病院も映画館も煙モクモク!?自由すぎる昭和の常識を徹底図解

日本文芸社は、「昭和100年」の節目に、書籍『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』を11月27日に発売しました。庶民文化研究家・町田忍氏監修のもと、「病院でもタバコOK」「消費税なし」「過激すぎるTV」など、令和の感覚ではありえない“自由すぎた昭和の本当の姿”を、図解と豊富な資料写真で紹介。世代を超えたコミュニケーションツールとしても楽しめる一冊です。


消えた回転寿司チェーンの記憶──昭和・平成を彩ったあの店はいまどこに?

消えた回転寿司チェーンの記憶──昭和・平成を彩ったあの店はいまどこに?

昭和から平成にかけて、全国各地で親しまれていた回転寿司チェーンの数々。家族の外食、旅先の楽しみ、地元の定番──いつしか姿を消したあの寿司屋は、なぜ消え、どこへ行ったのか。本記事では、現在は閉店・消滅した地域密着型の回転寿司チェーンを、当時の特徴やSNSの証言とともに記録として振り返る。


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


最新の投稿


司馬遼太郎没後30年。不朽の名作『坂の上の雲』がついにオーディオブック化、森川智之が魂を吹き込む

司馬遼太郎没後30年。不朽の名作『坂の上の雲』がついにオーディオブック化、森川智之が魂を吹き込む

司馬遼太郎没後30年を記念し、代表作『坂の上の雲』がAmazonオーディブルでオーディオブック化決定。2026年5月1日より第1巻の配信が開始されます。ナレーターには人気声優の森川智之氏を起用。明治という激動の時代を駆け抜けた若者たちの青春群像劇が、圧倒的な表現力で耳から楽しむ新たな読書体験として蘇ります。


あの熱狂をもう一度!千葉で「昭和歌謡ショー」開催。20名超の演者が贈る100分間のノンストップ公演

あの熱狂をもう一度!千葉で「昭和歌謡ショー」開催。20名超の演者が贈る100分間のノンストップ公演

NPO法人ひこうき雲が、2026年5月23日に千葉市で「昭和歌謡ショー」を開催します。従来の合唱スタイルとは一線を画し、大音響と光の演出、20名以上の演者による怒涛のダンスとパフォーマンスで昭和の大型音楽番組を完全再現。名曲40曲をノンストップで繋ぐ、中高年世代が心から熱狂できる唯一無二のエンタメ空間です。


昭和100年、未知への挑戦を辿る。国立公文書館で南極・深海・宇宙の特別展イベントが開催

昭和100年、未知への挑戦を辿る。国立公文書館で南極・深海・宇宙の特別展イベントが開催

国立公文書館で「昭和100年記念特別展」が開催中。昭和の日本人が挑んだ南極・深海・宇宙という3つのフロンティアをテーマに、JAXA名誉教授や南極観測隊長ら豪華講師陣によるスペシャルトークセッションや展示解説会が実施されます。歴史的公文書と共に、未知なる領域へ挑んだ先人たちの情熱と軌跡を深掘りする貴重な機会です。


昭和100年記念!邦画5社が垣根を越え集結、新文芸坐で「いま観たい」名作10本を厳選上映

昭和100年記念!邦画5社が垣根を越え集結、新文芸坐で「いま観たい」名作10本を厳選上映

昭和100周年を記念し、東宝・松竹・KADOKAWA・東映・日活の邦画5社がタッグを組んだ特集上映が池袋・新文芸坐で開催。山田洋次監督のトークショーや最新の4Kリマスター技術を語るイベントも実施されます。銀幕のスターが蘇る名作10選とともに、日本映画の黄金期をスクリーンで体感できる貴重な機会です。


『サザエさん』生誕80周年!名作『いじわるばあさん』と共に待望の電子書籍化、昭和の記憶を次世代へ

『サザエさん』生誕80周年!名作『いじわるばあさん』と共に待望の電子書籍化、昭和の記憶を次世代へ

1946年の連載開始から80年。昭和を代表する漫画家・長谷川町子の名作『サザエさん』全68巻と『いじわるばあさん』全6巻が、ついに初の電子書籍化。戦後日本の生活や家族の姿を鮮やかに描いた不朽の名作が、スマホやタブレットでいつでも楽しめるようになります。時代を超えて愛される原作の魅力に迫ります。