東京パフォーマンスドール『キスは少年を浪費する』‐1993年11月10日リリース

キスは少年を浪費する
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1994年にダブルミリオンを達成した『恋しさと せつなさと 心強さと』。歌い手である篠原涼子とTKの縁が始まったのは、彼女が所属していた女性アイドルグループ・東京パフォーマンスドールとの仕事がきっかけでした。
TKがパードルに楽曲提供したのは、1992年11月21日リリースの『十代に罪はない』がはじめてで、この『キスは少年を浪費する』では編曲も担当。作詞は中森明菜の『少女A』やカルロス・トシキ&オメガトライブ の『アクアマリンのままでいて』などの作詞を手掛けた売野雅勇が担当しており、どこか退廃的なムード漂う歌詞と、コテコテのユーロビートに乗せたシンセサウンドは異常なほどにミスマッチ。でもそこがまた、パードルの無秩序感を表現しているようで、なんとも味があります。
牧瀬里穂『国境に近い愛の歌』‐1993年9月17日リリース

P.S.RIHO(牧瀬里穂)
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宮沢りえ・観月ありさへプロデュースという名の調教を施してきたTKは、1993年、ついにM3最後の一人・牧瀬里穂の楽曲も手掛けることに。とはいえ、りえと観月のように衣装やプロモーションにまで口を出すほど、トータルプロデュース的にどっぷりかかわるようなことはせず、ファーストアルバム 『PS. RIHO』の収録曲『国境に近い愛の歌』『キャンセルされたプライバシー』の作曲・コーラスアレンジを担当するにとどまりました。
裕木奈江『みんな笑った』‐1993年12月12日リリース

旬(裕木奈江)
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1993年はTRFのメジャーデビュー年。同年2月にリリースされたファーストシングル『GOING 2 DANCE/OPEN YOUR MIND』を皮切りに、1年でシングル5枚、アルバム2枚を発表するという、スタートからハイペースな活動を見せていました。それに伴い、TKはハードスケジュールに追われていたわけですが、忙しい合間を縫って、アイドル・タレントへの曲作りに着手。ドラマ『北の国から』で純の子を妊娠・中絶する役で脚光を浴びた裕木奈江にも、アルバム収録曲『みんな笑った』を提供しました。
池山隆寛『自由の女神』‐1993年12月15日リリース

TO THE TOP VICTORY ROAD
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最近はほとんどなくなりましたが、昔はオフシーズンになるとプロ野球の人気選手がよくレコード及びCDをリリースしていたものです。たとえば、世界のホームラン王・王貞治は『白いボール』(1965年)、エモヤンこと江本孟紀は『恋する御堂筋』(1979年)、小林繁は『昨日の女』(1980年)、ノムさんこと野村克也は『俺の花だよ月見草』1993年)など枚挙に暇がないですし、落合博満に至っては10枚のレコード、1枚のオリジナルアルバム、さらにはゴールデン☆ベストまで出しています。
そんな歴史と伝統あるプロ野球音楽ビジネスに、およそスポーツなどかかわりのない半生であったであろうTKがついに参与。当時「野村ID野球」で隆盛を極めていたヤクルトスワローズの若手によるアルバム『TO THE TOP VICTORY ROAD』の中に収録された、ブンブン丸こと池山隆寛の楽曲『自由の女神』の作曲・編曲を担当しました。
中森明菜『愛撫』‐1994年3月24日リリース

片想い/愛撫 (中森明菜)
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恋人・マッチの自宅マンションにおける自殺未遂騒動・破局会見以降、情念を秘めた魔性の女として語られるようになった明菜のパブリックイメージをくみ取ったのでしょうか。 松本隆が作詞、TKが作曲と編曲をつとめたこの『愛撫』は、1985年のシングル『ミ・アモーレ』の世界観をより深化させ、年相応の情感を絡ませたような曲になっていました。この時の仕事ぶりが評価され、TKは後に明菜のトータルプロデュース曲『MOONLIGHT SHADOW-月に吠えろ』を手掛けることに。
内田有紀『Only You』‐1995年4月21日リリース
「しんのすけ!朝だぜ!私は内田有紀だぜ!」と、クレヨンしんちゃんでみさえが内田有紀のお面をかぶっていたシーンがあったことからも分かるように、内田有紀といえばデビュー当時ボーイッシュキャラで売っていました。
このボーイッシュ時代全盛だった頃の内田有紀も、TKはフルプロデュース。「ロッテリア」のCMソングで、オリコン初登場2位に輝いた名曲『Only You』を提供します。

Only you(内田有紀)
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「Only You Uh-Ow Ow O-♪」と出だしから、心を鷲掴みにされるキャッチーなフレーズとのっけからうるさすぎるTKのハモリ(だがそれがいい)。楽曲中には、内田のラップという名のただの早口も収録されています。
(こじへい)